3月31日から公開される『増山超能力師事務所~激情版は恋の味~』。主演はココリコの田中直樹で、ひょうひょうとしていながらも頼りになる所長・増山を演じます。

テレビのバラエティー番組を中心に活躍を続けている田中ですが、実は映画の主演はこれが3作目。過去にさまざまな作品で好演しており、俳優として高い評価を得ています。今回はそんな“俳優・田中直樹”の足跡をたどっていきたいと思います。

映画デビューの『みんなのいえ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得

田中直樹が俳優として注目を集めたのは、三谷幸喜が監督・脚本を務めた『みんなのいえ』(2001年)でした。この作品で田中は新築一軒家を建てることにした夫婦の夫・直介を演じています。

直介はとにかく気弱なキャラクター。彼とは対照的に気の強い妻、設計にこだわりまくるデザイナー、頑固な大工の父に強く出られると、すぐに自分の意見を翻してしまいます。周囲の顔色をうかがいまくりオロオロする姿は、バラエティー番組での彼を彷彿とさせ、期待通りの“振り回されぶり”を披露してくれました。この好演が評価され、田中は日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得しています。

そんな田中の映画初主演作が2004年に公開された『犬と歩けば チロリとタムラ』です。住む家も定職もないフリーターの青年が一匹の捨て犬と出会い、セラピー犬の存在を知ったことで、ドッグ・トレーナーとして成長していく姿をつづる物語です。田中はここでも頼りなさげな青年・岡村を演じ、トレーナーになるという目的をもつことで、彼が悪戦苦闘しながらもたくましさを増していくさまを見事に演じています。

『だCOLOR?~THE脱出サバイバル』では丁々発止の3人芝居を披露!

田中の主演映画2作目となった『だCOLOR?~THE脱出サバイバル』(2016年)では、佐藤二朗、渡辺いっけいという個性派かつ演技派の2人と対峙します。

舞台はとある国。囚人数の増加に困ったその国では、ゲームに参加させられ、勝てば即釈放、負ければ即死刑になる“政治犯削減法”なる法律が施行されます。そのゲームに参加させられることになった3人の終身刑の政治犯が、自分の被っている帽子の色を当てるゲームで心理戦を繰り広げていく……という物語。

この作品で田中ら3人がゲームに参加する政治犯を演じたわけですが、一体どこまでが台本でどこからがアドリブなのかわからないような、丁々発止の会話劇を繰り広げているのです。

田中はちょっと気弱で嘘がつけなそうな政治犯。渡辺の威圧感に圧倒され、佐藤のつかみどころのなさに翻弄されながらも、巧みな嘘を操って対抗する男を熱演しました。ちなみに、金子傑が監督、福田雄一が脚本と、ココリコの出世作の1つとされるコント番組「ココリコミラクルタイプ」のスタッフが顔をそろえたことも話題になりました。

(c)『増山超能力師事務所 ~激情版は恋の味~』製作委員会

俳優・田中直樹の主演映画3作目となる『増山超能力師事務所~激情版は恋の味~』は、誉田哲也の同名小説を原作としたテレビドラマの劇場版。超能力が当たり前に存在する世界で、超能力者ではあるものの、それほどすごいことができるわけでもない面々が探偵として、人々の悩みを解決するために奔走する物語です。

田中はこの作品で探偵事務所の所長・増山圭太郎を演じます。“面倒くさい”が口癖の彼は、なぜか女性にモテる人物で、いいかげんそうに見えて頼りになる存在。気弱で頼りなさげな人物を演じることが多かった田中にとっては、ちょっと毛色の変わったキャラクターです。一体映画ではどんな活躍を見せてくれるのか。俳優としての彼の演技に注目です。

(文/地江仲慶太@H14)