役者たるもの、自分のイメージと違う役であればあるほど燃えるのでは? 観客だって、そのギャップに萌える! そんな意外性たっぷりの作品を紹介します。

『去年の冬、きみと別れ』

(C) 2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会

見どころ解説

『教団X』で知られる芥川賞作家、中村文則の同名小説を映画化したサスペンス。気鋭のフリー記者が新たな取材対象として選んだのは、殺人の容疑者となったことがある狂気の天才カメラマン。彼は殺人犯なのか? そして記者の取材の目的とは? 心理的な攻防に加え、後半の意外な展開がスリルを盛り立てる。切ない思いが浮かび上がるロマンスの要素、岩田剛典と斎藤工のイケメン共演にも注目。

(C) 2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会

こんなギャップが!

三代目 J Soul Brothersの一員で、俳優としての活躍も目覚ましい岩田が、主人公の記者役に挑戦。パフォーマー&ダンサーのエネルギッシュなイメージとは裏腹に、ここでは知性的な魅力をアピール。クールな眼鏡姿に加えて、仕事への強い情熱、最愛の恋人を救うための奔走など、ときめく要素は盛りだくさん。さらに後半では、よりクレバーな面が明かされて、驚かされること必至だ。三代目の岩ちゃんは確かにアクティブでかっこいいが、それとはガラッと異なるインテリ風情のギャップ萌えも、とてつもなく魅力的。

締めの一言

アクティブなだけじゃない、文系フェイスもチャーミング!

映画『去年の冬、きみと別れ』は3月10日より全国公開

『ちはやふる −結び−』

(C) 2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

見どころ解説

競技かるたに打ち込む女子高生と仲間たちを描いた末次由紀によるコミックを、広瀬すず主演で映画化したシリーズの完結編。高校最後の全国大会をめざすヒロイン千早を中心に、千早や仲間たちがさまざまな思いでかるたと向き合う様子や、千早をめぐる三角関係を描く。広瀬や野村周平、新田真剣佑などおなじみのキャストに、賀来賢人、優希美青、佐野勇斗、清原果耶といった本作から加わったフレッシュな面々にも注目。

(C) 2018 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

こんなギャップが!

テレビドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」や『斉木楠雄のΨ難』など、福田雄一監督作品でのエキセントリックな役のインパクトが忘れがたい賀来賢人。そんな賀来が本作で演じた周防久志は、東大7年生で競技かるたの名人だが、勝利者インタビューでは斜に構えた態度を見せ、感じが悪いと評判という役柄。福田作品で演じたのは一見して変人とわかる陽のキャラクターだったのに対し、本作の周防は知れば知るほど変人だと思わせる天才型の陰のキャラクター。ひょうひょうとしながらも実は秘密を抱えた、周防の静かな哀しさを演じ切ったている。賀来の陰と陽の使い分けが見事!

締めの一言

どんな変人もなじむのは賀来の演技力のたまもの!

映画『ちはやふる -結び-』は3月17日より全国公開

『ボス・ベイビー』

(C) 2017 Dreamworks Animation LLC. All Rights Reserved.

見どころ解説

外見はかわいらしい赤ちゃんなのに中身は中間管理職のビジネスマンという、意外性あふれるキャラクターが大暴れするアニメーション。7歳の少年ティムの家に、ある任務を背負ってやって来た弟、それがボス・ベイビー。ドリームワークスアニメーションのヒット作『マダガスカル』シリーズ3部作を手掛けたトム・マクグラス監督が、ユーモアや予想外に激しいアクションで楽しませながら、家族愛でホロリとさせるところが心憎い。

(C) 2017 Dreamworks Animation LLC. All Rights Reserved.

こんなギャップが!

かわいらしい赤ちゃんの役だからさぞやかわいい声の持ち主がやるのだろうと思いきや、その声を担当したのは個性派俳優のムロツヨシ。赤ちゃんの声をムロツヨシが演じるなんてギャップを感じずにはいられないが、その違和感こそがキャスティングの狙い。ムロといえばテレビドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズや『銀魂』などのギャグ漫画の実写化作品で、クセモノを演じさせたら天下一品。子ども時代を経験したことのない赤ちゃんという複雑なキャラ設定や、赤ちゃんのくせに人生訓のようなちょっとイイことを言ったりするところも、ムロの声だからこそ納得させられる。

締めの一言

赤ちゃんなのに、おっさん? 絶妙なギャップがたまらん!

