前代未聞の超娯楽時代劇!

芥川賞作家の町田康が、2004年に発表した傑作時代小説『パンク侍、斬られて候』。江戸時代を舞台にしながらも、“今っぽい”口調で交わされる滑稽な会話劇、強烈な個性を放つ特異なキャラクター、現代社会を風刺する世界観、先読み不可能なストーリー展開は、今もなお、熱狂的なファンを生み続けている。そんな超破天荒な物語が、6月30日(土)に実写映画となって登場する。

冒頭から疾風怒濤にして予測不可能な物語が展開

 (C)エイベックス通信放送

あらすじ

ある日、とある街道に一人の浪人があらわれ、巡礼中の物乞いを突如斬りつける。自らを“超人的剣客”と称すその浪人の名は、掛十之進(かけ・じゅうのしん)。彼は、「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語るが……。クセモノたちが次々と現れるなか、ある隠密ミッションの発令によって、想像をはるかに超える前代未聞のハッタリ合戦が始まる!

石井岳龍×宮藤官九郎!奇跡の超強力タッグ

 映画『パンク侍、斬られて候』メイキング風景より (C)エイベックス通信放送

規格外のエンターテイメント作品の監督を務めたのは、ジャパニーズ・ニュー・ウェーブの急先鋒となった日本映画界の鬼才・石井岳龍(=石井聰亙)。バイオレンス映画の金字塔『狂い咲きサンダーロード』(1980年)や、ロックバンドやギャングたちの抗争を描いた暴動映画『爆裂都市 BURST CITY』(1982年)で、インディペンデント映画ながら、彼の持つ独特の世界観は、日本のみならず世界をも圧倒している。本作でも、石井監督の独自センスが活かされた映像に期待だ。

本作で脚本を担当したのは、ユニークで軽快な掛け合いや、巧妙な駆け引きを得意とする稀代のストーリーテラー、宮藤官九郎。これまで自身の作品の中でも石井作品へオマージュを捧げるなど、石井監督のファンとして知られる宮藤。観る者をどっぷりとドラマに没入させてきた彼が、「前半は本格時代劇に」「今の人が観て共感できるような物語に」「主役の掛を中心に話が動くように」「恋愛要素を立たせて」といった監督とプロデューサーからのオファーに応えつつ、見事にぶっ飛んだシナリオに仕上げた。

石井監督だからこそ実現した映画化

冒頭でも紹介したように、本作のもとになったのは、2000年に『きれぎれ』で芥川賞を受賞した町田康による同名小説が原作だ。町田は、石井作品の『爆裂都市 BURST CITY』、『鏡心・3Dサウンド完成版』(2000年)で、俳優として出演している。「石井監督だからこそというより、石井監督じゃなきゃ映画化をOKしていなかった」と、映画化オファーについて語っているように、2人の相性はバッチリだ。

そして本作の主題歌は、イギリスの伝説的バンド、セックス・ピストルズが1976年に発表した「アナーキー・イン・ザ・U.K.」。パンク・ロックを代表する彼らの楽曲は、これまでも様々な映像作品に使われてきたが、日本映画でピストルズの楽曲が公式使用されるのは初めてのこと。時代劇作品でありながら、パンク・ロックが使用される異色の組み合わせも、本作の個性の強さを感じさせる。

パンクな監督の元に集結した12人の豪華キャストたち

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本作を彩るメインキャストには、『新宿スワン』(2015年)や、ドラマ『コウノドリ』シリーズ(TBS系)などで、様々な役柄を体現してきた綾野剛を筆頭に、北川景子、東出昌大、染谷将太、さらに村上淳、若葉竜也、近藤公園、渋川清彦、浅野忠信、永瀬正敏、國村隼、豊川悦司など、それぞれが主役を張れるほどの超豪華俳優陣が集結した。彼らは、メガホンをとる石井監督や、宮藤が手がける脚本に惹かれ、出演のオファーを快諾したという。

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なかでも、超人的剣客にしてプータロー、自らのハッタリから未曾有の事態を招くことになる主人公のパンク侍・掛十之進を演じた綾野剛は、石井監督たってのキャスティングだ。

『シャニダールの花』(2013年)、『ソレダケ / that's it』(2015年)でも綾野を起用してきた石井監督は、「シリアス、不良性、アクション、恋愛、ギャグを交えつつ、振り幅が広く、乱反射するような掛というキャラクターを演じられるのは、綾野君しかいないと思っていました」と太鼓判を押す。

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また、プロデューサーを務める伊藤和宏は本作のキャスティングについて、「まずは石井監督作品の常連キャストたちを一堂に集めましょう、と。そこに、フレッシュな初参加組を掛け合わせ、化学反応を起こす。結果的に、最初に考えた夢のキャスティングをそのまま実現できた。奇跡的なことだと思います」とコメントしている。

宣伝不可能! 見逃し厳禁の破天荒映画はこう楽しめ!

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主演の綾野剛は、製作発表時から、「本作は宣伝不可能」と公言。石井監督自身も撮影現場の様子を、「毎日がクライマックス」と表現し、キャストやスタッフも口々に「毎日違う映画を撮っているようだった」と撮影を振り返る。

原作小説の持ち味はそのままに、本格時代劇かと思えば、コメディだったり、アクション映画だったり、ラブストーリーだったりと様々なジャンルに姿を変えていく本作は、そのすべてが見どころと言っても過言ではない。

個性が強すぎる12人のクセ者たちによる掛け合い、そして予告編でも強烈な印象を与える、壮絶な大合戦シーンなど、始まりから終わりまで凄まじいエネルギーで物語が展開する本作。

石井監督は本作の楽しみ方について、「自分の目と耳と体で感じてもらって、人の言うことは気にしない。そういう映画の楽しみ方をしてもらいたい。あなたが正しい!」と語り、綾野も「この作品は観る人の精神状態によって表情を変え、景色を変え、豊かさも変わる」と、既成概念に捕らわれない映画になっていることを強くアピールしている。

前代未聞のエンターテイメント超娯楽大作は日本映画界に風穴を開けることができるのか。この作品が吉と出るか凶と出るかは、劇場に足を運んで自身のその目で確かめろ!

文=SS-Innovation.LLC

 

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