6月29日(金)より公開される『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の主人公は、そのタイトルの通り、帝国軍から銀河を救った英雄、ハン・ソロだ。相棒・チューバッカと共に、ハン・ソロの愛機である宇宙船ミレニアム・ファルコンを操り、トレードマークの愛銃を片手に敵を撃ち抜くスペース・カウボーイの姿は、世界中の人々を魅了した。

今作の舞台は、彼がルークやレイア姫と出会う前のこと。ハン・ソロがいかにしてミレニアム・ファルコンを手にしたのか、相棒チューバッカとの過去に何があったのかなど、ファンが長年気になっていたポイントがたくさん詰まった、宝箱のような知られざる過去が描かれる。

そんな本作を鑑賞する前に押さえてほしいハン・ソロの人物像、そして、今作で描かれるであろう、40年にわたる大きな「ある問題」についてご紹介!

世界中を虜にした“愛すべき悪党”

まずは、ハン・ソロがこれまでに取ってきた行動から、危険で魅力的なアウトローの人物像に迫ってみたい。

初登場した『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年)では、密輸の仕事をしていたハン・ソロ。帝国軍の検問に引っかかる寸前、大胆にも依頼主の積荷を捨ててしまい、莫大な借金を背負うハメに。そんな矢先、惑星オルデランに急ぎたいオビ=ワン・ケノービとルーク・スカイウォーカーから、破格値の依頼が舞い込むという運の良さを見せる。

そして『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)では、帝国軍の巨大戦艦スター・デストロイヤーに追われる中、愛機である宇宙船ミレニアム・ファルコンが故障。しかし、とっさの判断で巨大戦艦の背後に隠れ、戦艦が排出するゴミに紛れるという大胆な行動で、まんまと逃げ切ってみせる。

シリーズを通して、危機からの好転や、調子づいた後の転落という展開がハン・ソロお決まりのパターンとなっており、その回避方法や脱出方法も運任せで、向こう見ずなものばかり。しかし、観ている方はそれがたまらなくおもしろいのだ。

また、“銀河の平和には興味がない”という対応を見せておきながら、物語の最後の最後、“もうダメだ”というところで颯爽と現れ、主人公の窮地を救いオイシイところを持っていく。そんな愛すべき悪党っぷりで、ハン・ソロは世界中に愛される型破りなアウトローとなった。

描かれなかったハン・ソロの登場とアナザー・ストーリー

(C)2018 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

『エピソード4』の10年前を描く今作だが、実はそれよりももっと若い頃のハン・ソロが「スター・ウォーズ」シリーズに登場するという案があった。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005年)に、ジェダイの宿敵であるグリーバス将軍が惑星“ウータパウ”に潜んでいるという情報をつかむシーンがある。このシーン自体は特に驚くこともないシーンなのだが、初期の案ではマスター・ヨーダが10歳の少年ハン・ソロからその情報を提供される、というものだった。さらに相棒となるチューバッカに育てられていたという設定もあったというから驚きだ。

これについては、コンセプトデザインを担当したイアン・マッケイグが海外サイトで明らかにしており、少年時代のソロのコンセプトアートも公開されている。最終的に監督のジョージ・ルーカスは、キャスティングの前に10歳のハン・ソロの登場シーンをカットすることにしたため、残念ながらこのシーンが描かれることはなく、チューバッカに育てられたという設定もなくなった。

さらに、ヨーダが主人公のスピンオフCGアニメ『レゴ・スター・ウォーズ パダワンメナス』(2011年)では、ヨーダと行動を共にする存在として、少年イアンが登場する。しかし、この少年の名前は偽名であり、物語の最後に彼は、「自分はハン・ソロという名前だ」と明かす。作中では有能なパイロットの片鱗を見せたり、おなじみの台詞「嫌な予感がする」を口にしたりしているので、気になる方はチェックしてみてほしい。

『スター・ウォーズ』を象徴する宇宙船『ミレニアム・ファルコン』

裏社会に生きる人間として、ハン・ソロはギャンブルに目がない。彼の愛機ミレニアム・ファルコンも悪友ランド・カルリジアンとの賭けで得たものだ。

この船は元々「コレリアン・エンジニアリング社製YT-1300貨物船」というただの貨物船だったが、危険な密輸業務をこなすため、様々な所有者がありとあらゆる改造を施した。その結果、劇中ではガラクタの寄せ集めのように言われることも多いが、ある程度の戦闘に耐え、かつ帝国軍の戦艦すら引き離せる宇宙最速の貨物船へと変貌しているのだ。

さらに、平べったい円盤型という形状を活かし、一度の激突も許されない小惑星群の中や、複雑に入り組んでいるような場所も、体勢を変えながらすり抜けることができ、たびたび帝国軍の最新戦闘機を翻弄している。ただ、改造の代償として、パーツ同士の組み合わせがうまくいかないことが多いようで、度々トラブルに見舞われることとなり、ストーリーに絶妙なスリルを与えている。

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40年にわたる謎『ケッセル・ランを12パーセク』問題が明らかに!?

ミレニアム・ファルコンについては、熱心なファンの間で長年議論されていたある問題がある。それは『エピソード4』でハン・ソロが登場した際、ミレニアム・ファルコンの速さを聞かれた彼が口にしたセリフ「ケッセル・ランを12パーセクで飛んだ」というもの。

ケッセルというのは惑星の名前で、ケッセル・ランというのはその付近の輸送ルートの名称。そして、「パーセク」というのは天文学で“距離”を表す単位なのだが、実はこれ、監督のジョージ・ルーカスが“速さ”の単位と勘違いしてしまい、それに誰も気付かないまま公開されてしまったのだ。「速さを聞かれているのに、距離で答えるのは筋が通らない」と熱心なファンは熱い議論を重ねて、結局「ワープなどを駆使し、本来もっと距離がかかるべきところを12パーセクに短縮できたんだろう」と、もっともらしい解釈が通説となった。

そして、CGアニメシリーズ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008〜2014年)の第1シーズンにて、アナキン・スカイウォーカーが医療ステーション船を救助しに行くというエピソードがあるのだが、そこで、「この大きな医療船では10パーセク以下のルート設定は厳しい」という周囲の指摘の中、アナキンは一刻も早く目的地に到着するため、見事ショートカットを成功させるのだ。このシーンは「パーセク問題」に対して、初めてジョージ・ルーカスが公に回答したエピソードとして、当時大きな話題を呼んだ。

さらに、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)でも、このことが触れられる。

主人公のレイが、ミレニアム・ファルコンの内部で、ハン・ソロに対し、「この船がケッセル・ランを14パーセク!?」と聞き、ハン・ソロが「12だ!」と言い返したのだ。「パーセク」が速度なのであれば、12よりも14パーセクの方が速いわけで、ソロが「12だ!」と否定するのはおかしい。ファンの解釈である「距離説」が、「スター・ウォーズ」シリーズのファンでもあるJ・J・エイブラムス監督の粋な計らいによって、採用された瞬間だった。熱心なファンの間で議論されているネタを、映画製作サイドが採用したと思われる、なんとも「スター・ウォーズ」シリーズらしいエピソードである。

ついに最新作にて、この約40年にわたる問題だった「ケッセル・ランを12パーセクで飛ぶ」というシーンが描かれるだろう。果たして、どのように描かれるのか。劇場で目撃するその日を、ファンは待っている。

文=SS-Innovation.LLC

 

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