突如地球に現れた高度な文明を持つ生命体と人類の戦いを描き、低予算作品ながら高い映像クオリティと、緊張感あふれる演出で話題を呼んだ『スカイライン–征服–』。あれから7年が経過した2018年。地球侵略の様子を市民の目線を通して描いた前作から、血沸き肉躍るバトルSFムービーへと進化した最新作『スカイライン–奪還–』が、10月13日(土)より公開される。

スカイライン 続編 ネタバレなし

(C)2016  DON’T  LOOK  UP  SINGAPORE,  PTE.  LTD

無力な一般市民の視点から地球侵略を描いた前作

2010年に公開された『スカイライン–征服–』は、異星人が地球を侵略するSFの王道テーマを扱っているが、ハリウッド映画としては低予算の1,000万ドルで作られた作品ということもあり、大規模なセットや大掛かりなロケなどはなく、ほとんどの場面がロサンゼルスにある高層マンションの内部を舞台に進行する。

人々を守るヒーローが登場するわけでもなく、驚異に立ち向かう術を持たないごくごく普通の一般人の視点から、地球が一方的に征服されるまでの最後の3日間を描いたものだった。

異星人が地球を侵攻する様子は、マンションから見える範囲の断片的なものに制限され、登場人物たちも外で何が起きているのかわかっていない。だが、そこから逃げるべきか否か悩んでいるうちに、異星人の魔の手が近づいてくる! という手に汗握るサスペンス演出は秀逸だった。

映画の製作を手掛けたのは、『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)、『アバター』(2009年)など、超メジャー大作を手掛けたVFXスタジオ「ハイドラックス」。CGが使用されたシーンは一部のみだったが、サスペンスと映像スペクタクルの絶妙な塩梅が楽しい作品に仕上がっている。

特出した武器を持つヒーローや軍隊ではなく、限定された場所で恐怖におののく一般人の目線から描くというアプローチと、非常にクオリティの高い映像が話題を呼び、インディペンデント映画ながらも“異色の侵略SF”として、製作費の7倍相当にあたる6,600万ドル超の興行収入を記録(Box Office Mojo調べ)するヒット作となった。

ちなみに、この作品で最も話題になったのは、物語の締め方だ。

「俺たちの戦いはこれからだ!」と、良い意味で打ち切りになった“バトル系少年漫画の最終回”のような終わり方は、思わず「そんなバカな!?」と大声を出したくなるほど。クライマックスのぶっ飛んだ演出は、公開当時、世界中で賛否両論を巻き起こしたので、未見の人はぜひ自身の目で確かめてほしい。

7年ぶりにまさかの続編が登場!今度は戦争だ!

スカイライン–奪還–  ストーリー解説

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ヒットはしたものの、まさか続編が作られることになるとは思いもよらなかったが、最新作が7年ぶりにスクリーンに登場する。

舞台も限定された空間から解き放たれ、市街地やジャングル、異星人の宇宙船内部にまで拡大されている。さらに、登場人物も肉体派俳優をメインに据え、アクションシーンを大量に追加したことで、血沸き肉躍るSFバトルアクションに生まれ変わった。

本作は、前作に続き「ハイドラックス」が制作しているので、映像のクオリティも抜かりはない。

スカイライン–奪還–

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主人公は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)で、アベンジャーズたちと敵対する悪役、クロス・ボーンズを演じたフランク・グリロ。

共演には、インドネシア発の格闘術“シラット”を駆使した超絶アクション『ザ・レイド』(2011年)で世界中の度肝を抜き、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)にゲスト出演したイコ・ウウェイス、ヤヤン・ルヒアンのコンビが名を連ねる。見るからに「そうです。今回はアクション映画です」と言わんばかりの布陣である。

続編は、地球人vs異星人の肉弾バトル!

今作は、前作と同じロサンゼルスを舞台に、同じ時刻の別の場所から物語が始まる。

スカイライン–奪還–  レビュー

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ロサンゼルス市警のマークと、息子のトレントは、異星人の地球侵略に遭遇し、抵抗も虚しく宇宙船に吸い込まれてしまう。目を覚ました彼らは、異星人が拉致した人間の脳を抜き取り、兵器のCPUとして移植する恐ろしい光景を目の当たりにする。しかし、兵器にされてもなお人間の心を残していた男の協力を得て、マークたちは宇宙船を内部から破壊することに成功。宇宙船は内戦が続く東南アジアのラオスに墜落するが、人類は反政府組織のボスであるスアと共に、地球の存亡をかけた戦いを異星人に挑んでいく。

スカイライン–奪還–  予算

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前作のジリジリと消耗するような演出からうって変わって、テンションが高いままクライマックスへと突き進むのが本作の特徴。異星人たちに押されっぱなしの状況に変わりはないのだが、一発逆転の奇跡にかけ、肉弾バトルに持ち込んでいく激アツ展開は、観ていて涙が出そうになるほど。

超高速でシラットを異星人に叩きこむイコとヤヤンの戦闘スキルの高さはもちろんのこと、肉体派俳優として、異星人から奪ったナイフを腕に装着し、ボコボコにしていくフランクの様は、格闘ファンでなくてもスカッとすること間違いなしだ。

スカイライン–奪還–  フランク・グリロ

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マーク役のフランク・グリロは、前述した『ザ・レイド』のハリウッド版への主演も決まっており、不思議な縁を感じさせる組み合わせとなっているのも面白い。

前作でのサスペンス感あふれる地球侵略SF映画から、完全にSFアクション映画として生まれ変わった本作は、製作費が倍に増加。といっても、変わらず低予算なためツッコミどころ満載な作品だが、それもご愛敬。気楽に楽しめる娯楽SFアクションに仕上がっているので、気になっている人は劇場に足を運んでみてほしい!

文=SS-Innovation.LLC