「仮面ライダーアマゾンズ」の最終章、『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』が5月19日に全国公開されます。

「仮面ライダーアマゾンズ」は1974年に放送された「仮面ライダーアマゾン」のリブート作。Amazonプライム・ビデオで配信された作品で、2016年から2017年にかけてシーズン1・2が制作されました。そのコンセプトは“ヒーローの原点である「アクション性」「怪奇性」に立ち還る”というもの。食人を求める怪人と戦うヒーローの苦悩が描かれた、大人向けの作品です。

地上波で放送されている作品ではないので、ご存知でない方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は映画の公開の前に、シリーズ内でも“異色”とされた内容を振り返ってみたいと思います。

シーズン1…食人怪人と戦うライダー

「仮面ライダーアマゾンズ」にはアマゾンという怪人が登場します。これは、大手製薬会社・野座間製薬が作り出した人工生命体で、彼らは不慮の事故によって実験室から脱走。街に潜んで人間を喰らいはじめます。

仮面ライダーアマゾンオメガに変身する主人公の水澤悠は、アマゾン細胞に人間の遺伝子を組み込んで作られた新種のアマゾンです。野座間製薬がアマゾンを狩るために設立した「駆除班」とともに、アマゾンと戦います。しかし、アマゾンと戦うなかで、悠は自分の行動に疑問を抱き始めるのでした。「……アマゾンは全て滅ぼさなくてはいけないのか?」と。

それぞれが戦う理由をもつ「駆除班」のエピソードを含め、全13話に渡って展開される物語は、どれもシリアスなものばかり。“アマゾンが人間を喰う”という設定のもとに、バイオレンスな描写も繰り広げられ、例えばアマゾンが集うレストランでは特殊なハンバーグがテーブルに並びます(ネタバレになるので“どう特殊であるか”は、ぜひ本編をご覧ください)。こうした描写が全体的に彩度を抑えた暗めの画面で展開されることで、一層恐怖をあおるのです。

シーズン2…ゾンビ少女とモンスター少年の純愛

シーズン2は前作から5年後の世界を描いた作品です。主人公の少年・千翼(ちひろ)は、「駆除班」に替わりアマゾンを狩る「4C」とともに戦う仮面ライダーアマゾンネオ。同じく「4C」に所属する、カラスアマゾンに変身する少女イユに恋しますが、彼女は人間の死体にアマゾン細胞を移植した個体であり、感情が一切ありません。そこで、千翼は食人衝動に悩まされながらも、イユの感情を引き出そうとするのでした。

シーズン2は千翼とイユの純愛ストーリーが中心となるのですが、その救いのなさは観ていて辛くなってくるほどです。主人公の追い込まれっぷりも、かわいそうになるレベルですが、さらにシーズン1の“ある登場人物”にも悲劇が待ち受けています。最後の最後に、ほんの少しだけ優しい展開が待っているのが、せめてもの救いでしょうか。

ちなみにバイオレンスな描写はシーズン1よりグレードアップしています。人体切断は当たり前で、内臓が飛び出したり、脳を吸われながら女性がビクビク痙攣したりもします。

オリジナル「仮面ライダーアマゾン」とは?

ここで、少し「仮面ライダーアマゾンズ」の元になった、「仮面ライダーアマゾン」を振り返っておきましょう。同作もそれまでのライダーとは違う異形の姿といい、パンチやキックではなく、噛みつきや切り裂きによる攻撃といい、かなり異色のライダーでした。

「仮面ライダーアマゾンズ」との共通点は、その見た目でしょうか。色こそ違えど、アマゾンアルファはアマゾンとかなり近いルックスです。ベルトと腕輪、バイクなども現代風にリファインした感じですね。モグラの怪人が味方にいるのは、「仮面ライダーアマゾン」へのオマージュなのでしょう。

ちなみに、「仮面ライダーアマゾンズ」シーズン2の主題歌の曲名は「DIE SET DOWN」。これがアマゾンの必殺技「大切断」だと気づいたとき、往年のファンなら思わず笑ってしまったのではないでしょうか?

“ライダーでJホラー”など、オトナも楽しめるライダーシリーズ

「仮面ライダーアマゾンズ」は子供が観ることを想定してはいるようですが、同時に大人向けであるといってよいでしょう。以前にも大人が楽しめるようなライダーシリーズ作品がありました。オリジナルビデオ作品「真・仮面ライダー 序章」(1992年)がそれで、「仮面ライダーアマゾンズ」と同じように、シビアなストーリーとスプラッター描写が目につきました。あいにく序章だけで終わってしまいましたが、その方向性では「仮面ライダーアマゾンズ」のご先祖さまのような作品です。

また、シリーズ内でも異色の大人向け作品としては、仮面ライダー1号、2号、V3が登場する「仮面ライダー THE NEXT」(2007年)が挙げられます。名言されていないものの、その正体は明らかに“ライダーでJホラー”です。PG12指定となっており、映画館では子どもの泣き声が聞こえていました。

劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (c)石森プロ・東映

誕生から47年が経過した仮面ライダーシリーズ。平成のTVシリーズだけでも「仮面ライダークウガ」から「仮面ライダービルド」まで、既に19作品を数えます。もはや大人も子供も楽しめる作品として定着した感がありますね。

その中でも、「仮面ライダーアマゾンズ」は特に大人向けの作品といえます。かつてのライダーファンの方は、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。ライダーの活躍を、大人も楽しめるストーリーとともに観ることができますよ!

(文/ハーバー南@H14)