7月20日から全国公開される映画『BLEACH』は、世界中で圧倒的な支持を集めている人気コミックが原作です。原作は『週刊少年ジャンプ』で2001年から連載を開始し、単行本は全74巻で、全世界シリーズ累計発行部数は1億2,000万部にもなる、少年漫画の金字塔的作品として知られています。

今回の実写化で主人公の黒崎一護を演じるのは、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)や『ちょっと今から仕事やめてくる』(2017年)など、数々のヒット作で主演をつとめてきた人気俳優の福士蒼汰。さらに、ヒロインの朽木ルキアを杉咲花が、一護のクラスメイトの石田雨竜を吉沢亮が演じます。出演陣には旬の俳優たちがそろっていますが、その中で今回注目したいのが、朽木ルキアの兄である朽木白哉を演じるMIYAVIです。

世界を舞台に活躍する“サムライ・ギタリスト”ことMIYAVI

(c)久保帯人/集英社 (c)2018 映画「BLEACH」製作委員会


MIYAVIは“サムライ・ギタリスト”の異名で呼ばれる、世界を舞台に活躍してきたミュージシャン。日本だけでなく、世界にも数多くのファンがいますが、その人気を支えるのが独自の奏法から繰り出されるギターの演奏テクニックです。

それはピックを使わずに、自分の指を弦に叩きつけるようにして弾く“スラップ奏法”というもの。ベース演奏でよく用いられる奏法ですが、ベースより細いギターの弦では、その難易度が一気にあがります。さらに、左手で弦を押さえながら、右手は5本の指をそれぞれ動かす。爪をピックのように使う。ギターのボディを叩いて鳴らすなど……複数のテクニックを同時進行で行うところが、MIYAVIの凄いところです。テレビのバラエティ番組で取り上げられた際は、「神業スキル」として視聴者を驚愕させました。その腕前はX JAPANのYOSHIKIにも認められて、YOSHIKIとGACKTが立ち上げたバンド「S.K.I.N.」のメンバーに誘われ、参加しています。

これまで、幾度のワールドツアーを行ない、欧米やアジアなど約30カ国でライブを実施。最近ではアジア系ミュージシャンを紹介する超人気YouTubeチャンネル「88rising」でも、そのライブ映像が放送されるなど、ますます知名度が高まっているようです。

ハリウッド俳優としての顔ももつMIYAVI

世界的な大物ミュージシャンとして活躍しているMIYAVIですが、実はすでにハリウッドデビューも経験済みの、世界を舞台に活躍する俳優でもあります。

MIYAVIのハリウッドデビュー作は、アンジェリーナ・ジョリーが監督を務めた『不屈の男 アンブロークン』(2014年)。同作は、太平洋戦争時の日本の収容所を舞台にした作品で、MIYAVIは捕獲したアメリカ人捕虜を精神的にも肉体的にも追い詰める、渡邊睦裕伍長を演じています。

この渡邊伍長は裕福な家庭に育ち、幼少時から将校を目指していたものの、夢破れてしまった人物。スポーツの元エリート選手だった主人公に劣等感をおぼえ、苛烈なまでの虐待を行います。

虐待の一環として主人公に木材を担がせるシーンでは、彼の不屈な態度におびえ、恐怖を振り払うように暴行を加えようとします。それまでの能面のような面持ちを捨て去り、表情をくしゃくしゃに崩し、叫ぶように「私を見るな!」と狼狽する渡邊伍長。それは主人公の不屈な態度とは対照的で、渡邊の精神的な脆さを見事に表しています。あまりにも鬼気迫った演技に、ヒリヒリとした狂気とその奥に潜む人間的な弱さが伝わるものでした。

『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)でも、MIYAVIは太平洋戦争時の日本兵を演じています。ストーリー冒頭の険しいジャングルのシーンでは、スピーディーに疾走しながら、アメリカ兵を追跡。日本刀や短刀を駆使した、キレのあるアクションで存在感を示しました。敵を追い詰め、日本刀を突き付けて、ニヤリと笑みを見せるMIYAVI。このシーンに彼のセリフはありませんが、いよいよ敵を追い詰めたことを、表情で見事に伝えています。

ちなみに、この日本人兵の名前はグンペイ・イカリ。インタビューによると、日本通の監督が「新世紀エヴァンゲリオン」の主人公・碇シンジと、ゲームクリエイターの横井軍平の名前からとったもののようです。いかに監督がMIYAVIの演技に期待していたのか、わかるようなエピソードですね!

原作屈指の人気キャラクターをMIYAVIがどう演じるか?

MIYAVIが『BLEACH』で演じる朽木白哉は、原作漫画ではファン投票でも常に上位に名前があがるなど、作中屈指の人気キャラクター。主人公・一護の敵として登場する、強大なライバルです。

クールな出で立ちと絶大の戦闘力をもつ朽木白哉を、実写化で誰が演じるかについては、以前からネット上などで話題になっていました。それだけに注目されたビジュアルイメージが公開されたときには、「ビジュアルの完成度が高い」とSNSなどで絶賛する声もありました。『キングコング:髑髏島の巨神』でも見せた日本刀のアクションを駆使して、朽木白哉の必殺技「千本桜景厳」をどう再現するのか楽しみですね!

(文/Jun Fukunaga@H14)