先日、“質の高いドラマ”を表彰する「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」で「作品賞」に選ばれた「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)。主役の“はるたん”こと春田を演じた田中圭は、このドラマで大ブレイクを果たし、過去に出版された写真集・作品集も重版、再重版が続き、その人気はまだとどまることがなさそうです。

そんな田中は7月30日放送の「しゃべくり007」(日本テレビ系)に出演。事務所の先輩である小栗旬とのやりとりを明かし、話題となっています。

モチベーションは「いつか小栗に自分を認めさせてやる」

小栗とは15歳からの付き合いである田中。はじめは事務所の所属タレントも田中と小栗くらいしかおらず、2歳年上で芸歴も長い小栗に、挨拶の仕方から現場での立ち居振る舞いなどを教わっていたそうです。その後小栗のブレイクをきっかけに事務所は拡大。綾野剛や坂口健太郎などの人気俳優を多数輩出しましたが、田中は活躍の幅は広いながらも、どこか“スーパーサブ”的な印象が続いていました。

そんな彼のことを小栗はずっと気にかけていたようで、田中は7月30日放送の「しゃべくり007」(日本テレビ系)で、「僕は自分のペースでやっていたので、旬君はずっと……愛情を込めてなんですけど、『お前早く売れろよ!』みたいなことをずっと言ってくれていた」と明かしました。そして「おっさんずラブ」でのブレイク後には、「おっ、遅れてきたブレイク俳優!」と茶化しつつも、忙しい田中のことを「大変だろ?」と気遣ってくれたそう。

以前は「『いつか小栗に自分を認めさせてやる』と思いながらモチベーションを上げている」とインタビューで語っていた田中ですが、芸歴19年の今、ようやくその時が来たと言えるかもしれません。

大ブレイクも「今までと変わらず、できることを淡々とやっていくだけ」

しかし田中曰く、ブレイク後も「自分も周りも全く変わっていない」そうで、本人はこの状況を冷静に見ている様子。 7月17日に行われた、マージャンのプロリーグ「Mリーグ」発足記者会見にリーグサポーターとして登場した際にも、今の自身の人気ぶりについて問われると「ありがたいと思っているが、自分自身は今までと何も変わらず、できることをただ淡々とやっていくだけ」と語りました。

この「できることをただ淡々と」という姿勢は、田中が以前から演技において大切にしてきたことでもあります。先日発売の雑誌『TVガイド7月27日号』のインタビューでは、現在出演中の「健康で文化的な最低限度の生活」(フジテレビ系)の京極役を演じるにあたり、「ふわ~っとやっていけたらと思います(笑)」と発言。そして役づくりについては、「“こうやろう”という考えが頭にあっても、現場の皆さんの空気感や、対峙したときに出てきたせりふの言い回し、相手の反応などで変えていくことが多い」と話しています。

「おっさんずラブ」では思わぬ展開に振り回され戸惑う役柄でしたが、「健康で文化的な最低限度の生活」は厳しい上司の役。現場で周囲とともに役を作り上げていくスタイルだからこそ、さまざまな一面が見られ、それがこれまでのキャリアと今の大ブレイクにつながっているのでしょう。

小栗旬という存在は、良き先輩で良きライバル!?

7月10日放送の「めざましテレビ」(フジテレビ系)のインタビューでも、「俳優『田中圭』のイメージは極論どうでも良くて、役のほうが大事」「(自分の色は)出したいと思っても出ない。分からない」と自身の演技について語っていた田中ですが、かつてそんな自分と正反対のスタイルを目の当たりにし、「この野郎!」と思ったことがあるそう。

それは田中が小栗と共演した際に、小栗が役を超え、演技の中に「小栗旬」自身の魅力を披露する瞬間を見せられたとき。あくまで役として生きていた田中は「小栗に置いていかれた」と感じたと、2011年9月14日放送の「ライオンのごきげんよう」(同)で話しました。「(自分の色は)出したいと思っても出ない」という田中にとって、この小栗のスタイルは真似できないからこそ、悔しさがあったのかもしれません。

それぞれのスタイルで演技に取り組み、俳優としてさまざまな役に挑戦している小栗と田中。

田中は現在出演中のドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」の後にも、9月上演の舞台「サメと泳ぐ」、11月公開の映画『スマホを落としただけなのに』、さらに来年公開の『美人が婚活してみたら』と、多数の出演作が控えています。勢いは増すばかりですが、今後も初心を忘れず、先輩、そしてライバルとして、小栗の背中を追いかけていくのでしょう。いつかまた二人が共演し、直接役者魂をぶつけ合う日が来ることを期待します。

(文/北舘和子)