6月22日公開の『キスできる餃子』は宇都宮を舞台にしたご当地映画。実家の餃子屋の再建に奮闘するシングルマザー・藤田陽子と、イケメンプロゴルファー・岩原亮の恋を描くラブコメディです。

この物語で重要なカギを握っているのが、映画のタイトルにもある“餃子”。宇都宮のご当地グルメ「宇都宮餃子」は、今や全国区の知名度を誇っていますが、その実態とは一体どんな餃子なのか? 今回は映画をもっと楽しめるように、宇都宮餃子のことを予習しておきたいと思います。

“日本一餃子を食べる街”から、“日本中から餃子を食べにくる街”へ

そもそも、なぜ宇都宮餃子が全国区の人気になったのか? きっかけは、総務省が1989年に行った家計調査でした。この年から「1世帯当たりの年間支出金額」に「餃子」が加わり、その1位が宇都宮市だったのです。

このデータを参照して行われた町おこしが、当時のB級グルメの流行にマッチしたことで、“餃子のまち・宇都宮”は急速に知名度を増していきます。毎年11月に行われる「宇都宮餃子祭り」を中心に、餃子目当てで宇都宮を訪れる観光客は増えていきました。

ちなみに、このブームのきっかけになったのが、当時放送されていたテレビ番組「おまかせ山田商会」。テレビでよく見る宇都宮駅前の餃子像は、実はこの番組で山田邦子がデザインしたものです。

では、宇都宮餃子の特徴とは何か? 

実は、正確に定義があるわけではありません。店によって焼き、水、揚げなどの種類があり、素材や皮の厚さもさまざまです。強いていうなら“タレに酢が多い”ことでしょうか。お酢だけで餃子を食べる人も多いとか。「孤独のグルメ」では、酢にコショウを溶いた“酢こしょう”も登場しました。テーブルに置いてあるラー油には香辛料の粉が溶け込ませており、これをすくって一緒に食べる焼き餃子はまた格別です。

『キスできる餃子』の「ふじた」の餃子はどんな味?

(c)2018「キスできる餃子」製作委員会

さて、宇都宮餃子の歴史をおさらいしたところで、話を『キスできる餃子』に戻しましょう。

この作品では主人公・陽子の実家である餃子屋「ふじた」を中心に、物語が展開していきます。この餃子屋「ふじた」として撮影場所になっているのが、実際に営業している餃子専門店「ぎょうざの龍門」。宇都宮で3代続く老舗です。

「ぎょうざの龍門」は“宇都宮の餃子といえばココ”といわれるほどの有名店で、ガンコ親父が作るこだわりの餃子が名物。看板メニューの焼き餃子「龍門餃子」は、食べやすい小ぶりなサイズで、しっかり味がついているのでそのまま食べられます。野菜たっぷりのあっさりとした味わいで、いくらでも食べられるほど! お店の餃子が全種類食べられる「七色餃子」も人気メニューです。

おうちの食卓で食べられる、スーパーで買える宇都宮餃子!

観光で足を運ぶ価値がある宇都宮餃子ですが、「じゃあ行ってみようか」とすぐに踏ん切りがつかない人もいるかもしれません。そんな人におすすめなのが、スーパーなどでおなじみのマルシンフーズの餃子。いろいろな種類がありますが、定番は「宇都宮 肉餃子」と「宇都宮 野菜餃子」のふたつで、「宇都宮餃子会承認証商標」を得ている、まさにお墨付きです。

宇都宮の餃子は、あんの野菜が多めで、皮がパリッとしているのが特徴です。「宇都宮 肉餃子」は旨味が濃くジューシー、「宇都宮 野菜餃子」はあっさりとした味わい。どちらも皮がモチモチしており、パリッと焼けるので、食べ応え十分! フライパンひとつで、本格的な宇都宮餃子が楽しめます。

電車の旅のお供に、駅弁で食べられる餃子!

家で餃子を焼くのはちょっと面倒という方は、旅のお供に餃子弁当はいかがでしょうか? 見た目もキュートなこちらのお弁当は、今回の映画の公開を記念して作られたもの。駅弁発祥地ともいわれる宇都宮で、明治26年に創業した老舗「駅弁松廼家 (まつのや)」が製造しているものです。

餃子型のフタを開けると、ご飯からデザートまで、彩り豊かにこだわりがギュッと詰まっています。もちろん主役は餃子! 焼き餃子がふたつ並ぶ様子は、キスしたくなる魅惑的な唇のよう!? ふたの裏には恋みくじシールがついていて、乙女心をくすぐります。JR宇都宮駅のほか、東京駅でも購入できます。

東京駅で味わえる、バラエティ豊かな「〇〇できる餃子」!

「キスできる餃子弁当」は宇都宮までいかなくても、東京駅で買えるのが嬉しいところ。そんな東京駅でもう一つ、6月10日(日)まで「〇〇できる餃子フェア」が開催中です。東京駅の飲食店がバラエティ豊かな創作メニューを提供しており、餃子の新たな魅力に触れることができます。

生ゆばと豆乳スープで味わえる餃子/東京屋台(北町ダイニング)

アジア各国の気さくな屋台街をイメージした、人気の居酒屋「東京屋台」。こちらで食べられるのは、水餃子をトロッとした豆乳とゆばのスープで仕上げたメニュー。大きい水餃子がたっぷり入っているので、これだけでもお腹いっぱいに! ついてくるニラペーストを入れると、お酒にも合う味に変身します。

蕎麦と一緒に楽しめる餃子/いろり庵きらく(グランスタ丸の内)

ささっと食べられる、セルフサービスの蕎麦屋「いろり庵きらく」。こちらでは、インパクト大な揚げ餃子をのせた、冷たい蕎麦が食べられます。揚げ餃子は、宇都宮の名店「高橋餃子店」製です。きゅうりのトッピングでさっぱりと食べられ、ピリッとしたラー油が味の決め手となっています。

どれも個性的で美味しい餃子ばかり。宇都宮に思いを馳せつつ、ぐるぐる食べ歩くのも楽しいですよ!

宇都宮から発信!地方創生ムービー『キスできる餃子』

(c)2018「キスできる餃子」製作委員会

『キスできる餃子』の主人公はイケメン夫の浮気が原因で離婚し、さらに職場もクビになり、絶望の淵に立たされたシングルマザー・藤田陽子。結婚に反対されて飛び出した宇都宮の実家へ戻ると、父親の体調不良で家業の餃子屋は休業状態。父親に認めてもらえるようなオリジナルの餃子を作り、餃子屋の再起をはかります。餃子の試作を続ける中で出会ったイケメンプロゴルファー・岩原亮との、恋の行方がどうなるのかも見所です!

見る人の心を優しく包み込む、“史上初の餃子×LOVEエンターテイメント”は、おいしそうな餃子はもちろん、宇都宮そのものの魅力も満載の映画です。映画を観終わった後には、きっと宇都宮に餃子を食べに行きたくなるはず!

(文/サワユカ@H14)

【参考】
秘訣は官民一体 ひと皿200円の町おこし(五十嵐幸子著/小学館)
宇都宮観光コンベンション協会