9月7日に映画『累-かさね-』、9月14日に『響 -HIBIKI-』と、漫画原作の映画が続々と公開される。土屋太鳳と芳根京子がダブル主演を務めることでも話題の『累-かさね-』は、スイスで行われた「第18回ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭」で観客賞を受賞。『響 -HIBIKI-』は欅坂46の平手友梨奈が映画初主演と、両作ともに公開前から期待が高まっている。

実は2作には、原作が「マンガ大賞」ノミネート作品であるという共通点がある。これを機に、これまでに「マンガ大賞」から映画化された作品を振り返りたい。

漫画も映画もヒット!マンガ大賞から飛び出したあの映画

マンガ大賞は、有志によって結成されたマンガ大賞実行委員会が、人にぜひ薦めたいと思うマンガ作品を選定する賞で、2008年から毎年3月に発表され今年で11年目となる。選考作品は、前年1年間に出版された中で、単行本の最大巻数が8巻までものに限定されており、新作マンガの登竜門となっている。ちなみに前述の『響 -HIBIKI-』の原作である『響~小説家になる方法~』はノミネートにとどまらず、2017年のマンガ大賞を受賞している。

2008年の第1回に大賞を受賞した『岳』は、小栗旬を主演に迎え、2011年に実写映画化された。原作者の石塚真一は、なんとデビュー作での受賞だった。同年には吉田秋生の『海街diary』や椎名軽穂の『君に届け』、よしながふみの『大奥』などもノミネートされ、『君に届け』と『大奥』はどちらも2010年に実写映画化された。

『海街diary』は2013年に大賞を受賞し、2015年には綾瀬はるか、長澤まさみ、広瀬すずなど豪華キャストで映画化され、第39回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞している。

2009年に大賞を受賞した末次由紀の『ちはやふる』は、広瀬すず主演に実写映画化され『上の句』、『下の句』(ともに2016年)、『結び』(2018年)と3作が公開された。人気急上昇中の俳優、新田真剣佑の出世作となっただけでなく、競技かるたの浸透にも影響を及ぼした。

また、同年ノミネートされた小山宙哉の『宇宙兄弟』、羽海野チカの『3月のライオン』も映画化。『3月のライオン』は2011年に大賞を受賞し、2017年に神木隆之介主演で実写映画が公開されている。

次に実写化されるのはどの漫画?映画化には法則がある!?

2010年の大賞は、阿部寛主演で映画化されたヤマザキマリの『テルマエ・ロマエ』。同年にノミネートされた大場つぐみ・小畑健の『バクマン。』、東村アキコの『海月姫』、久保ミツロウの『モテキ』なども実写映画化され、どれも大ヒットを記録している。

その他、2011年ノミネートの『進撃の巨人』や、2012年大賞受賞の『銀の匙 Silver Spoon』、近年実写化されたものでは2014年ノミネートで2017年映画公開の『亜人』、2016年ノミネートで今年映画が公開された『恋は雨上がりのように』など、あげたらキリがないほどマンガ大賞ノミネート作品が実写映画化されているのだ。もちろん、アニメ映画やドラマ化を含めたら、その数はさらに跳ね上がる。

こうして振り返ってみると、2008年にノミネートされ2013年に大賞を受賞した『海街diary』、2009年にノミネートされ2011年に大賞を受賞した『3月のライオン』、2014年から2016年まで3年連続ノミネートされた『僕だけがいない街』など、ノミネートや大賞受賞が複数回に及ぶ作品は映画化される可能性が非常に高いことがわかる。この法則からすると、今後は、これまでに複数回ノミネートされ2014年には大賞を受賞している『乙嫁語り』や、2年連続でノミネートされた『BLUE GIANT』、『波よ聞いてくれ』などは、今後映画化される可能性が大いにありそうか……。

マンガ大賞を受賞することで原作の知名度も上がり、ファンが増えることでメディアミックス作品にも注目が集まるのは自然なことだ。しかし、映画自体も高い評価を受けるのは、原作の質が高いことも関係しているはず。これには、マンガ大賞の「特定の作品と利害関係のない、漫画販売の現場で働く人々」が中心となり、審査しているという選考方法が影響していそうだ。有名作家、新鋭作家にかかわらず、「純粋に面白い」作品を発掘するマンガ大賞。今年発表の漫画からはどの作品がスポットを浴びるのか、今後も目が離せない。

今年は、板垣巴留の『BEASTARS』が大賞を受賞、2017年に続いて『約束のネバーランド』、『ダンジョン飯』、『ゴールデンゴールド』が2年連続でノミネートされた。まだ未読であれば、映画化が決定する前に漫画を読んで、実写化されたら誰が主演を務めるのか予想してみるのも面白いかもしれない。

(文/河村綾香)