西暦2740年の宇宙を舞台に、連邦捜査官コンビが、銀河の危機を救うために繰り広げるアドベンチャーを描いた人気SFコミックを、映画『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソン監督が映画化。本作で、リアーナ演じるセクシーなエイリアン・バブルの吹き替えを担当したゆりやんレトリィバァがベッソン監督に突撃! 得意の英語で自らインタビューを敢行した。

ゆりやんは日本版リアーナ!?

ゆりやんレトリィバァ(以下、ゆりやん):初めまして! 吹き替えを担当したゆりやんです。出演させてもらってありがとうございます! 日本は楽しんでいますか?

リュック・ベッソン監督(以下、監督):こちらこそ、ありがとう! 残念ながら昨日の夜着いたばかりで、まだどこにも行けていないんだ。

ゆりやん:私今夜はフリーですよ! お付き合いしましょうか?

監督:僕は奥さんと出掛けるからごめんね(笑)。でもバブルというキャラクターは誰にでも変身できる変幻自在なキャラクターだから、君が僕の奧さんに変身しないように気をつけなくちゃね。ところで、リアーナの声の吹き替えは大変だった? やってみてどうだった?

ゆりやん:私はリアーナが大好きだから、初めてこの映画のお仕事が決まった時はとにかくうれしくて仕方がなかったです。でもいざやってみるとすごく難しかったです。私の声はすごく高いんですが、リアーナの声は低めでセクシー、トーンが合っているのか不安でした。監督は私バージョンのバブルを聞いてどうでしたか?

監督:良い悪いと判断をするのはとても難しい。というのも、吹き替え版は日本語だけじゃなくイスラエル、ドイツ、スペイン語などなどいろいろ聞いたのでよく分からなくなってしまってね。聞いた感じではすごくいいなって思ったけれど、僕は日本語が分かるわけじゃないからさ。それにリアーナはどこからどう見ても、日本人っぽくないでしょ(笑)?

ゆりやん:そうですか? あんまり違いはないと思うんだけど……。

監督:確かに、ちょっとだけ君の方が細いね(笑)。

ゆりやん:ユーアー、アメイジング! 毎日ジョギングしていますからね!

ゆりやん、ベッソン監督が描く未来に感動!

ゆりやん:お気に入りのシーンはありますか?

監督:一つには決められないけれど、いくつかあるよ。バブルのシーンはもちろん大好きだし、冒頭のパール人の生活を描いたシーンも好きだ。それから、オープニングの宇宙人たちの握手シーンも気に入っているよ。

ゆりやん:私もあの握手シーンは好きです。日本人が出てきますよね!

監督:周りはみんな握手するのに、日本人だけがお辞儀をするんだ。あのシーンで僕が伝えたかったのは“違い”を受け入れることの大切さだよ。

ゆりやん:コミックにないオリジナルのアイデアはありましたか?

監督:原作にないキャラクターはたくさん登場するよ。例えばアイゴン・サイラス、パール人も原作には出てくるけど、造形をかなり変えたんだ。それからK-トロンもオリジナル。キャラクター以外のシーンでいうと、ビッグマーケットのシーンは完全なオリジナルアイデアで、この映画のために作ったんだよ。

ゆりやん:ビッグマーケット、イズ、アメイジング! 私もビッグマーケットでショッピングしてみたいと思いました!

監督:広さは約10キロ平方で、500階建てのショッピングセンターという設定なんだ。100万軒のお店が入っているマーケットだから、ショッピングをするのも大変だね。このマーケットは画期的で、例えば日本で何かを作って国内で売り出したとする。それと全く同じタイミングで、世界中でも売ることができるのがビッグマーケット。つまり、全く同じコンセプトで、一つの次元のみならず全部で5つの次元で物を売ることができるのが、このビッグマーケットのすごいところなんだ。

ゆりやん:スーパー、アメイジング!!

監督:君、アメイジングって言葉好きだね(笑)。

ベッソン監督とタフな女性キャラクターたち

(C) 2017 VALERIAN S.A.S. - TF1 FILMS PRODUCTION

ゆりやん:キャスティングをする上で、大事なことはなんですか?

監督:2つある。僕はナイスな人たちと一緒に仕事がしたい。だからもしも役者が、自己中心的なバカヤロウだったら絶対に一緒に仕事をしたくないと思っている。最初のミーティングで、その人がいい人かどうかを見るんだ。例えば、1時間遅れで到着して、遅れているのにメイクもばっちりで、お付きの人間が何十人もいるような女優もいる。それで自分のことばっかり話すような場合は、オーディションをすることもないね。

ゆりやん:そういう人、日本にもいそうですねえ~。私には、一人もお付きなんていませんよ!

監督:それから2つ目は、役柄がどれだけその役者にマッチするかということ。例えばローレリーヌを演じたカーラ・デルヴィーニュは昔からの知り合いだが、彼女はこの役柄にぴったりだったからキャスティングしたんだ。声や外見、彼女自身が持っているエネルギーを見たんだ。

ゆりやん:お友達ということは関係ないってことですか?

監督:そうだよ。知り合いだからとかそういう理由じゃなくて、ぴったりだと僕が思ったからなんだ。映画『レオン』の時もそうだよ。僕は、ジャン・レノと前から友人だったけど、それが理由で彼をキャスティングしたわけではないんだよ。

ゆりやん:私が演じたバブルもですけど、かっこいい女性キャラクターが多いですね!

監督:僕は、映画の中で特に女性キャラクターを強く描こうと意識しているわけではないんだ。ただ、僕の母親はシングルマザーで、父が家を出た後、彼女は常に自分の尊厳を大切に持ちながら、子供たちを立派に育て上げた。そういう母親の姿が、自分の女性に対するイメージだ。独立した女性が自分にとっての自然な女性像なんだよ。

ゆりやん:この映画のローレリーヌもめっちゃ強いし、タフですよね。

監督:そうだね。コミックで原作の「ヴァレリアン」を読んだ10歳の時は、エイリアンをボコボコにしちゃうローレリーヌがカッコよかったのを覚えているよ。逆に、昔初めて映画『007』シリーズを観たときは、女の子はいつもボンドの後ろでナヨナヨしているだけで、何て気持ち悪いんだ! って思った。今でも、そういう女性の描き方は絶対にしたくない。弱い女性たちは自分の中でありえないだけで、強い女性像はナチュラルに僕の映画の中に存在しているんだよ。

取材・文: 森田真帆 写真:日吉永遠