4月期ドラマで話題を集めた「花のち晴れ~花男 Next Season~」。「花より男子」シリーズの“新章”となるこの作品で、道明寺司役の松本潤、花沢類役の小栗旬のサプライズ出演に、懐かしさを覚えた人も少なくないことでしょう。そんな「花より男子」で松本、小栗ら“F4”とともに高い人気を集めたのが、主人公の女子高生・牧野つくしを演じた井上真央です。

2005年に放送されたドラマ第1シリーズ当時は18歳で、正義感の強いつくし役をフレッシュに演じた井上も、今年で31歳。『白ゆき姫殺人事件』(2014年)以来、4年ぶりの実写映画への出演となった『焼肉ドラゴン』(6月22日公開)では、等身大の魅力にあふれた大人の女性の色気を醸し出しています。

(C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

「キッズ・ウォー」&「花男」を彷彿!?人間味あふれるさすがの演技

『焼肉ドラゴン』は、高度経済成長まっただ中にある昭和45年、大阪の片隅にある小さな焼肉店を舞台にした人間ドラマ。激動の時代に翻弄されながらもたくましく生きる家族の絆が描かれるなかで、井上は6人家族の次女・梨花を演じています。

梨花は、姉・静花(真木よう子)の幼なじみ・哲男(大泉洋)と夫婦で、ことあるごとに夫と衝突してしまうような、感情の起伏が激しい女性。気持ちをストレートに表現する人間味あふれる梨花は、井上の出世作である「キッズ・ウォー」シリーズの茜や、「花より男子」のつくしなど、これまでに演じてきたキャラクターと重なる部分があります。定職につかずフラフラしている哲男相手に、イライラをぶちまける姿には、「さすが!」ともいうべき貫禄がにじみ出ているのです。

また、梨花には気性の激しさだけでなく、ケンカの後にふさぎこんでしまう繊細な一面も。そんな彼女の精神状態を、井上はかすかな表情の変化やさりげない所作で、ていねいに表現しています。その繊細な芝居からは、年齢を重ねた井上の演技の深みを感じられます。

(C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

およそ45秒の濃厚キスシーンも!大人の色気あふれる恍惚の表情

そんな井上について、「監督の要求をすぐ飲み込んで、十全に演技として表現できる素晴らしい女優さん」と鄭義信監督も絶賛しています。特に賞賛していたのが、梨花というキャラクターを語るうえで重要なシークエンスとなっているキスの場面です。

哲男とのケンカの後、不安定な状態になっていた梨花は、突如、ある人物の唇を奪ってしまいます。自らの本能に身を任せ、まるで動物のように激しくキスをする梨花……。恍惚とした表情で相手の唇を貪る彼女からは、思わずドキッとしてしまうような大人の女性の妖艶さがあふれ出ています。

鄭監督はこのシーンについて、「井上さんのパブリックイメージとは違うと思いつつも『ここは野獣のように積極的に』とお願いしたところ、体当たりで演じて下さった。尚且つ、井上さんらしさもちゃんと映っているんです。その女優魂に敬服しました」とコメントしています。約45秒にわたり、じっくりとキスの様子を捉えたこのシーンは、これまでの彼女の演技では見たことのない艶っぽさ! 目が奪われてしまうこと必至です。

(C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

感情をストレートに表現する人間味あふれるキャラクターというハマり役に加え、年齢を重ねて磨かれた色気も加わったことで、激動の時代を生き抜いた“昭和の女”の悲喜こもごもを体現している井上。真木よう子、桜庭ななみら、美人姉妹の中でもひと際リアルな存在感を放ち、見る者の目を惹きつける彼女の熱演は必見です!

(文/ケヴィン太郎・サンクレイオ翼)