『スター・ウォーズ』シリーズの人気キャラクター、チューバッカ。約2m30cmという長身のチューバッカを演じ続けてきた“中の人”であるピーター・メイヒューが高齢のため引退し、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(6月29日公開)で新アクター、ヨーナス・スオタモが演じています。そこで今回はスーツアクターという観点から、本作に注目してみたいと思います。

チューバッカが大活躍する『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年)の約10年前が舞台。自由を手に入れようと危険な仕事に挑む、若きハン・ソロの冒険を通して、これまで明かされなかった彼の過去を描くアナザー・ストーリーです。もちろんチューバッカも登場し、その後、生涯の相棒となる2人の出会いが映し出されます。

そんなチューバッカの新たなスーツアクターが、身長が約2m13cmあるフィンランド出身ヨーナス・スオタモです。彼はもともとバスケットボール選手でしたが、フィンランドのバスケット連盟から「身長2m以上の青い目の人を探しているが、ハリウッド大作に関わってみたくないか?」という電話がきっかけで、チューバッカを演じることになりました。

膝を悪くしてしまった前任のピーター・メイヒューに代わり、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)からスオタモが部分的にバトンタッチしていきました。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年)に続き3度目のチューバッカ役となる本作では、格段に出演時間が増加。お披露目となった第71回カンヌ映画祭の栄えあるレッドカーペットにも登場するなど、主要キャストとして『スター・ウォーズ』シリーズに迎えられています。

レッドカーペットに登場したヨーナス・スオタモ(写真左から1番目)(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

ピーター・メイヒューが築いた魅力の原点

チューバッカは、森林惑星キャッシーク出身のウーキー族で、年齢はなんと190歳(『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』での年齢)。理解できない者には唸り声と喉を鳴らす音にしか聞こえないシリウーク語という言語を操ります。そして見た目は毛むくじゃらで巨体という、動物のようなキャラクターです。

そんなチューバッカを最初に演じたメイヒューは、全身を使った演技で表現してきました。例えば、ピンチに陥ったときは手で頭を抱え込んだり、怒ったときは激しく体を揺らして手足をバタつかせたり……。言語を超えて、チューバッカの感情が観客にも伝わるように、人間味のある愛らしいキャラクター像を作り上げてきたのです。

ちなみに、メイヒューは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年)にアドバイザーとして参加しています。チューバッカの所作について、歩き方や周囲の見回し方などをスオタモに多くのアドバイスを授け、彼の演技上達の手助けをしました。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』にメイヒューはクレジットされていないようですが、メイヒューが築き上げたイズムは、本作にもしっかりと受け継がれているのです。

(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

『スター・ウォーズ』に不可欠なスーツアクターの存在

『スター・ウォーズ』シリーズといえば、宇宙人やドロイド、クリーチャーなど、個性豊かなキャラクターたちが魅力のひとつ。チューバッカに限らず、ダース・ベイダー、ウィケットをはじめ、多くのキャラクターをスーツアクターが演じ、個性を与えてきました。

無機質なドロイドでありながら感情が伝わってくるR2-D2(ケニー・ベイカー)や、カクカクとした歩き方が特徴的なC-3PO(アンソニー・ダニエルズ)などはその代表的な存在です。一度見たら忘れられない彼らの演技は、キャラクター人気の裏に“中の人”が不可欠だったことを証明しています。

また近年では、有名な俳優が顔を隠して、ストームトルーパーやクリーチャーとしてカメオ出演していることも多々あります。例えば、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にはダニエル・クレイグやサイモン・ペッグ、また『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』にはジョセフ・ゴードン=レヴィットといった、錚々たる面々が出演してきました。“実はあの人が演じている”というトリビアも、熱狂的なファンを持つ『スター・ウォーズ』シリーズならではの楽しみ方といえそうです。

(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

近年のCG技術の発達はすさまじく、極論をいえば、今やスーツアクターなしでも映画を製作することが可能な時代になりました。人間以外の未知なる種族が多数登場する『スター・ウォーズ』シリーズなら、なおさらCGとの相性は良いはずです。

しかし、スーツアクターを採用し続けているのは、それだけ“生身の人間が表現する感情”を重視しているということ。普段あまり意識しないスーツアクターの演技にも注目してみてください!

(文/ケヴィン太郎・サンクレイオ翼)

【特集記事】ハン・ソロを200%楽しめる、魅力を解説!『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

「スター・ウォーズ」シリーズのアナザー・ストーリー2作目となる最新作は、シリーズ屈指の人気を誇るハン・ソロを主人公に据えた、その名も『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』。

愛機ミレニアム・ファルコンで銀河を疾走し、その名を馳せた伝説の運び屋にして反乱同盟軍のアウトロー、ハン・ソロ。彼はいかにして“愛すべき悪党”になったのか? ハン・ソロの知られざる過去が、ついに明かされる!

特集記事では、キャストやキャラクターにまつわる過去のエピソードなど……ハン・ソロを200%楽しむための魅力を大解剖!!