黒島結菜と小瀧望(ジャニーズWEST)がダブル主演を果たしたいくえみ綾の人気コミックの実写映画で、ゆるふわモテ男子を演じた高杉真宙。多くの作品で多彩な役を演じ続ける彼が、その恋愛観や芝居への思いを語った。

いちずな思いに憧れる

Q:登場人物がみんな誰かを思っている物語ですが、高杉さんは誰の思いに一番共感できましたか?

僕はどうしても、自分が演じた和央(わお)に共感してしまいます。和央は、ある人物をずっと思い続けているんですが、その気持ちがあるから周りに左右されない。人物像がぶれなくて、すごくいいなと思います。

Q:ご自身が恋愛するときも、そういういちずな思いを大切にしますか?

それだけ思い続けられるということは、尊敬できる部分が相手にあるということだと思うので、そこはすごく憧れます。

「若手演技派」といわれて

Q:普段は優しい和央が、いちずに思いを寄せた人のことになるとキリッとするギャップが魅力的で、改めて高杉さんの演技力を感じました。まさに演技派です。

いやあ……そう言っていただけるのはうれしいですけど、恥ずかしいです(笑)。

Q:2017年だけでも主演作を含む5本の映画に出演され、まったく違うタイプのキャラクターを演じていらっしゃいますね。

もともと僕自身にそれをできる要素があったとは思っていないです。単純に、たくさんの役を演じさせていただける機会が多くなったからだと思います。いろいろなものを経験できて、次にこういうのを演じてみたいと思うようになり、そういうことの積み重ねです。

Q:「高杉真宙にこの役をやらせてみたい」と思われる、ご自身の強みについてどう思われますか?

ただ、楽しく演技をしたいというだけです。楽しくなくなったら、何を思って演じたらいいのかわからないくらいです。今は本当に、この仕事につけて良かったと思っていて、そんな風に思える仕事がよくこの短い人生の中で見つかったと感動しています(笑)。そういう、楽しんでいるところを見ていただけて、「だったらこれもどう?」って思ってもらえていたならいいですね。でも、役は常に監督とディスカッションして作っていますから、自分ひとりで演じているわけではないです。一つ一つのものに対して、自分が持っている時間をすべて使っていけたらいいなと思います。

Q:出演作が多くなれば、1作にかけられる時間は必然的に短くなりませんか?

それはあります。でも、自分がその役に対して熱意をもってやっていれば、いいものには仕上がっていくと思います。

「仮面ライダー」で学んだこと

Q:高杉さんの演技力が一般に知られるようになったのは、二面性のあるキャラクターを見事に演じた「仮面ライダー鎧武/ガイム」からだと思いますが、やはり1年かけて一つのキャラクターを演じることは勉強になりましたか?

なりました。ただ「鎧武」は、自分の役はもちろん、脚本の方も監督さんたちも含めて、まっさらの状態から1年かけて育てていったものなので、作品の作り方としてはちょっと特殊かもしれません。普通映画は最初から最後まで話やキャラクターが決まっていて、それを数か月かけて磨いていきます。それでも、「仮面ライダー」で学んだことはとても多いです。

Q:『プリンシパル』の撮影現場では、どんなことを学びました?

初心に戻って、自分の演技のつくり方を変えた作品です。具体的にいうと、役の設定や気持ちを書いて整理するようになりました。これまであんまり、そういうことはやってなかったんですけど、今回は原作のマンガと映画と微妙に違いがあって、ごっちゃになってしまって。書くことでまとまることも多かったので、面倒くさがらずにやったほうがいいと思ったので、今現在も続けています。

取材・文:早川あゆみ 写真:日吉永遠