歴史の趣を感じさせる名所であふれる古都ロンドン。その景観の美しさから、これまで数えきれないほど多くの映画のロケ地となってきました。4月21日(土)公開の『ロンドン、人生始めます』もまた、そんなロンドンの魅力的なスポットを詰め込んだ大人のおとぎ話となっています。ここでは公開に先がけて、これまでにロンドンを舞台に撮影された名作映画と、ロケ地となったスポットの数々をご紹介します。

ロンドン最大の野外マーケット、ポートベロー・マーケット…『ノッティングヒルの恋人』より

ジュリア・ロバーツ演じるアメリカのスター女優アナと、ヒュー・グラント演じるしがない本屋店主ウィリアムの、偶然から生まれたロマンスと愛の奇跡を描いた『ノッティングヒルの恋人』(1999年)。住む世界も、たどってきた人生も、何もかも違いすぎる2人の恋の顛末に、胸を焦がした方も少なくないでしょう。

世紀のラブストーリーの舞台となったノッティングヒルの名所で、映画の大切なシーンに何度も現れる注目スポットといえば、なんといってもロンドン最大の野外市場「ポートベロー・マーケット」。通りを埋め尽くすようにストール(屋台)が立ち並び、うねりを成して彼方まで続く風景は見事です。

マーケットは月曜から土曜にかけて毎日開催され、連日早い時間帯から大勢の利用客で賑わっています。アンティーク狙いなら、骨董市が立つ土曜日に訪れるのがおすすめ。磨き上げられた銀食器をはじめ、美しく可愛らしい陶磁器、歴史を感じさせる上質なカトラリーなど、英国ならではの骨董品を手に入れることができます。

また、映画に登場する旅行専門書店のロケーションとなった「ノッティングヒル・ブックショップ」は、残念ながら閉店してしまいましたが、別の経営者が名を変えて営業を続けています。

地下鉄「ノッティングヒル・ゲート」駅からマーケットがある「ポートベロー・ロード」までは徒歩5分ほど。人波にしたがって北へ向かって歩いていけば、あっというまに到着です。

リバーサイドのインスタ映えスポット、シャッド・テムズ…『ブリジット・ジョーンズの日記』より

ラブコメ好きの方なら一度は『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)を鑑賞したことがあるのではないでしょうか。本作は、ヘレン・フィールディングによる同名小説の映画化作品。出版社に勤務する32歳の独身女性ブリジットが、恋に仕事に奮闘する姿をコミカルかつハートウォーミングに描き、世界中の女性たちの共感を呼びました。

ブリジットの暮らすフラットの所在地は、原作ではノッティングヒルの設定でしたが、映画ではテムズ川南のサウスバンク地区に改められています。サウスバンク地区は、以前は倉庫街でしたが、1980年代以降に開発が進み、コンサート・ホール、劇場、美術館などが並ぶ文化水準の高い街に生まれ変わりました。今ではロンドンを観光する上で外せないエリアです。

そんなサウスバンク地区には、「シャッド・テムズ」という魅力的な一画が存在します。シャッド・テムズは、テムズ川南岸の美しいリバー・ビューを望む人気スポット「バトラーズ・ウォーフ」の裏側を走る狭い石畳の道。お洒落なカフェやレストランがひしめく華やかなエリアですが、かつては輸入されてきたスパイス、紅茶、砂糖などを荷揚げし、貯蔵しておく倉庫がたくさんあった場所です。通りの頭上には、倉庫の上階を結ぶために作られた数多くの鉄橋が今もそのまま形を残し、直線的なシルエットを重ね合いながら、独特の景観をつくり上げています。

