芥川賞作家の町田康が2004年に発表した同名小説を、綾野剛主演で映画化する『パンク侍、斬られて候』が、6月30日より公開となります。脚本を宮藤官九郎が担当し、『狂い咲きサンダーロード』、『逆噴射家族』などの石井岳龍がメガホンをとっています。

綾野剛といえば、抜群の演技力を誇る個性派俳優として確固たる地位を築いていますが、同時にアクションに定評のある肉体派としても知られています。今回の『パンク侍、斬られて候』でも彼の殺陣に期待。なぜなら、綾野剛は過去に出演した作品で、数々の美しい殺陣を見せてくれているからです。

今回は、綾野剛がこれまでに演じてきた殺陣と、そこにかける彼の情熱の凄さを紹介していきたいと思います。

身体能力のポテンシャルを見せつけた・壹

『クローズZERO II』(2009年)で演じた愛闘家・漆原凌の喧嘩アクションで注目を集めた綾野は、その後『GANTZ PERFECT ANSWER』(2011年)で、二宮和也演じる主人公の玄野計と地下鉄で戦う、黒服星人リーダー・壹を熱演し話題となりました。

壹は異星人という役どころゆえ、一切に人間味のないキャラクター。戦闘シーンは銃を手に戦うガンアクションがメインですが、途中で自らの手から生み出した真剣で玄野に切りかかり、見事な殺陣を披露しています。

ここで特筆すべきなのが、綾野剛の身体能力。戦闘中に45度に曲がった首を元に戻す一幕があるのですが、どう見ても人間のものとは思えない不気味な動きは、CGではなく本人が生身でやっていたもの! 1ヶ月かけたトレーニングで培った成果だったと、後に出演したテレビのトーク番組で明かしています。アクション俳優・綾野剛のポテンシャルの高さをぞんぶんに味わえるシーンといえるでしょう。

映像効果なしで魅せられるハイクオリティな剣術・外印

人気マンガ作品を実写化した『るろうに剣心』(2012年)では、顔に火傷を負った金髪の元士族・外印を演じた綾野剛。佐藤健が演じる主人公・緋村剣心との一騎打ちで、殺陣を披露しています。短刀を使った超高速の剣術は、映像効果なしでも斬っているように見えると、同作のアクション監督・谷垣健治が絶賛するほどのクオリティです。

ちなみにこの外印、仮面で顔を隠していたため、原作の連載中は「(仮面の下が)美形なのでは?」と盛り上がった人物。しかし、その正体は50代の人形遣いだったため、一部のファンからは落胆の声があがっていたのです。それもあって、実写映画で外印が仮面を外し、金髪姿の綾野剛が素顔を見せたときには、「(原作で正体が分かったときの)悲しみが払しょくされた!」と喜んだファンもいたとか。

過去の殺陣の経験をすべて注ぎ込むつもりが!?・矢田部研吾

主演を務めた『武曲 MUKOKU』(2017年)で綾野剛は、剣道5段の腕前ながらも父を植物状態にしてしまった過去をもつ、剣の達人・矢田部研吾を演じていました。

今作で綾野剛は完全にアスリートの精神状態で現場に入り、1日3時間の稽古を2カ月みっちり積んでから撮影に挑んでいます。泥だらけになりながら、秘めた才能をもつ若き剣士と竹刀で闘う様は、過去に見せてきた洗練された殺陣とはまた一味違う武骨な荒々しさに満ちており、彼のさらなる魅力を引き出しています。体脂肪7%まで絞った肉体美にも要注目です。

6月30日公開の『パンク侍、斬られて候』でも、きっとこれまで以上の殺陣を見せてくれるに違いありません。アクション俳優・綾野剛の真骨頂を、今作でぜひ期待したいと思います。

(文/岸とも子@H14)