Instagramが発表した2017年のコミュニティのハイライトを振り返るデータでは、「日本で人気があったスポットTOP10」の1位が「東京ディズニーリゾート」、2位に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が続きました。ためしにInstagramで「#ディズニーランド」と検索してみると……日々、ものすごい数の写真が投稿されているのが分かります。

非日常空間のカラフルさや満面の笑顔が写ったテーマパークの投稿の中でも、本場アメリカのディズニーリゾートの写真は格段にインスタ映えしますが、施設の周辺エリアにも穴場スポットがあふれているんです。

「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」ってどんなところ?

今回注目したいのは、カリフォルニアにあるディズニーランドではなく、フロリダ州オーランドの「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」(以下、WDW)。フロリダ半島の中央に位置するオーランドは、ディズニー以外にも「ユニバーサル・オーランド・リゾート」などのテーマパーク、300以上の湖や広大な松の原生林といった自然も豊かで、全米屈指の観光地です。

WDWは、いうなれば“世界最大の夢の国”。特徴はなんといってもその広さにあります。総敷地面積は約122キロ平方メートル。東京ディズニーリゾートは2キロ平方メートルほど(先日、「拡張」が報じられたので、将来的にはもう少し広がるかもしれませんが)ですから、ケタ違いのスケールです。

ただ、すごさはこの面積だけでは測れません。WDWだけが異空間として存在しているのではなく、なだらかなグラデーションとなって、周辺地域にもテーマパーク的な世界観が広がっています。

(C)2017 Florida Project 2016, LLC.

ピンク、黄色、黄緑、水色…パステルカラーに彩られた街!

WDWの周辺には、ピンク、黄色、黄緑、水色などパステルカラーの建物、ド派手な看板を立てたモーテル、安価なヘリコプター遊覧飛行や最新の人気プリンセスの模倣Tシャツを売る土産物屋など、もろにWDWを意識(というより便乗!)したスポットがたくさんあります。たしかにやや“cheesy”(安っぽい、悪趣味)ですが、きっと視覚的なおもしろ体験ができるはずです。

例えば、WDWに通じる主要幹線道路のアメリカ国道192号線(Irlo Bronson Memorial Highway)。道路の脇には、パープル色のお城風モーテル「Magic Castle Inn & Suites」や「Disny Gifts Outlet」など、テーマパークの延長のような非日常感が漂っています。

このエリアを舞台にした映画『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(公開中)では、全編まるまる“写真映え”な映像が楽しめます。iPhoneで撮影して話題をさらった『タンジェリン』(2015年)のショーン・ベイカー監督が持ち味の美学を発揮、ベイカー監督とタッグを組んで撮影を手掛けたアレクシス・サベも「サワーツイストの入ったブルーベリー・アイスクリーム」と表現していますが、ロケーションを活かしてマジカルな風景を作り出しています。

(C)2017 Florida Project 2016, LLC.

外観こそ明るいけど、じつは貧困層の“最後の避難所”だった

映画は「Magic Castle Inn & Suites」で暮らす6歳の少女・ムーニーと若い母親・ヘイリーの物語です。ムーニーは友だちと一緒にカラフルな建物やギフトショップが立ち並ぶエリアを探索しますが、その様子を子どもの視点で“楽しいこと”として捉えていきます。

しかし、楽しげな雰囲気とは裏腹に、WDWの周辺に建てられたモーテルは寂れているものが多く、普通のアパートに入居することができない貧困層が暮らす場所、いわば“最後の避難所”になっています。モーテルに住む“隠れホームレス”の多くが家族単位。週ごとの賃貸契約を必死にやりくりしています。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』は、ファンタジーと現実のギャップを際立たせ、社会の片隅で生きる人たちの日常をカラフルに表現しています。魔法の国から一歩外に出れば、アメリカの“今”に直面するのもこの土地ならではかもしれません。

(C)2017 Florida Project 2016, LLC.

ちなみにこの「Magic Castle Inn & Suites」ですが、ひと晩5,000円ほど(2018年4月時点)で実際に宿泊することができます。WDW観光の際は、ここを拠点にして、ムーニー視点で一帯を散策してみてはいかがでしょうか?

(文/バーババ・サンクレイオ翼)