今夏から秋にかけて、俳優・池松壮亮の出演作が続々と公開される。『君が君で君だ』は7月より公開中。9月28日には『散り椿』、そして11月24日からは主演映画『斬、』が公開となる。池松といえば、個性の強い役柄に体当たりで挑む役者としての印象が強いが、なかには「役者魂」という言葉では片づけられないような役もこなしてきている。

濡れ場の場数が多く「前貼り」の達人!?

池松の名が世に広く知れ渡るきっかけとなった『愛の渦』(2014年)では、ヒロインの門脇麦との濡れ場が話題に。

同年公開され、同様に濃厚なベッドシーンがあった『海を感じる時』では、ヒロインを務めた市川由衣に「前貼り先生」と呼ばれていたそう。この話は同作の完成披露試写会で市川から披露されたもので、池松が他作品でも濡れ場が多かったことから、そう呼んでいたそう。これに対して池松は「結構、貼るのが早いんですよ(笑)。今日は付けてないです!」と答え、会場の笑いを誘っていた。多くのベッドシーンをこなし、毎回見せる艶やかな演技が注目を集める池松。その独特の色気が、彼を「前貼りの達人」へ導いたに違いない。

おじさんが踏みつけた人の髪の毛を食べさせられた!?

今年春に放送されていたドラマ「宮本から君へ」(テレビ東京系)で演じた営業マン・宮本役では、自らの手で丸刈りになるシーンがあったが、池松は地毛を実際に剃っている。同作ではこのようなハードな撮影が続いたため、池松は「(同ドラマの撮影中に)記憶が途切れる経験をした」と語っている。一つの役に対して、いかに全力で取り組んでいたかが伝わる言葉だ。

また、『君が君で君だ』では、「人毛」を食べるシーンに挑戦。ヒロイン役の女優キム・コッピが好きすぎるあまり、彼女の髪の毛を食べるというシーンだったが、撮影所に行ってみるとコッピの毛ではなく、知らない人の髪の毛だったという。

同作の初日舞台挨拶で池松は「最も苦労したシーン」にこの“食毛”を挙げ、撮影時の状況を説明。夏の古いアパートの床に落ちている髪の毛というだけでもショッキングだが、スタッフが何度も踏んだ後に拾って食べなければならなかったというのだから、普通だったら触るのさえ拒否したいほど。それでも真剣に食べ、演技を続けたと話す池松。しかし、「一生懸命食べていたら、助監督に『もうおかわり、ありませんから』と言われた。すごく食べたい人みたいに見られて、屈辱でした」と語り、会場の笑いを誘っていた。

最新作の『斬、』では、本格的な殺陣に挑戦している池松。実は池松の映画初出演作は『ラスト サムライ』(2003年)。このときはまだ子役だったため、刀は握った程度。2015年のドラマ&映画『MOZU』で冷酷な殺人鬼を演じたときにも殺陣を披露しているが、『斬、』の特報での刀をふる姿は、これまで以上の気迫を感じる。今まで以上に体当たりで、ハードな殺陣姿に期待だ。

(文/河村綾香)