フジテレビで放送中の月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」でのコメディエンヌぶりが注目を集めている長澤まさみ。月9ドラマ主演は2007年の「プロポーズ大作戦」以来11年ぶり(出演は2013年の「SUMMER NUDE」以来4年半ぶり)とのことですが、2000年の「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリ受賞を経て、東宝映画でデビューを飾った彼女は、やはり“映画女優”というイメージが強いかもしれません。

例えば、ロボットコンテスト全国大会を目指す高専生たちの奮闘を描いた初主演作『ロボコン』(2003年)は、脚本と演出の秀逸さも相まって、等身大の魅力が炸裂している初期の代表作です。その後の活躍は言わずもがなですが、そもそも長澤まさみの代表作といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?

女優としての潜在能力が次々と開花…?

近年の彼女は、是枝裕和監督の『海街diary』(2015年)や、黒沢清監督の『散歩する侵略者』(2017年)といった、作家性の高い作品で確かな存在感を発揮する一方で、セクシーなダンスや歌に初挑戦したミュージカル『キャバレー』しかり、福田雄一監督の『銀魂』(2017年)の志村妙役で見せた衝撃的なヘン顔しかり、女優としての潜在能力が徐々に開花されている感があります。

そんな彼女ですが、王道ラブストーリーとして注目を集めている主演作『50回目のファーストキス』(6月1日公開)の瑠衣役では、まもなく31歳を迎える女性とは思えないほど“うぶ”な表情、誤解を恐れずに言えば、女子高生のように弾けるような瑞々しさが実に印象的なのです。

こんな恋がしてみたい!? ハワイを舞台にロマンティックな恋模様が展開

原案のハリウッド映画『50回目のファースト・キス』(2004年)と同じく、ハワイでオールロケを敢行したという本作では、新しい記憶が一晩でリセットされてしまうという短期記憶障害をもつ女性・瑠衣と、彼女に一目惚れしたプレイボーイの大輔(山田孝之)とのロマンティックな恋模様が展開していきます。

“記憶を留めておけない女性”という役柄は、ハリウッド版ではドリュー・バリモアが演じていますが、病気の暗い影をまったく感じさせず、天真爛漫な笑顔がとにかくキュートだった……。長澤まさみ演じる瑠衣ももちろん同様。父親や弟の献身的なサポートによって、障害を知らずに暮らしているという事情もあり、悲壮感は感じられません。

瑠衣というキャラクターについて、「家族を大切にし、人に対しても優しく接する事ができる絵に描いたような大和撫子のような人ですが、一方でたくましさも持ち合わせるユーモアのある人」と、長澤まさみ本人もコメントしていますが、日々を前向きかつ着実に過ごしている、そんな魅力的な大人の女性として描かれています。

ショーパンから伸びる美脚は健在! 生命力にあふれた健康美にも注目

では一体どこにピュアな魅力を炸裂させているかというと、コットン素材のような飾り気のなさ! ハワイという最高のロケーションも加味されてはいるものの、伸びきったセミロングの黒髪に、すっぴんのようなナチュラルメイクの瑠衣。身に着けているファッションまで、洗いざらしのTシャツとカットオフデニムのショートパンツ(美脚!)という出で立ちで、「そんな格好でも問題なし!」と言わんばかりのシンプルさは、自信に満ち溢れているよう。

記憶が日々リセットされる度に、“初対面”の大輔から口説き落とされる瑠衣が、「ファーストキスって最高!」と無邪気に喜ぶさまは、一大ブームを巻き起こした“セカチュー”こと『世界の中心で、愛を叫ぶ』(2004年)にも負けない、健気ないじらしさを爆発させています。

(C)2018『50回目のファーストキス』製作委員会

年齢を重ねた大人の女性らしい色気を漂わせているのに、長澤まさみの失われない瑞々しさ。「ソレって、なんだかズルい!」。そんな大人女子たちの声が今にも聞こえてきそうですが、コメディエンヌとしての魅力を開花させた、30代の長澤まさみだからこそ、演じ切ることができるキャラクターといえそうです。

(文/晴スミス・サンクレイオ翼)