2月24日(土)公開の『レオン』は、ナイスバディだけが取り柄の地味なOLと年商500億円のワンマン社長という、正反対な2人の心と身体が入れ替わってしまうスイッチング・エンターテインメント映画。

2016年には、男女の高校生が入れ替わってしまう『君の名は。』が大ヒットを巻き起こしたことも記憶に新しいですが、“入れ替わり”はひとつの定番として過去にも様々な作品が製作されてきました。しかし定番とはいえ、役者の演技力や設定の緻密さなど、製作陣の腕が試される難しいもの。ここでは、そんな“入れ替わり”を見事にエンターテインメントに昇華させた作品をご紹介します。

(c) 清智英・大倉かおり/講談社・2018映画「レオン」製作委員会

思春期の男女が入れ替わる名作『転校生』(1982年)

日本における入れ替わり映画を語る上で欠かせないのが『転校生』。広島の尾道に住む中学生の斉藤一夫(尾美としのり)と、一夫のクラスに転校してきた斉藤一美(小林聡美)が、一緒に神社の石段を転げ落ちたことを機に入れ替わってしまうというストーリーです。

がさつでいたずらっ子の一夫と育ちが良い一美は、性別だけでなく性格も真逆。そんな2人ですが、石段からの転落後には、一夫が内股で歩いたり、一美が口いっぱいにものを詰め込んで食べたりと、本当に入れ替わっているように見えてくるから驚きです。特に、大林宣彦監督の「性を意識した年代の役者が演技しないと(本作の)映像表現は難しい」という意向に応えるように、惜しげもない脱ぎっぷりを披露している当時16歳の小林聡美は圧巻! トイレの仕方などの繊細なことから淡い恋の相談まで、年頃の男女なら秘めているはずの諸々を共有しているうちに強い絆で結ばれていく2人の不思議な関係に説得力を持たせています。

また本作は、後に続く入れ替わり作品の演出法を確立させた映画とも言われています。ドラマ「パパとムスメの7日間」(2007年)や「さよなら私」(2014年)など、近年の入れ替わり作品にもオマージュと思しきシーンが見つかるので、比較しながら観てみるのも一興です。

犬猿の仲だった母娘が入れ替わる『フォーチュン・クッキー』(2003年)

全米で1億ドルを超える大ヒットを記録し、リンジー・ローハンを人気アイドル女優の座に押し上げた『フォーチュン・クッキー』。中華レストランで一緒にフォーチュン・クッキーを食べたことで母娘が入れ替わってしまうお話です。

完璧主義な精神科医のシングルマザー・テスと、ロック好きな女子高生の娘・アンナは、顔を合わせれば喧嘩ばかり。そんな2人が、母の再婚と娘のバンドのオーディションを目前に控えたある日、入れ替わってしまうのです。勉強もしなければ行儀も悪い娘に頭を悩ませていたテスと、母の再婚相手に心を閉ざしたままのアンナ。入れ替わり後はドタバタの日々が2人を待っていますが、互いの日常を送るうちに、それまで見えなかった相手の本心や、自分たちを取り巻く人々の気持ちがわかるようになっていきます。

「相手の立場になって考える」という提言を、ディズニーらしい笑いあり感動ありのコメディに仕上げた本作は、なんといっても主演2人の演技が見もの! 娘役のリンジーはノリの軽いティーンと気難しい母を表情豊かに演じており、母親役のジェイミー・リー・カーティスは、撮影のためにギターの特訓を積んで熱演。ちょっと変わった形での母娘共演のライブシーンとラストの結婚式スピーチには、思わず胸が熱くなります。

「あの人になれたらいいのに」が叶う『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』(2011年)

数少ない男同士の入れ替わりをユーモアたっぷりのコメディに仕上げたのが、『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』。二日酔いの男たちが次々とハプニングを繰り広げ世界中を爆笑の渦に巻き込んだ『ハングオーバー!』シリーズの1作目、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)の脚本コンビが手がけています。

登場するのは、美しい妻と子どもたちに囲まれて暮らすエリート弁護士のデイヴと、女に不自由することなく気ままな独身生活を謳歌する売れない俳優のミッチ。それぞれ異なる苦悩を抱える2人は、公園の噴水で立ち小便をしながら「お前と替わりたい」とつぶやくと、思いがけずその願いが叶ってしまうのです。羨んでいた相手の人生が手に入り楽しもうとしますが、実際に体験してみると、それまで気づかなかった相手の本質や、自分にとっての幸せが見えてきて……。

『ハングオーバー!』を彷彿とさせるおバカなギャグや下ネタで冒頭から飛ばしていきますが、徐々にハートフルなドラマになっていく展開は、さすがの一言。ないものねだりは人の性ですが、観た後に「やっぱり自分の人生が一番!」と思わせてくれる清々しさがあります。

(c) 清智英・大倉かおり/講談社・2018映画「レオン」製作委員会

2月24日(土)公開の『レオン』で入れ替わるのは、消極的で地味な派遣OLの小鳥遊玲音と、女好きなワンマン社長の朝比奈玲男。ある日同じ車の事故に巻き込まれた2人は、翌朝目を覚ますと入れ替わっていたのです。誰に言っても入れ替わりを信じてもらえず、さらに会社乗っ取りの危機に直面したり、禁断の恋が芽吹いたりと、次から次へと騒動が起こります。

主演の小鳥遊玲音を演じるのは、ダンスグループKARAの元メンバー、知英。捨て身で挑んだオッサン演技でコメディエンヌとしての才能を開花させました。一方の朝比奈玲男を演じる竹中直人は、その独特な世界観に女性らしさのスパイスを取り入れて、スクリーン上を内股で駆け回ります。

性別から年齢、性格、社会的立場と、何から何まで正反対の2人が入れ替わったとき、そこにはどんな化学反応が起こるのでしょう? 濃すぎるキャラクターたちとハチャメチャな展開に、きっと目が離せなくなるはず。

(c) 清智英・大倉かおり/講談社・2018映画「レオン」製作委員会

抱腹絶倒の痛快コメディ『レオン』は、2月24日(土)より全国ロードショーです。

(鈴木春菜@YOSCA)