安彦良和氏が総監督を務め、2015年より展開された劇場アニメ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』が、5月5日(土)より公開される第6話『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』をもって完結。日本アニメ史に燦然と輝くキャラクター、シャア・アズナブルが、その異名である「赤い彗星」と呼ばれるようになったきっかけが本作では描かれている。シリーズ完結を前に、シャアが駆け巡る「ルウム戦役(ルウム会戦)」を中心に内容を紹介しよう。

「赤い彗星」が誕生し、ガンダム登場につながる「ルウム戦役」とは?

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』は、第5話と連なるエピソードだ。第1話冒頭で描かれた「ルウム戦役」と呼ばれる戦いに至る道程が、本格的に描かれていく。

「ルウム戦役」とは、「機動戦士ガンダム」の主人公となるアムロ・レイたちの陣営・地球連邦軍と、そこからの独立をはかるシャアたちの属するジオン公国軍の大規模な宇宙艦隊戦のこと。この戦いでジオン公国軍は、モビルスーツと呼ばれる兵器・ザクⅡを実戦に投入。通常の機体よりも高出力を誇り、3倍のスピードと語られるシャアの搭乗する赤いザクⅡは躍動し、圧倒的な戦果をあげる。

そのときの姿から、シャアは「赤い彗星」という異名で呼ばれることになる。この戦いの後、モビルスーツで手痛い敗走をすることになった地球連邦軍が、切り札として投入するのが「RX-78 ガンダム」だ。

CG技術で描かれる迫力の艦隊戦シーンと戦争描写

「機動戦士ガンダム」シリーズでは、ガンダムをはじめとするモビルスーツの戦闘シーンが見どころとなるが、本作ではCGでダイナミックに描かれる艦隊戦の模様をたっぷりと楽しめる。

数多くのガンダムシリーズが現在までに作られているが、その戦いの原点とも言える「ルウム戦役」では、モビルスーツの活躍はもちろん、戦争の第一線で命をかけて戦った船員たちの姿が描かれている。

休戦協定の締結をめぐる政治劇や、アムロをはじめとする民間人たちの置かれる境遇なども展開され、ロボットアニメという枠にとらわれず、1つの戦史としての魅力が『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』には結集している。

そしてガンダムは大地に立つ――

シャア・アズナブルを中心に彼の生い立ちを描いた第4話までとは異なり、第5話以降は群像劇の側面が強くなっている。

第6話でも、シャアの活躍は描かれるが、それと同等に地球連邦軍の総司令官・レビルを巡るそれぞれの思惑が展開。「ルウム戦役」の後、シャアは実戦の指揮を執るドズル・ザビにより、地球連邦軍が秘密裏に進めているガンダムを始めとしたモビルスーツの実践投入「V作戦」への介入を命じられる。

赤い彗星となったシャアと、ガンダムに搭乗することになるアムロ。二人の運命の物語は、「機動戦士ガンダム」第1話「ガンダム大地に立つ!!」へと繋がっていくのだ。

往年のガンダムファンにとっては、地球連邦軍の旗艦・アナンケや、ジオン公国のムサイ級軽巡洋艦の細部を、スクリーンで堪能できるという楽しみも。また、「機動戦士ガンダム」を知らない世代でも、ガンダムシリーズが描いて来た普遍的な戦争が描かれるエピソードゼロとして、すべての始まりとなる本作を楽しめるはずだ。

(文/加藤真大@アドバンスワークス)