渡辺謙、真田広之、菊地凛子など、ハリウッドをはじめ海外に活動の場を広げている日本人俳優が珍しくなくなったこの頃ですが、デビューが海外、しかもハリウッドの超大作映画なんてことはめったにありません。そんな異例のスクリーンデビューを果たし、日本でも本格ブレイクの兆しを見せる“逆輸入女優”のTAOをご存知でしょうか?

ディーン・フジオカだけじゃない! 意外といる“逆輸入俳優”。

スーパーモデルから華麗すぎるハリウッドデビュー!

TAOは、元々モデルとして活動していました。14歳にしてモデルデビューを果たすと、21歳にして単身渡仏し、海外に拠点を移します。その後、24歳の時に思い切ってマッシュルームカットへのイメージチェンジを図ると、後に“TAOヘアー”と呼ばれることになるこの髪型で世界的に大ブレイク。日本でも彼女の髪型を真似する人が続出し、知名度を広げました。

モデルとして第一線で活躍をしていた彼女ですが、「X-MEN」シリーズのスピンオフ作品『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)で、ウルヴァリンと惹かれ合うヒロイン・マリコ役を勝ち取り、いきなりのハリウッドデビュー。日本を舞台にした本作で、“オリエンタル・ビューティー”を体現したかのような上品な顔立ちと艶やかな黒髪が醸し出す美貌、モデルで培った堂々とした振る舞い、そして抜群の語学力を武器に、ヒュー・ジャックマンや真田広之らのベテランと渡り合い、強烈なインパクトを放ちました。

その後はミステリアスな女性・チヨを演じた「ハンニバル」やリドリー・スコットが製作総指揮を務めた「高い城の男」などの海外ドラマに立て続けに出演。さらに、マーベルに引き続きDCコミックスの『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)では、レックス・ルーサーの右腕という悪役に初挑戦すると、セリフの少ない役ながら、陰を感じさせる見事な表情の演技を披露しました。

デビューから5年、ついに日本へ本格上陸!

ハリウッド映画やアメリカでのドラマ出演と並行して、WOWOWのドラマ「血の轍」や『クロスロード』(2015年)といった日本の作品にも出演してきたTAOは、今年公開された福山雅治が主演の『マンハント』でも、物語が動き出すきっかけとなる重要な人物を演じており、ここ日本でもグッと存在感が増してきています。

そんな彼女の出演最新作が東野圭吾の同名小説を映画化したサスペンス『ラプラスの魔女』(5月4日公開)です。連続して起きた奇妙な自然現象絡みの死亡事件に出くわした大学教授が、事件の真相をあぶり出していく本作で、TAOは、広瀬すず演じる自然現象を言い当てる少女・羽原円華を追う女性・桐宮玲を演じています。

キリッとした強めのメイクに加え、黒ずくめのスーツを着こなす抜群のスタイルから漂うオーラは、ただ者ではない感がムンムン! 円華の能力を知る数少ない人物ですが、その何かを狙うような含みのある眼差しで、役に謎めいた深みを持たせています。

モデルならではのスタイリッシュな存在感と海外ウケするようなオリエンタルな美貌を活かし活躍してきたTAOですが、日本人というフィルターがかからない邦画で、どんな活躍を見せるのでしょうか? そこに彼女の女優としての真価があるのかもしれません。

(文/スズキヒロシ・サンクレイオ翼)