「校閲ガール」シリーズなどで知られる宮木あや子の同名小説を実写化する、dTVオリジナルドラマ『婚外恋愛に似たもの』の配信がスタートした。

同作は、容姿も職業も性格も生活ランクも異なる5人の女性が、35歳という年齢と、アイドルグループ・スノーホワイツ(以下、スノホワ)のファンという共通点から出会い、友情を育みつつ、それぞれに抱える悩みを乗り越えていく様を描いた作品。

同作で、メインとなる女性の中の1人で、“普通の専業主婦”の山田真美役を演じた安達祐実に、話を伺った。

普通を意識しすぎず、自分らしく

安達祐実 婚外恋愛に似たもの インスタ

――今回のドラマで安達さんが演じた「山田真美」は普通の専業主婦という役ですが、今年で芸能生活35周年を迎える安達さんとは、まさに真逆の役だったのでは?

生活の面で言えば、私も家事も育児もやりますし、芸能界の人以外と過ごす時間も多いですから、重なる部分も多かったです。家事のシーンも、いつもやっているのと同じですし、そこまで真逆だとは感じませんでした。ただ、ドラマの中で「普通が一番」といった発言をしますが、私は“普通じゃなくても別にいいよね”と思っているタイプなので、そういった部分では真逆かもしれません。

――同じく宮木あや子さん原作の映画『花宵道中』での花魁役から、最近だと海月姫のオタク女子の役など、これまでも本当に幅広い役を演じて来られてきていますが、今回の役作りでは「普通」を意識しましたか?

瑠東東一郎監督から、撮影に入る前に「普通をそこまで意識しなくていい」と言われたんです。山田という女性は、普通になりたいだけで、自分が普通かどうかはわからない、だからあまり意識せずに自然にやろうと。監督とはドラマ「女囚セブン」でもご一緒させてもらっていて、その時もいい意味で肩の力を抜いて、自然体でやらせていただきました。今回も「生っぽくやりたい」と仰っていたので、役に寄っていくというよりも、自分らしくを意識した感じです。

婚外恋愛に似たものは、純粋な世界

安達祐実 婚外恋愛に似たもの インタビュー

――男性アイドルに熱狂する役でしたが、アイドルに酔心した経験は?

今でも覚えているのですが、ドラマ「家なき子」の試写会の時に、私と堂本光一さんがいい雰囲気になるシーンがあって、堂本さんのファンの人達が「やめてー!」と悲鳴をあげたんです。その時はまだ子供でしたし、理由はわからないけど、その世界に足を踏み入れてはならない気がして……。だから、アイドルに憧れるといったところからは、離れて過ごしてきました。

――未開拓の世界に、役とはいえ足を踏み入れてみていかがでしたか?

すごく純粋な世界だなと思いました。ライブシーンの撮影に参加されたエキストラさん中には、スノホワ役の岩岡徹さんや和田颯さんの所属するDa-iCEのファンも居たんです。そこでアイドルへの思いなどを聞かせてもらって、とにかくまっすぐだし、想像していたのに反して、敵対意識とかもなかったんですよ。とにかく推しのことを、まるで夜空の星のように、遠い手の届かない美しい存在として見ていて、本当に純粋なんだなと。

――今お名前が出ましたが、山田の推し(お気に入り)である、“ジル様”こと皐月ジルベール役の和田颯さんについての印象は?

まず、顔がタイプの顔です(笑)。おかげで、演じやすかったですね。それと、人となりという部分では、共演シーンは決して多くなかったのですが、とても礼儀正しく、気遣いのある方だなと思いました。会話をする機会は少なかったですが、だからこそファンの人の気持ちが少し理解できたかもしれません。

安達祐実 婚外恋愛に似たもの ドラマ

――アイドルオタクの役を演じ、『婚外恋愛に似たもの』という感覚について、自分の中ではどう解釈されましたか?

仕事や友達といった身近な存在とは違って、ひとつ隔たりがある相手への想いって、完全なプラトニックだなと思うんです。それで元気になったり、前向きになったり、ときめく気持ちをもらえたりって、とても素敵なことで、女性を輝かせるものだと思います。

――ドラマの中では、それぞれ問題を抱える女性たちが、スノホワに会うことで輝いていく姿が印象的です。

それぞれが抱えている問題は、決して単純ではないし、大きく複雑な問題ばかりです。それを重苦しくするのではなく、スノホワを軸に、それぞれの悲喜こもごもを、笑いのフィルターを通して描くことで、楽しみつつ、感動してもらえる作品になっていると思います。家族や友情といった、誰にでも重なるテーマが描かれた人間ドラマです。同世代の女性はもちろんですが、恋人や家族、友人たちと一緒に観てもらいたいです。

(写真・文/黒宮丈治)