2月16日より絶賛公開中の映画『リバーズ・エッジ』。その“誕生秘話”に注目が集まる。漫画家・岡崎京子による同名人気漫画を映画化した本作は、その原作と16歳の頃に出会い「衝撃を受けた」と語る主演女優・二階堂ふみの熱烈オファーによって映画化が実現した。二階堂は、「『(監督に)やっていただけませんか?』ってお願いしたら、『あ~、やるやる!』って言ってくださった」と語っている。今回のような役者からの“逆オファー”から生まれた作品やハマり役は少なくない。

10年来の夢叶い…“逆オファー”から生まれた名作

実写化の際には、ぜひ自分に演(や)らせてほしい――。そんな役者の熱意が生み出した名作がある。2008年の大ヒット学園ドラマ「ROOKIES」(TBS系)だ。

劇中で、希望に燃える新任教師・川藤を演じた俳優・佐藤隆太。実は、ドラマ化される前に、原作者である漫画家・森田まさのりに手紙を宛てていたのだ。その内容を、2016年10月19日放送の「ナカイの窓」(日本テレビ系)に出演した森田が明かした。

書かれていたのは、「いつか自分は川藤を演りたい」という佐藤の熱い思い。そして、「役者をやっていて辛いこともあるけれど、それは全部『ROOKIES』への道だと思えば乗り越えられる」。さらには、「(自分は)まだ川藤をやれる年齢ではない。役者として成熟してからやりたい。だからドラマの話が来ても、自分がやれる年齢まで(ドラマ化を)待ってもらえませんか」とも。

これに感激した森田は、何度かドラマ化のオファーを受けても、佐藤のためにすべて断ってきたと明かしたのだ。

熱烈オファーから誕生した異例の“ハマり役”も

2012年の大河ドラマ「平清盛」(NHK)では、逆オファーで主役を射止めた俳優が。演技派俳優・松山ケンイチがその人である。平清盛が次回の大河ドラマに決まったと知った松山は、「何の役でもいいから出演したい」と制作側に猛アプローチ。最終的には「役作りへのひたむきさ、思い、努力」が決め手となり、見事主役の清盛役を獲得した。

歴代の清盛役の中では最も若い25歳(当時)であった松山だが、視聴者からは「この年齢にして、この演技」「やんちゃな青年期もいいけど、老年期の迫力もスゴイ」「“怪演”の一言!」などの声があがった。

そんな松山は、自身のエッセイ書『敗者』の中で、“小学校の学芸会では役がもらえるまで主役から順に立候補し続けた“というエピソードをつづっている。芝居に対するひたむきな姿勢が、彼をここまで連れてきた。そして、名作・平清盛をつくりあげたのに違いないのだ。

芸能界に溢れる“逆オファー”。過去には、阿部寛が「インド映画に出てみたい(中略)。あの異常なテンションにぜひとも挑戦してみたいという憧れがあります。オファー待っています」と、映画『祈りの幕が下りる時』の舞台あいさつでアピールしている。ほかにも、演じてみたい役柄について、千葉雄大が「芸妓さんや花魁の役」、高橋一生が「振り切れちゃってる殺人鬼」、木村拓哉が「普通に漁師とか」などと話している。いつの日か“逆オファー”の実現なるか!?

(文/ナカニシハナ)