映画『ボス・ベイビー』は3月21日より全国公開

『ニワトリ★スター』

(C) 映画『ニワトリ★スター』製作委員会

見どころ解説

元板前で、現在はクリエイターという異端児、かなた狼が監督を務め、井浦新を主演に迎えて放つパワフルな大人向けファンタジー。『キセキ −あの日のソビト−』などの若手注目株の成田凌が共演し、オンボロアパートで共同生活を送る男2人のはちゃめちゃな日々を映し出す。脇を固めるのは津田寛治や奥田瑛二らベテラン勢。カオスのような世界で、必死に足掻く男たちのぶざまな姿に引き込まれる。

こんなギャップが!

都会の片隅の奇妙なアパートで同居する20代の楽人と30代の草太は、バーのアルバイトとマリファナの密売で食いつないでいる負け組コンビ。彼らの生活は自堕落で一見自由に見えるものの、実は将来への不安や焦りを胸の内に抱えて生きている。「MEN'S NON-NO」専属モデルを務め、最近はテレビドラマ「コード・ブルー ‐ドクターヘリ緊急救命- THE THIRD SEASON」などでブレイク中の優しい顔立ちの成田凌の、真っ赤なモヒカン頭&全身タトゥーで色欲狂いの楽人への成り切りぶりは衝撃的。ファッションリーダーとしても注目を浴びてきた彼のイメージを覆す、まさかのアウトローぶりにやられる!

締めの一言

まさかの真っ赤なモヒカン姿もあり!?

映画『ニワトリ★スター』は3月17日より公開

『曇天に笑う』

(C) 2018映画「曇天に笑う」製作委員会 (C) 唐々煙/マッグガーデン

見どころ解説

『踊る大捜査線』シリーズなどの本広克行監督と、『ちょっと今から仕事やめてくる』などで存在感を発揮する福士蒼汰が組み、唐々煙のコミックを実写化したアクション活劇。明治初期の滋賀県大津を舞台に、300年に1度復活して人々に災いをもたらすオロチと曇神社の三兄弟、明治新政府の精鋭部隊、忍びの一族らが激しいバトルを繰り広げる様子を描く。中山優馬や桐山漣らイケメンスターが豪華共演。男たちのプライドを賭けた一世一代の勝負に目を奪われる。

(C) 2018映画「曇天に笑う」製作委員会 (C) 唐々煙/マッグガーデン

こんなギャップが!

いつもひょうひょうとして笑みを絶やさず、一見優しそうに見えるものの、実は腕っぷしはめっぽう強い曇家の長男曇天火。幼い頃に両親を亡くしたため、親代わりとなって2人の弟を育ててきた彼の信条は「どんなにつらくても、笑っていられる強い男になれ」。自分を犠牲にしても、体を張って弟たちを守り抜こうとするめちゃくちゃカッコいい兄貴役の福士蒼汰は、姉2人を持つ末っ子だけあって、優しげな空気をまとったさわやか好青年。実は人見知りでもある彼が、必死の思いで自らの殻を破りながら、自分とは180度違う、強くて頼りになる長男に成り切った姿は新鮮!

締めの一言

弟キャラからの脱却!

映画『曇天に笑う』は3月21日より全国公開

『15時17分、パリ行き』

(C) 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT INC.

見どころ解説

2015年にアムステルダム発パリ行きの列車内で起こった無差別発砲テロ事件の実話に発想を得て、2度のアカデミー賞に輝く巨匠クリント・イーストウッド監督が撮り上げた人間ドラマ。テロリストに立ち向かい、ひとりの死者も出さず事件を食い止めた米国人の旅行者3人組は、どんな人物だったのか? 図らずも英雄となったごく普通の人々の半生を、イーストウッドは人間味豊かに活写。リアリティーを徹底追求した現地撮影の効果も光る。

こんなギャップが!

主人公の3人を演じるのは、実際にテロから乗客を救った若者たち本人! 役者ではない人間が名演を見せるというだけで、そのギャップに驚かされるが、彼らの体験を描いた物語も驚きに満ちている。3人はごく普通の青年で、隣近所に住んでいてもおかしくない者ばかり。そのうち2人がたまたま軍人として訓練を受け、人命救助のスキルも持っていた。そして、前日の判断次第では、テロが起きた列車に乗っていなかったかもしれないのだ。そんな人々が偶然に導かれて、テロを阻止した英雄となる奇跡。そう、人は誰でもヒーローになる可能性を秘めている!

締めの一言

ごく普通に生きてきた、それでもヒーローになれる!

映画『15時17分、パリ行き』は3月1日より全国公開

シネマトゥデイ編集部