【町田雪のLA発★ハリウッド試写通信 ♯01】

「LA発★ハリウッド試写通信」では、ロサンゼルス在住のライターが、最新映画の見どころやハリウッド事情など、LAならではの様々な情報をお届けします。

世界16ヶ国で週末興収No.1を獲得した最新怪獣映画『ランペイジ 巨獣大乱闘』は、遺伝子実験の失敗により巨大化したゴリラと、自らの肉体を鍛えぬいた霊長類学者が、タッグを組んで人類の脅威に立ち向かう友情物語だ。登場する巨獣の多さではなく、巨獣と人間との絆を軸に観客に訴えかける。批評家たちの感想は厳しめながら、米国興収は84億円、世界興収は364億円を稼ぐヒットとなっている。その人気の理由を4つ挙げてみたい。

アメリカ最大の「ドル箱スター」に注目!

『ランペイジ 巨獣大乱闘』5月18日(金) 全国ロードショー
(c) 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

まずは、なんといっても今の米国における最大かつ唯一のドル箱スター、ドウェイン・ジョンソンが主演であること。ひと昔前であれば、アーノルド・シュワルツェネッガー、シルヴェスター・スタローン、レオナルド・ディカプリオ、トム・クルーズ、ジョニー・デップ、ウィル・スミスなど、“彼さえ出ていれば世界的興行が見込める”と言われるA級スターが何人もいたが、いまや、そんなドル箱俳優はジョンソン1人とも言われている。

日本では『ワイルド・スピード』シリーズや『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』、『モアナと伝説の海』(2017年)のマウイ役などで知られてはいるものの、過去にドル箱俳優と呼ばれたスターほど、知名度は高くないだろう。

元プロレス界のカリスマだけあり、パッと見ると威圧感満点だが、実は好感度満点の癒し系。日本向けのPR映像では「キョダイカガトマラナイ!」と叫んでいるが、この一瞬にもチャーミングさが溢れている。

なぜこの作品は世界中の観客に受け入れられているのか?

『ランペイジ 巨獣大乱闘』5月18日(金) 全国ロードショー
(c) 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

次に、ストーリーの単純さ。同じアクション大作でも、『スター・ウォーズ』シリーズやマーベル作品は、原作や前作を熟知していないとすべての楽しみを享受できないケースも多いが、『ランペイジ』の物語はシンプルで、前知識なく誰もが理解できる。

ゴリラのほかに、乱闘に参加するのはオオカミとワニの2体だけというコンパクトさも明快だ(タイトルから、動物園のゾウやキリンなど、様々な動物たちが巨大化して大騒ぎになる図を想像してしまうことは否めないが)。批評家受けはイマイチでも、前置きなく飛び込める、わかりやすいアクション・アドベンチャーは観客の心をつかんでいるのだ。

他の怪獣映画と『ランペイジ』を分けた決定的な要素

『ランペイジ 巨獣大乱闘』5月18日(金) 全国ロードショー
(c) 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

そして、巨獣ゴリラ、ジョージのハートフルさがいい。怪獣に感情が見られない一般的な怪獣映画と比べ、巨獣の表情や仕草がずっと人間的で感情移入しやすく表現されている。ジョンソン扮する学者デイビスとのやりとりは心温まり、くすっと笑えるユーモアが随所に散りばめられている。クリーチャーの心の機微に恋してしまう、今年のオスカー受賞作『シェイプ・オブ・ウォーター』に似た現象とも言えそうだ。

映画館だからこその“ダイナミックさ”を味わおう!

最後に、体感型映画であることも興行ヒットの理由といえそう。『トゥームレイダー ファースト・ミッション』、『レディ・プレイヤー1』、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』など、最近はビデオゲームが原作の映画や、ビデオゲームの中に入り込むというテーマのブロックバスター映画(100億円以上の製作費をかけ、大規模な宣伝を行う大作映画)が目白押し。この種の作品は体感型で、映画館で見てこそ楽しみが倍増するものだ。

米ショッピングモール壁に掲示された巨大ポスター
撮影:町田雪

4つの理由を挙げたところで、お子様連れの方に向けたコメントも付しておきたい。

ゴリラのジョージと学者デイビスのやりとりには大人限定のものがあり、血や肉が飛ぶシーンの迫力も、なかなかのもの。試写会に同伴した筆者の8歳の息子(*)はときどき目をふさぎながらも夢中になっていたが、大迫力の映画だからこそ、一緒に楽しむ大人の方が、いつでも手で目を覆ってあげられる準備をしておいたほうがいいかもしれない。

『ランペイジ 巨獣大乱闘』は、5月18日(金)に全国ロードショー。

*アメリカの業務試写は、作品のレイティングによりますが、子ども連れで入場することができます

(Avanti Press)