全世界シリーズ累計発行部数1億2,000万部を誇る大ヒットコミックの実写映画化。主人公、黒崎一護を演じた福士蒼汰がプレッシャーや責任など、主演ならではの思いを語った。

自分とかけ離れたキャラクター

Q:これまでもコミックの実写化作品に度々出演していますが、今回のようなザ・少年漫画は演じる上で、感触の違いはありましたか?

少年漫画は派手なものが多いので、衣装や髪型などそのまま再現するのが難しいところがあります。でも今回の『BLEACH』に関しては、再現したものが不思議と馴染んでいて。それぞれの役者さんが出す色ともすごくマッチしているんです。とはいえ、死神役なので、実世界においては少しぐらいミスマッチなところはあっていいのかもしれません。

Q:コミック原作の作品に対して、ご自分で得意不得意の意識はありますか?

特にないです。それよりもキャラクターのパーソナリティーに関して、やりやすさややりにくさはあります。

Q: 一護はどうでしたか?

今回はやりにくい方です。というのは、自分とはキャラクターがかなりかけ離れているんです。一護は無鉄砲で情に厚くて、考えるよりすぐ行動する。自分は全然そうではないし、普段はほとんど怒鳴ることはありません。話し方も全く違う。明るく元気なキャラクターをやることはあっても、いつも悩むし、挑戦だと思っています。

15歳の高校生役に抵抗はない

Q:それは作りこんでいって完成させるんでしょうか。スイッチみたいに切り替われるものですか?

ある意味、スイッチみたいなものがあるような気がします。作りこんで徐々にそうなってはいくんですが、普段がそうかと言われれば、そうでもないんです。「用意スタート」の1秒前に一護になるような感覚です。直前まで、ずっと一護と隣り合わせで、その瞬間まで一緒にいて、監督の掛け声を待っています。

Q:一護は15歳の高校生という設定ですが、学生役に抵抗は感じませんでしたか?

全くありません。あえて、自分がそこを否定する理由は特にないと思います。監督やプロデューサーさんがやれると思ってくださるなら、自分はやるだけです。

Q:劇中だと今より少年らしく見えます。体重を絞ったりしたんですか。

撮影したのは2年前なんです。体重はそんなに変わっていないですが、髪が短いので少年っぽさが出ているのかもしれません。

杉咲さんが自分の感情を動かしてくれた

Q:相棒の朽木ルキア役、杉咲花さんとの息もぴったりでした。

杉咲さんの凛としたたたずまいのおかげで、冒頭のルキアに対する「なんだ、こいつ?」みたいな感じ方は一護として心からそう思えたんです。小っちゃくてかわいいのに、すごく突き放されてわけがわからない(笑)。それが後半になってくると、弱い部分や元気のないところを見せられて、守ってあげたいと思える存在になってくる。そういう意味では杉咲さんのルキアという存在が自分の感情を動かしてくれたと思います。

Q:主演映画が続きますが、ご自身で主役と脇役のどちらが得意というのはありますか?

ありません。主演の時は自分のペースを保つことができる反面、責任がすごく重いと感じることもあるし、毎回怖いという思いもあります。一方、主役じゃない時は芝居の自由度が高い。責任がないというより、主役に影響を与えることにフォーカスして、いろいろ動けるから、そういう意味では気持ちが楽かもしれません。プレッシャーみたいなものを感じず、芝居ができます。

取材・文:高山亜紀 写真:日吉永遠