アメリカのプロレス団体WWEのスーパースター“ザ・ロック”(日本での愛称はロック様)から俳優に転身し、今や名実ともにハリウッドのスーパースターとなったドウェイン・ジョンソン。2018年は彼の主演映画が3本も公開され、まさに“ドウェイン・ジョンソン祭り”状態だ。

テレビゲームの中に引きずり込まれた少年たちの脱出劇を描いた『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』では、主人公が選択したキャラクターを熱演。映画も大ヒットを記録した。続く『ランペイジ 巨獣大乱闘』では、遺伝子実験によって巨大化した獣たちと死闘を繰り広げる主人公を演じ、人類を救うために奔走した。そして、祭りの最後を飾る3本目『スカイスクレイパー』(公開中)では、高層ビルを舞台に、テロリストと激闘を繰り広げる主人公を熱演する!

元特殊部隊員の男が繰り広げる超絶高所アクション

スカイスクレイパー

(C) Universal Pictures

ドウェイン・ジョンソンといえば、『ワイルド・スピード』シリーズでのルーク・ホブスはもちろん、ある時は巨獣と戦ったり、ある時は神話の英雄を演じたりと、アクションからコメディまでこなす芸達者俳優だ。そんな彼が今作で演じる主人公のウィルは元特殊部隊のリーダーで、ある事件から爆弾によって片足を失ってしまった男。現在は、入院先の軍病院で主治医だった女性と結婚し、危機管理コンサルタントとして幸せに暮らしている。

“元特殊部隊員で、今は幸せに暮らしている男”という設定は、もはやドウェインのためにあるのではないかと思うほどおなじみだが、今回のポイントは、片足を失った義足の男であるところだ。いつものドウェインならば圧倒的なパワーで敵を蹴散らしていくが、今回はそうもいかない。テロリストは容赦なく義足を狙い、ウィルは当然苦戦を強いられる。

スカイスクレイパー ネタバレなし

(C) Universal Pictures

役を演じるに当たり、彼は義足での生活について学び、撮影中はパラリンピックに出場したアスリートに立ち会ってもらって、所作についてアドバイスを受けながら演技をしたそう。だが、そんなハンデを背負っていてもドウェインは裏切らない! アクションを駆使したド派手な魅せ場は、「これでもか!」と言わんばかりにてんこ盛りだ。

悪党との取っ組み合いからバイクチェイス、とんでもない高さの鉄骨をよじ登ったかと思えば、「たぶん届く!」と言わんばかりに、命綱なしで燃えさかる超高層ビルへ大ジャンプ! これだけでも十分ヤバいのだが、命綱のロープ1本と、手に巻いたガムテープで超高層ビルに張り付くシーンには驚かされる。ぜひ大スクリーンで堪能してほしいシーンだが、高いところが苦手な人は要注意。

張り巡らされた伏線を回収する脚本が気持ちいい

スカイスクレイパー アクション

(C) Universal Pictures

本作の舞台は、最新テクノロジーを結集した高さ1,000メートルを超える香港の超高層ビル「ザ・パール」。このビルの保安査定を依頼されたウィルは、家族と共に香港に赴く。検査は滞りなく終わったかに見えたが、突然「ザ・パール」をテロリストが襲撃。ビルに放火し、ウィルの家族が上層階に取り残されてしまう。家族を救うためウィルは奔走するのだが、犯人と誤解された彼は警察から追われる身となり、孤立無援で家族奪還に挑んでいく。

スカイスクレイパー 解説レビュー

(C) Universal Pictures

冒頭で、超高層ビル「ザ・パール」の最先端テクノロジーや、ビルとしては特殊な構造が紹介されるが、その説明が後半のアクションシーンにしっかりと活きてくる。また、ウィルの妻であるサラ(ネーヴ・キャンベル)が軍の病院に勤務していた過去や、機械音痴である設定など、物語のカギとなる伏線が、オープニングからラストまで存分にちりばめられていることにも注目してほしい。観る者を飽きさせない工夫がこらされた脚本には感服するばかりだ。

安心して楽しめる優秀なアクション映画

スカイスクレイパー あらすじ

(C) Universal Pictures

制作を手掛けたのは、2016年に中国企業が買収して話題となったレジェンダリー・ピクチャーズ。『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)や『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)など、巨大モンスターやロボットなどが登場する映画を制作し、つい先日には、『機動戦士ガンダム』の実写版の制作を発表したばかり。『スカイスクレイパー』は、ドウェインの人気が非常に高い中国マーケットを意識して作られたのだろうが、同時に、クオリティの高い王道アクションも作れることを証明してみせた。

スリリングな舞台設定や伏線回収という、ファンのツボを押さえたアクション映画であり、世界一のアクションスターの体当たり演技を堪能できる本作。家族を救おうと奮闘するウィルは、高所恐怖症の人には信じられない方法を駆使してビルに突入していくので、足がすくむスリルや迫力の映像を、ぜひ劇場で楽しんでほしい!

文=SS-Innovation.LLC