主演の小泉今日子をはじめ、沢尻エリカ、前田敦子、鈴木京香など豪華出演陣で話題となっている公開中の映画『食べる女』。古書店「モチの家」を舞台に、年齢、職業、価値観が違う8人の女性の日常を通して、食と性の本来のあり方を描く群像劇だ。

本作に登場する50品以上の料理たちは、どれも食欲をそそるもので、女優陣が見せる豪快な食べっぷりも大きな見どころである。そこで今回は『食べる女』のように、“腹ペコ女子”におすすめしたい食欲の秋にぴったりなグルメ映画をご紹介したい。

木南晴夏や林遣都ら人気急上昇俳優が魅せる料理

まずは、1日3食パンを食べるパンマニアとして知られる木南晴夏主演の『ママ、ごはんまだ?』(2017年)。歌手・一青窈の実姉である一青妙のエッセイ『私の箱子』、『ママ、ごはんまだ?』をもとにしたヒューマンドラマだ。

台湾人の父と日本人の母の間に生まれた姉妹が、亡き母が残したレシピから家族の絆をたどるストーリーの本作には、豚足の煮込みやチマキ、大根餅などおいしそうな台湾の家庭料理が多数登場する。また、母役の河合美智子が大きな包丁や寸胴鍋を使って料理をする姿も見どころとなっている。ほっこりと心温まる家庭料理の数々は、食欲だけでなく郷愁感も煽り、思わず「おふくろの味」が恋しくなるはずだ。

次に、川口春奈、林遣都の主演で、小林ユミヲによる同名コミックを実写映画化した『にがくてあまい』(2016年)。ドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)で田中圭演じる春田に恋心を抱く後輩役で話題となった林は、この作品ではオーガニック野菜を愛するゲイのイケメン美術教師・片山渚を演じている。

農家の娘なのに野菜嫌いで料理もできない、私生活もだらしないが仕事には全力投球のキャリアウーマン・江田マキ(川口)がひょんなことから渚との同居をスタート。そして、彼との生活と料理に癒されていく……というストーリーの本作には、ゴーヤの冷製茶碗蒸しや里いもとイチゴのアイスクリームなど、野菜をたっぷり使ったオーガニックメニューが登場する。料理レシピサイトとコラボするなど、「これぞ料理映画!」な楽しみ方を与えてくれた作品だ。

田舎に帰りたくなる!? 大自然と四季の料理が楽しめる作品

日本の四季折々の料理を楽しめるのが、 2014年から2015年にかけて公開された映画『リトル・フォレスト 夏・秋』、『リトル・フォレスト 冬・春』だ。都会の生活になじめず、居場所を見つけられなかった主人公のいち子(橋本愛)が、東北の集落に戻り自給自足の生活をすることで、自分自身と向き合っていく姿が描かれている。

その物語の中でキーとなっているのが、美しい東北の四季と各季節の旬の食べ物。ペースト状にしたくるみと米を炊いたくるみごはんや、赤米とほうれん草で赤と緑に着色したクリスマスケーキなど、見ているだけでヨダレが出そうなメニューが多数登場する。また、食べ物を口に入れた時の「シャクッ」「サクサク」といった音にも食欲がそそられること間違いなしだ。

原作にも登場するこれらのメニューを再現したのは、料理研究家・野村友里ら率いるフードディレクションチーム。素材を生かしつつもさまざまな工夫が凝らされ、丹念に作られた料理の数々を、ぜひ目で、耳で堪能してほしい。ちなみに同作は、韓国でもリメイクされ、『リトル・フォレスト 春夏秋冬』の名前で2019年夏に公開予定となっている。

どの作品もおいしそうな料理が次々と登場するため、見ているうちにお腹が空いてくる。また、作る過程が丁寧に描かれていることも今回紹介した作品の共通点だ。映画を観たあとに料理をし、作品と料理の両方について語り合うのも楽しみ方のひとつかもしれない。

(文/河村綾香)