小松菜奈という女優の魅力について、いつも考えてしまいます。ミステリアス、クール、ピュア、キュート……どんなタイプのヒロインを演じても、独特の存在感を発揮するのはなぜでしょうか? 彼女の圧倒的な“ヒロイン力”を構成する4つの魅力について、最新主演作『恋は雨上がりのように』(公開中)に合わせて、改めて検証してみたいと思います。

M・スコセッシら目の肥えた監督たちも絶賛する“演技”

女優なので“演技力”は当然といえば当然ですが、彼女の場合はちょっと独特。事実、演技達者な女優たちと数多く接してきた、目の肥えた監督たちも、ひと味違う小松の演技に魅了されています。

小松が世間の注目を集めたのは、2014年公開の『渇き。』でした。ヒロインに抜擢した中島哲也監督は「小松菜奈は今までの誰とも違う、新しい女優だ」と表現しています。また、彼女の認知度をさらに広めた『バクマン。』(2015年)の大根仁監督は、「オーディションで一番ヘタだったけど、一番光るものがあった。この人に賭けてみたいと思った」とコメントしています。

監督からの証言はほかにもあります。ハリウッドデビューとなった『沈黙 -サイレンス-』(2016年)での演技は、巨匠マーティン・スコセッシをもって「本当に素晴らしく、驚かされた」と言わしめました。極めつけは『溺れるナイフ』(2016年)の山戸結希監督からの評価。小松を「人類で一番キレイだと思った」そうです。キャリアはまだ浅いですが、これだけの絶賛が集まっているのはホンモノの証しかもしれません。

(C)2018 映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (C)2014 眉月じゅん/小学館

ヒロインに必要なスペック“透明感”と“カリスマ性”を両立!

よく若手女優を評する時に用いられる“透明感”という言葉。少女コミックの映画化作品で数々のヒロインを務めてきた小松に対してもこの言葉はよく用いられ、ほかの“透明感女優”同様、青春恋愛系の映画において抜群のハマり方を見せます。

その一方で、非現実的な“カリスマ性”を帯びているのが小松の魅力かもしれません。どんなシーンを演じていても媚びない気高さがあり、特徴的な目ヂカラでその場を制してしまいます。これは『渇き。』や『溺れるナイフ』で見せた側面ですが、ダークな役、心に闇があるキャラクターでも自分のものにしてしまうから不思議です。

この二面性を兼ね備えていることは、女優として武器になります。『ブラック・スワン』(2010年)で純真な白鳥と邪悪な黒鳥を演じ分け、アカデミー賞主演女優賞に輝いたナタリー・ポートマンはその代表例といえるでしょう。純粋と不純、光と闇など、ひとつの作品で二つの顔を見せる役が来た時に、小松は真価を発揮するのかもしれません。

スクリーン映えして、なおかつ理想的な“スタイル”

モデルとして活躍しているのでフォトジェニックなのは当たり前ですが、映像作品の“動く小松菜奈”、これがまた可愛いと評判です。特にファンがクギづけにされたのは、バンド・never young beachの「お別れの歌」のミュージックビデオです。全編スマホで取られた“彼氏視点”のシチュエーションや、小松が見せるナチュラルな仕草が話題になりました。

この映像で、小松のスタイルもキモになっています。もちろん一般人と比べればスタイルの良さが際立ちますが、かといって浮世離れした体型でもない。どんな日常のワンシーンを演じていても、微かに“非日常”を感じさせる小松の絶妙なスタイルとも相まって、手が届きそうで届かない、理想の存在として映し出されるのです。

(C)2018 映画「恋は雨上がりのように」製作委員会 (C)2014 眉月じゅん/小学館

小松菜奈のもつ“演技”“透明感”“カリスマ性”“スタイル”といった魅力は、最新作『恋は雨上がりのように』でも発揮されています。今回、彼女は45歳バツイチ子持ちのファミレス店長(大泉洋)に片思いする17歳の女子高生・あきらというヒロインに挑戦しました。

雨でびしょ濡れになったり、全力疾走で駆け抜けたり、ひた向きに恋心を訴えたり。年の差28歳差の片想いという、一見ありえない設定にも思えますが、真っすぐ過ぎるあきらには、男子(とオッサン)のみならず女子までもが、キュンキュンさせられてしまいます。これまでの作品同様、今回も圧倒的なヒロイン力で観客を魅了させてくれることでしょう。

(文/バーババ・サンクレイオ翼)