2010年、「Yahoo!知恵袋」に投稿された質問“家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。どういうことなのでしょうか?”は、ボーカロイド曲やコミックエッセイを生むなど、一大ブームを巻き起こした。6月8日に公開される実写映画版では、“死んだふり”を披露する妻のちえを榮倉奈々、そんな妻に戸惑いつつも優しく見守る夫のじゅんを安田顕が熱演。ふたりの絶妙なコンビネーションにより、奇想天外な入り口からは予測出来ない、夫婦のあり方を考えさせられる味わい深い物語に仕上がっている。愛らしい夫婦像を創り上げた榮倉奈々と安田顕にお話を伺った。

優しさや愛情など、普遍的なものを伝えたい

Q:ご自身が演じる役柄についてどう感じましたか?

榮倉奈々(以下、榮倉):“死んだふり”をして夫の帰りを待つ妻という役どころだけを聞いたときは、一体どんな作品なのかな、と思いました。その“死んだふり”をする一面だけを押し出すと誰も共感出来ないかもしれないと思ったので、ちえさんが持っている優しさや愛情という普遍的なものをしっかりと伝えられるように気を付けました。

Q:安田さん演じるじゅんはバツイチの役です。

安田顕(以下、安田):最近、バツイチの役が多いんです。ウェディングドレスを着ると婚期が遅れるとよく言いますが、バツイチの役を演じていると離婚しなくて良いんじゃないかなと思っています。どんどんバツイチの役をやっていきたいです(笑)。

Q:ちえやじゅんの好きなところは?

榮倉:じゅんさんという“大切なもの”をずっと大切に出来るちえさんを羨ましいと思いました。選択肢が多いと欲深くなってしまう中で、ちえさんはシンプルで揺るぎない価値観を持っています。そんなちえさんの強さを素敵だと感じましたし、自分もそうありたいなと思いました。

安田:じゅんは優しく、自分の気持ちをちゃんと伝えられる男気もあるところが羨ましいです。自分との共通点はあまりないと思っていますが、大谷亮平さん演じる部下の佐野と酒を飲むシーンでは実際に本物の酒を飲んでいるので、うっかり素の自分が出ちゃっているかもしれません。

榮倉奈々と安田顕が作品を通して感じた“結婚とは?”

Q:気に入っているシーンについて教えてください。

榮倉:ちえさんが“さあ、ごはんにしましょう”と言って気持ちを切り替えるシーンがとても好きです。あの言葉で、ふたり一緒の生活が想像出来ます。外食しようと思えば手軽に出来てしまう便利な世の中なのに、ちゃんと食卓を囲んでいるところが素敵ですよね。

安田:僕も榮倉さんと同じく、食卓のシーンを観るのが好きで。シーンごとのつながりがあるので演じるのは難しいですけど(笑)。なるべくこうやって(食べるふりをする)、食べないようにするので、食卓のシーンを演じるときにはややこしいなって思いますけど、この作品に限らず、観る分には好きです。

Q:観終わった後、結婚や夫婦について考えたくなる映画だと思います。安田さんにとって、結婚、夫婦とは?

安田:僕の人生の半分です。

Q:名言、いただきました(笑)。榮倉さんは、どう思われますか?

榮倉:この作品を通して、結婚に限らず、人と関わることって大切だな、と思っていただけると嬉しいです。夫婦は、他人同士が一緒に暮らすようになり、きれいごとばかりではなく、いろんなものを分かち合わなければならない。そういうところは修業でもありますが、お互いを理解したいと思うからこそ続けることが出来ます。理解したいと思ってくれる、そして自分が理解したいと思う相手がいることはありがたいですよね。安田さんはよく奥様に感謝をされています。

安田:そうですかね(笑)。こういう仕事をしているときは、言いたいことや思っていることを1回腹の底に落として背中にまわしながら話をしなければならない。夫婦はそういう必要がない。そういうことをしていたら、続きません。我慢するところは我慢し、譲るところは譲る。好きなことを話し合えたり、犬も食わないような些細なことでけんかが出来たりする。とても大切な存在だと思っています。

(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』
6月8日(金)より全国公開
公式サイト:http://tsumafuri.jp/
配給/KADOKAWA
(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

取材・文/田嶋真理 撮影/横村彰