3月24日公開の『台湾より愛をこめて』は、漫才師を夢見た2人の若者が台湾を舞台に、人生をもう一度見つめ直そうとする様子を描いたロードムービーです。

身近で、友好的で、海外旅行先としてもよく名前が挙がる台湾。一度は行ったことがある、もしくは行ってみたいと思う人もいることでしょう。そこで、今回は映画の中に台湾の魅力を探ります!

台湾のおいしいもの満載! グルメ旅に出たくなる『祝宴!シェフ』

台湾映画界でコメディの名手とよばれるチェン・ユーシュン監督が、人々を幸せにする“究極の料理”の完成を目指す母娘を描いた、美食コメディ映画が『祝宴!シェフ』(2013年)です。舞台は美食の街として知られる台南。伝説の宴席料理人だった父を亡くした、料理に全く興味のない娘と、料理の才能がない母が、謎の「料理ドクター」の助けを借りて全国宴席料理大会に出場するという物語です。

台湾ではお祝いの時に料理人を呼び、屋外に大きなテーブルを並べて、華やかな伝統料理や昔ながらの家庭料理など、大皿料理をワイワイと囲む文化があります。この作品を観ていると、気分はそんな宴席に参加しているかのよう。目にもあざやかな台湾料理が次々と出てきて、思わずおなかが鳴ってしまいます。

母親の数だけ味があるという家庭料理「トマトの卵炒め」。上等なスープを使った深い味わいの「焼きビーフン」。筍や干し貝柱といった高級食材を薄焼き卵で包んだ芸術作品のような「菊花貝柱蒸し」。豚肉やスッポンを詰めた鶏の姿煮「布袋鶏」など……。本作に登場するのは、一度は食べてみたいごちそうばかり! 作品を観終わったときには、台湾グルメ旅にでかけたくなること間違いなしです。

日本統治時代の面影を今に伝える『KANO~1931 海の向こうの甲子園~』

『KANO~1931 海の向こうの甲子園~』(2014年)は日本統治時代の台湾から甲子園に出場し、決勝にまで勝ち進んだ、日本人と台湾人が混在する嘉義農林学校野球部(KANO)の活躍を描いた作品です。台湾映画ですがセリフの8割が日本語で、永瀬正敏や大沢たかおなどの日本人キャストも多く出演しました。台湾で大ヒットした後、日本でも上映されためずらしい作品です。

映画のロケ地はもちろん台湾ですが、なんだか日本のような風景もたくさん出てきます。しかし、それも台湾に現存する建物を、そのまま使って撮影されたもの。映画の序盤に登場する神社も、実際に台湾の嘉義公園内にあります。野球部の監督の自宅として登場する古い日本家屋も、日本統治時代のものがそのまま残っているものを、撮影に使用しました。

この作品の舞台となっている嘉義市は、台湾の中心・台北からは少し離れた場所にあり、80年以上前に日本人が作った建物がまだ残っています。そのレトロな佇まいが昔の日本を思い出させてくれると、建物を回るツアーは日本人に人気なのだとか。台湾で昔の日本にふれるというのは、ちょっと不思議な感じがしますね。

若い男女の視点から、台北デートを疑似体験!?『台北の朝、僕は恋をする』

恋人が留学したフランスへ行くことを夢見る台北の青年カイと、どこか孤独な面影をもつ女の子スージー。『台北の朝、僕は恋をする』(2010年)は、そんな2人が巻き込まれる騒動の一夜を描いた、ロマンティックな恋愛映画です。

カラフルでどこかノスタルジーな台北の街並みを2人が奔走する姿は、大騒動に巻き込まれているはずなのに、どこかゆるくてノンビリとしています。全編に渡り、観ている方も台北の街に迷い込んでしまったような空気感が心地よい作品です。

観光ガイドにはあまり載らない台北の街角を舞台に物語は進んでいきます。冒頭でカイがフランスの本を読みふけり、スージーと出会うのはとてもおしゃれな本屋ですが、ここは台北でも人気の「誠品書店」という実在する店です。カイと同じように、床に座って本を読むのがここのスタイル。日本だったらビックリするでしょうが、おおらかな台湾ではあまり気にならないようですね。

作中でやがて2人は、師大夜市で偶然の再会を果たします。ここは台湾名物の夜市の中でも、学生街で若者が多く、おしゃれな夜市として知られているそうです。そこから物語はさらにスリリングな展開を見せ、2人は台北の街を夜通し走り回ることに。大きな公園、歩道橋、路地裏など……。実際に台湾にいるかのような空気感を満喫できます。きっと、「のんびり台北散歩も素敵だな」と思えるはずです。

(c)「台湾より愛をこめて」製作委員会

3月24日公開の『台湾より愛をこめて』は、台湾を拠点にYouTubeなどで活躍する三原慧梧の商業映画初監督作。台湾の街を舞台に、20代半ばで夢を追い続ける男と、夢をあきらめて現実へ戻った男の2人が、人生をもう一度見つめ直していきます。NHKの朝ドラ「わろてんか」のキース役で人気上昇中の大野拓朗が主演を務めました。

その場で生まれる空気感を活かし、台湾での男2人旅をドキュメンタリータッチで撮影した今作。「日台友好の懸け橋になりたい」と語る三原監督の台湾愛が感じられます。

物語のキーとなる基隆(ジーロン)の海辺、ザワザワとした夜市、町並みが美しいキュウフンなど、台湾の魅力がたくさん詰まっていて、しかも元気になれる映画です。劇場で映画を楽しんだあとは、台湾に足を運んでみてはいかがでしょうか?

(文/サワユカ@H14)