アメリカの絵本作家クリス・ヴァン・オールズバーグが、1982年に発表した同名絵本をベースに映像化した映画『ジュマンジ』(1995年)。一度始めたらクリアするまで決してやめることのできない、不思議なゲームのプレーヤーとなった主人公たち。様々な無茶振りを強いられながらなんとかゲームクリアを目指すのだが、ゲームの中の出来事が実際に起こってしまうという設定で、世界的にインパクトを与えた。

そして今回は、全世界で記録的な大ヒットを飛ばし、ようやく日本でも公開を迎える続編となる映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』にちなみ、過去作品の“過酷な出来事たち”をご紹介!

ジャングル・サバンナをテーマにした恐怖のボードゲーム『ジュマンジ』

『ジュマンジ』(c) 1995 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.

記念すべき第1作目『ジュマンジ』(1995年)は、主人公が近所の工事現場で見つけたすごろく型のボードゲーム「ジュマンジ」をきっかけに繰り広げられるアドベンチャー・ファンタジー作品。

何も知らずにうっかりゲームを始めてしまった主人公の少年が、サイコロ1投目でいきなり「5か8の目が出るまでジャングルでお休み」という残念過ぎる結果を出してしまい、異次元世界のジャングルに閉じ込められてしまう。そして次に誰かがプレイするまで、26年間も危険地帯で待ち続けることになってしまうのだった。

本作では、ジャングル、サバンナがテーマになっているだけあって、現実世界に召喚され大暴れする動物がゾウやサイだったり、局地的に起こる自然災害がそれに準じたものだったりと、テーマに沿ったものが多く登場。本作の少し前に『ジュラシック・パーク』(1993年)が公開されたことで、登場する動物たちのクオリティが非常に高く、公開当時は世界中にインパクトを残すこととなった。

主人公たちに襲い掛かる主な試練としては、大量の吸血コウモリに襲われたり、凶暴なライオンが寝室に居座ったり、イカサマをすればペナルティとして体がサルに変化したりと、バラエティも豊富。

中でもやっかいなのは、主人公をジャングルで追い続けていたハンター。異次元から戻った主人公と一緒にハンターもやって来てしまい、現実の銃砲店で最新式のライフルにパワーアップして、執拗に主人公たちを追い回してくる。

舞台は宇宙!精神的続編『ザスーラ』

前作から10年後に作られた『ザスーラ』(2005年)は、オールズバーグの同名絵本を映像化したもので、『ジュマンジ』とほぼ同じプロットで展開され、精神的続編と呼ばれている。

本作は、家の地下室に眠っていたボードゲーム「ザスーラ」を幼い兄弟が発見してしまったことで繰り広げられるSFファンタジーだ。テーマはガラリと変わり、宇宙を舞台にしたSF作品として作られた。

ゲームをスタートした瞬間、プレイヤーとその周囲ごと宇宙空間に飛ばされ、誰かがゲームクリアするまで地球に帰還することはできない。ルーレットを回してマス目に止まるとカードが排出され、そこに書かれていることが実際に起きてしまうという設定。『ジュマンジ』とは異なり、ゲームの舞台が宇宙になっているので、起きる災厄もSF色が濃くなっている。

カードを引けば、小粒だが家を貫通するほどの流星群が降り注いだり、暴走したロボットが大暴れしたりと、あっという間に家はメチャクチャに破壊されてしまう。さらには、何も事情をしらない家族も冷凍睡眠のカードで氷漬けにされてしまったり、凶悪なトカゲ型宇宙人が襲撃したりと、前作に引けをとらない試練の数々が登場する。

ちなみに、『ザスーラ』でもイカサマをしたプレーヤーには容赦がなく、発覚すれば問答無用で宇宙空間に放り出されてしまう。

時代にあわせてゲームも進化!最新作『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』

映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』より

初代から数えて23年を経て製作された最新作では、時代の流れにあわせてゲームそのものがモデルチェンジ。ボードゲームでは古臭くて遊んでもらえないと気付いた「ジュマンジ」は、若者の気を引こうとTVゲームに姿を変え、ターゲットをゲームの世界へ引きずり込んでいく。

これまでのシリーズでは、すごろくゲームの内容が現実世界で起こるというものだったが、今回は完全にTVゲームの世界に閉じ込められ、そこからいかにして脱出するのかが目的となる。

ゲームの中では自分自身ではなく、TVゲームのキャラクターの容姿と能力に変貌するため、オタクの少年がマッチョになったり、うぬぼれ美少女が小太りのオッサンに変貌したりする。しかし、あまりのゲームの過酷さに、容姿はだんだん問題ではなくなり、いかにして能力を活かすかがステージクリアのカギとなっていくのがおもしろい。

そして、TVゲームよろしくライフポイント(死ねる回数)が3つに設定されており、2度までは死んでもOKなので、ステージ攻略のために1回様子見でとりあえず死んでみるということも可能。その設定が映画の中で非常に活かされている。

そして何より、1作目のパニック映像も当時は素晴らしいものだったのだが、時代の経過と共に映像技術が大幅に進化したことで、襲い掛かってくる試練も段違いにパワーアップしている。“これでもか!”と、次々に襲い掛かる派手で過激な試練の数々は、見ているだけでヘトヘトになる。外見や能力がいくら屈強なキャラクターに変貌しても中身の性格は自分自身。やっぱりゲームはゲームであってほしいものだ。

文=梅崎慎也/SS-Innovation.LLC