こんな感動的な結婚式を挙げてみたい!グロヴナー教会…『ラブ・アクチュアリー』より

クリスマスのロンドンを舞台に、19人の男女の様々な“愛”を群像劇として描いたロマンティックコメディ『ラブ・アクチュアリー』(2003年)。恋愛に限らず、友愛や家族愛といった包括的な“愛”を映し出した心温まる作品です。ヒュー・グラント、コリン・ファース、キーラ・ナイトレイといったイギリスの名優たちが出演しており、『ノッティングヒルの恋人』(1999年)などの大ヒット映画のシナリオを手がけた人気脚本家リチャード・カーティスの初監督作という点でも注目を集めました。

映画のなかには、イギリスの名所がたくさん登場します。特に印象的なのは、キウェテル・イジョフォー演じるピーターと、キーラ・ナイトレイ演じるジュリエットが結婚式を挙げた「グロヴナー教会」でしょう。あの名場面を観て、ビートルズの名曲『オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ(愛こそはすべて)』のサプライズ演奏に包まれて挙げる結婚式に憧れた方もいるのでは?

グロヴナー教会は、ロンドン有数の高級住宅街にして商業地区のメイフェアに建てられた、18世紀前半のクラシカルな風情をたたえた教会。地下鉄でいえば、「ボンド・ストリート」駅と「グリーン・パーク」駅のあいだに位置しており、比較的行きやすいスポットです。ちなみにピーターとジュリエットの結婚式のシーンは、教会の2階にセットを作り足して撮影されたのだとか。ぜひ足を運んで確かめてみてください。

ロンドン通として胸を張れちゃうポストマンズ・パーク…『クローサー』より

ロンドンを舞台に、女性写真家、小説家志望のジャーナリスト、医師、アメリカから来た女性ストリッパー4人が織りなす甘くほろ苦い大人のラブストーリー『クローサー』(2004年)。ゴールデン・グローブ賞でクライブ・オーウェンが助演男優賞、ナタリー・ポートマンが助演女優賞を受賞した話題作です。

作品のなかに出てくる名所は数あれど、とりわけ不思議なインパクトを放っているのが、「ポストマンズ・パーク」です。映画のなかでは、出会ったばかりのダン(ジュード・ロウ)とアリス(ナタリー・ポートマン)が病院を出て最初に出掛けた場所として登場します。

ポストマンズ・パークは、自らを危険にさらして人命を救った英雄の名前と、その勇気ある行動を記録したプレートが飾られている小さな公園。物語においては、アリスの名前の秘密がそのうちの一枚に隠されているという設定になっています。

映画の力で有名になりましたが、園内は噴水といくつかのベンチが並ぶシンプルなつくりで、ロンドンの名所のなかではなかなかマニアックなスポット。最寄り駅は、地下鉄セントラル線の「セント・ポールズ」駅です。キング・エドワード・ストリートを北へ150m進んだところにひっそりと佇んでいます。

(c) 2016 RELIANCE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS 6 LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

そして、4月21日(土)公開の『ロンドン、人生始めます』もまた、ロンドンの美しいロケーションがいっぱい登場する映画。ロンドンの高級住宅街ハムステッドの国立公園で暮らしていたホームレスの男性が、周囲の助けで図らずも一夜にして資産家になった、という驚きの実話を映画化した作品です。

舞台となるハムステッドは、ロンドン最大の公園「ハムステッド・ヒース」と、数々のショップが立ち並ぶ「ハムステッド・ハイ・ストリート」を中心に構成される緑豊かなエリア。これまでにも映画や小説のモチーフとして何度も取り上げられてきた場所で、風光明媚なハムステッド・ヒースに魅了された作家や詩人、俳優やミュージシャンらが数多く住んでいることでも有名です。

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本作では、思いがけない出逢いと縁によって自分らしさを発見していく主人公の姿を通し、暮らしを豊かに彩るためのヒントを得ることでしょう。また、作中にたびたび登場する美しい景観にも注目してみてください。鑑賞したあとはきっと、ロンドンの名所を巡りながら映画の世界に浸ってみたくなるはずです。

『ロンドン、人生はじめます』
4月21日(土)、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
配給:シンカ/STAR CHANNEL MOVIES
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(桃源ももこ@YOSCA)