2018年3月、女優の満島ひかりが所属事務所を退社し、フリーとして活動することが報じられた。ダンス&ボーカルグループ「Folder」でデビューした満島は、5人組ユニット「Folder5」を経て、女優業を本格化。転機となったのは2009年、ヒロインを務めた『愛のむきだし』が公開され、数々の新人賞を受賞。それを契機にドラマ、映画、舞台と幅広く活躍し、日本を代表する女優となった。今回は満島のように、事務所から独立した経験を持つ女優たちを紹介しよう。

マネージメントとアーティストの関係性を模索する小泉今日子

女優として、順風満帆な活動の最中での退社となった満島。前事務所の公式声明では「所属という形ではなくなりますが、今後ともできるかぎりのサポートを続ける所存です」と発表しており、円満退社のようだ。

実は近年、満島だけでなく実力派女優の“フリー化”が相次いでいる。

昨年、ドラマ「監獄のお姫さま」(TBS系)で満島と共演した小泉今日子も、2018年1月31日付で36年間所属した事務所から独立した。小泉は自身の公式サイトで「より成熟したエンターテイメントの世界を見てみたい。そのために自分が出来ることは何か。マネージメントとアーティストとの関係性も含めて模索して行きたいと思っています」と報告。満島と同じく所属事務所と友好的な関係を維持しての独立で、2018年9月上映予定の映画『食べる女』で主演を務めるなど、独立後も順調なキャリアを歩んでいる。

女優以外のクリエイティブな活動で育まれた独立心

また、2018年1月に事務所を退社した真木よう子も、昨年放送の主演ドラマ「セシルのもくろみ」(フジテレビ系)終了以降、表に立つことを控えていたが、4月9日、東京都内で行われた映画『焼肉ドラゴン』(6月22日より公開)の試写会に登壇し、独立後初めて公の場に姿を現した。独立については言及しなかったが、「明日を前向きに生きる秘訣は?」との質問に、「笑うこと。不安とかいろんなことがあるけど考えてもしようがない」とポジティブな発言で、ファンたちをホッとさせた。

3人に共通するのは、女優以外にもクリエイティブな活動を行っているところだ。満島と小泉は音楽活動でも支持を得ているし、真木も『+act.』(ワニブックス)で大好きな漫画家と対談する連載コーナーを持っていたほどサブカルチャーに精通している。女優という一つの枠にとらわれないところが、独立心を育んだのかもしれない。

他にも、2010年に個人事務所を設立し独立するも、翌年に大手エイベックスと業務提携、2018年に4本の出演映画が公開するなど「Uターン」で多いに活躍する沢尻エリカの例もあり、2016年に長年所属した事務所を辞めて個人事務所を設立した水川あさみも、独立当初は目立った動きがなかったが、今年は主演ドラマが続いている。

事務所を辞めてフリーの道を選ぶ女優には、その後の活躍が難しいイメージが付いていたかもしれない。そんな中、今回紹介した女優たちは往時と変わらぬ活躍を見せている。今後、自分たちの判断で良い作品に巡り合い、高い評価を獲得すれば、フリーランスの女優の道を切り拓くことにも繋がる。彼女たちの自由で新しい女優活動に期待したい。

(文/猪口貴裕)