累計発行部数が全世界で2億5,000万部を超えるイギリスの名作絵本『ピーターラビット』シリーズ。日本でも、絵本やグッズで、同キャラクターに触れた経験を持つ人は少なくないでしょう。そんな世界規模で人気を博す同シリーズが、今年2018年、ついにハリウッドで実写映画化され、まもなく日本でも公開されます。

アメリカでは今回初めて実写化された『ピーターラビット』ですが、本国イギリスではすでに40年以上前にバレエ映画が製作され、大ヒットを記録していました。そこで今回は、これまでに発表された『ピーターラビット』関連作品をご紹介します。

バレエ映画『ピーターラビットと仲間たち/ザ・バレエ』

『ピーターラビット』の絵本の世界が初めて映像化されたのは、1971年のこと。バレエ映画『ピーターラビットと仲間たち/ザ・バレエ』(1971年)でした。

出演は、イギリスが誇る英国ロイヤル・バレエ団。精巧にデザインされたマスクと衣装に身を包み、物語に登場するキャラクターに扮したダンサーたちが、華麗にバレエを舞いながら、5つのストーリーをメドレー形式に演じます。イギリスを代表する振付家フレデリック・アシュトンによる演出は、愛らしさとユーモアに満ち、目が釘付けになります。

本作は全体を通してセリフや解説が一言も出てこない異色の作品でありながら、本国イギリスでは大ヒットを記録しました。以降は、同バレエ団おなじみのレパートリーの一つとして定着し、たびたび舞台で上演されています。

日本では1978年に公開され、2003年にはDVD化もされました。高い芸術性を楽しみたい方におすすめの作品です。

『ピーターラビット』作者の生涯を描く『ミス・ポター』

児童文学作家であり画家でもあった『ピーターラビット』シリーズの生みの親、ビアトリクス・ポターの生涯を描いた伝記映画、『ミス・ポター』(2006年)。実写のなかに、ときおりアニメーション化された絵本のキャラクターが登場し、双方が見事に融け合いながら牧歌的な物語世界を形成します。

主人公のビアトリクスをチャーミングに演じるのは、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズで世界的人気を博したレネー・ゼルウィガー。ビアトリクスの婚約者ノーマンを演じるユアン・マクレガーの繊細な演技にも注目です。

セシル・コート、コヴェント・ガーデン、湖水地方といったイギリス各地の美しいロケーションを鑑賞できるのも、本作の見どころのひとつ。鑑賞後に上質な文学作品を読了したときと同じような満足感に浸れる高尚な作品です。

ハリウッドが送り出す『ピーターラビット』とは!?

そして2018年、ハリウッドでついに『ピーターラビット』が実写映画化となりました。テンション高く、コミカルなセリフやアクションを連発するハリウッド版ピーターたちはパリピ感満載! 上品で落ち着いた印象は完全に払拭され、スラップスティック・コメディのようなにぎやかさでいっぱいの、愉快な作品に生まれ変わっています。

初めは作品のハイテンションぶりに、少々驚かれる方もいるかもしれませんが、鑑賞しているうちにきっと愛着が湧いてくるはず。何といっても、なめらかなCGアニメによって機敏に動くピーターたちはまるで本当に生きているかのようでかわいらしく、全編を通して目が離せません。子どもも大人もおなかを抱えて笑いながら見られる、親しみやすさ抜群のファミリー向け作品です。

スクリーンの中を縦横無尽に駆け回り、茶目っけいっぱいにふるまうピーターと仲間たちを見ていると、思わず元気がみなぎってきそう! ハリウッド実写版『ピーターラビット』は、底抜けに楽しい気分に浸れる5月の注目作品です。

5月18日(金)全国ロードショー

(桃源ももこ@YOSCA)