カリスマ編集者・作家の末井昭が綴り、1982年に刊行された自伝的エッセイ『素敵なダイナマイトスキャンダル』が、ついに同名タイトルで映画化された。末井昭は、母親が隣家の若い男とダイナマイト心中するという、まるで噓のような実体験の持ち主。本作は、そんなドラマチックな背景を持った彼がキャバレーの看板描き、イラストレーターを経て、昭和の風雲児となっていく過程を鮮烈に描き出している。

波乱万丈な人生を飄々と歩む末井に扮するのは、抜群の演技力を誇る俳優、柄本佑(えもと・たすく)。末井の妻・牧子はAKB48を卒業後、着実に演技派女優へとステップアップを続ける前田敦子が演じ、この時代ならではの衣装をまといながら、心の変化を見事に演じ分けている。映画初共演にして、絶妙なケミストリーを醸し出した、柄本佑と前田敦子にお話を伺った。

柄本佑の女装姿に前田敦子が強烈ダメ出し!

Q:この作品に出演が決まった時のお気持ちは?

柄本佑(以下、柄本):第一に思ったのは、冨永昌敬(とみなが・まさのり)監督の作品に出られるということ。監督の作品なら、題材が何であっても出演していたと思います。題材をうかがったとき、文庫本の表紙になっている、末井さんの女装を拝見しまして。顔がちょっと似ているなと(笑)。末井さんになれそうだ、と思いました。

前田敦子(以下、前田):そうですか!? でも末井さんの女装、良いですよね。佑さんは、絶対にかわいくなってやるって、意気込んでいたんですよ。すごく自信満々でした。女装の撮影が終わった後に見せてもらいましたが、かわいくはないですよね?

柄本:かわいいだろう、あれは!

Q:味がある感じと言いますか……

柄本:かわいいとはおっしゃらないのですね。味があるとか、褒めているんだか、褒めていないんだか、よく分からない(笑)。俺はかわいいって言ってもらいたいのに!

前田:味はありましたよ(笑)

Q:お話戻りますが、前田さんがこの作品に出演が決まった時のお気持ちは?

前田:冨永監督と佑さんなら、絶対に面白いだろうと思いました。

Q:おふたりは、今回が映画初共演だそうですね。ご一緒する前と後でお互いの印象が変わった、なんてことは?

柄本:以前から知っていますからね。

前田:そうなんですよね。不思議な関係というか、よく知っているお兄ちゃんみたいな存在ですね。

柄本:遠くから常に気配を感じあっているような。バックにはこいつ(※佑さんの弟の柄本時生さんは、前田さんの大親友)がついているんだなって。

Q:共通の方を背負っていらっしゃるという(笑)

柄本:改めて共演することで、こっぱずかしかったりするのかなって思いましたが、そんな気持ちを感じずに出来たかなと思っています。夫婦役だったから、良かったのかもしれませんね。

前田:そうですね、もし、恋人役だったら……。

柄本:最初は恋人から始まっていますが、夫婦となってからのほうが、時間が長いので。

Q:柄本時生さんが“自分も出演したかった!”なんて言ったことは?

前田:時生とはちょこちょこ一緒に仕事をしているんです。回数で言えば、俳優さんの中で一番多いかもしれません。

柄本:たくさん共演しているんだよな。結婚してくれよ、結婚。

前田:なんでですか(笑)、面白いですけどね……いつかはありかな(笑)。

柄本:ふたりが50歳になって、お互いに独身だったら、籍だけ入れるとか?

前田:そういう話はたまにします。私たち、あまりにも幸せからかけ離れているんですよ(笑)

一番の見どころは、おっぱいがいっぱいなところ!?

Q:最後に、この映画の見どころを教えてください。

柄本:男性目線で言うと、おっぱいがいっぱい出てくるところですね(笑)

前田:自然におっぱい出てきますよね。

柄本:自然に出てきます。おおっ!とか思わないくらい。撮影現場もおっぱいに埋め尽くされているので、もはや普通の風景となってしまって。おっぱい出しっぱなしの女性に対して、何とも思わなくなるという(笑)。あっちゃんは、そういう現場にいなかったよね?

前田:そうなんです。すごかったというお話は聞きました。

柄本:原作や、あの時代を知っている方はもちろん魅力に感じるだろうし、これだけの数のおっぱいが自然に散らばっている映画はなかなかないと思います。

Q:いまはネットでおっぱいが気軽に見られる時代ですが、あの時代のおっぱいは貴重ですよね。おっぱいの価値が違うというか。

前田:確かにそうですね。

柄本:本当にそう思います。少年たちがこっそりとみているような。

前田:末井さんという男性がすごく面白く、もがいている映画です。佑さんがその世界観にとてもハマっていて。昔の時代の破廉恥な世界観かもしれませんが、すごくおしゃれな映画に仕上がっているんです。

柄本:確かにモダンでおしゃれ。タイトルロールもかっこいいんですよ。

Q:主題歌も素晴らしかったです。最後に、原作者の末井さんと、本作で末井さんの母親を演じた尾野真千子さんの奇跡のデュエットが聞けるとは。

柄本:ぜひ映画のエンドロールまで観ていただきたいですね!

(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会

映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』
3月17日(土)よりテアトル新宿、池袋シネマ・ロサほか全国公開
公式サイト:http://dynamitemovie.jp/
配給/東京テアトル
(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会

取材・文/田嶋真理 写真/横村彰