10月12日(金)から公開される『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』は、世界的ロックスターの“声の争奪戦”を描いたハイテンション・ロック・コメディです。ロックバンド「グループ魂」で、“破壊”の名でボーカルとして活動する阿部サダヲが、主人公のシンを熱演しています。

シンは声帯ドーピングによって驚異の歌声を手に入れ、ライブでは「人類滅亡の歓び」という曲を熱唱するなど、強烈なキャラクターの持ち主。そのインスパイア元になったのは、世界的ロックスターのマリリン・マンソンだそうです。

マリリン・マンソンは破滅的かつ衝撃的な音楽やビジュアルイメージで、人気を集めています。その強烈なキャラクターはステージ上だけのことでなく、実生活でもさまざまな破天荒なエピソードで、世界中を騒がせてきました。

マリリン・マンソンは歩く破天荒エピソード製造機!

マリリン・マンソンといえば、1998年リリースのアルバム『メカニカル・アニマルズ』のジャケットでの女性的な姿の裸を覚えている人が少なくないでしょう。同アルバムは、ディスカウント百貨店チェーン・ターゲットの広報担当者が、自分たちの店は家族向けの店だということを理由に販売を拒否するとコメントし、他にもさまざまな小売店での販売を拒否されて話題となりました。

そんなビジュアルや言動が注目を集める彼は、映画界とも関係が深く、1997年にデヴィッド・リンチ監督作『ロスト・ハイウェイ』で俳優デビュー。その後も、『パーティ☆モンスター』(2003年)、『Wrong Cops』(2013年・日本未公開)などに出演しています。

昨年リリースした楽曲「KILL4ME」のミュージックビデオでは俳優のジョニー・デップをフィーチャー。デップと2人の美女が、ベッドで行為を想像させるシーンを展開する過激な内容に視聴年齢制限がかかりました。デップのバンド入りを示唆する発言もあって、この動画は大きな話題になっています。

マリリン・マンソンとジョニー・デップのディープな(?)親交は、Apple Music「Beats 1」で配信されているゼイン・ロウのラジオ番組でのインタビューでも語られました。それによると、ジョニー・デップと、彼も敬愛するならず者ジャーナリストして有名なハンター・S・トンプソンは、ハリウッドの観光スポット「ウォーク・オブ・フェイム」の路上に埋め込まれた、ジョニー・デップの“星”(※)に小便か大便をかけようと意気投合したことがあったとか。ただ、出かけたものの、実際には現地に行って断念したようです。

※…「ウォーク・オブ・フェイム」には、映画界や音楽界で功績を残した人物の名前が彫られた星が、2,000個以上埋め込まれている。

一方、日本人で親交が深いのがX JAPANのYOSHIKIです。今年4月にアメリカで行われた「コーチェラ・フェスティバル」では、X JAPANのステージにゲスト出演しています。ちなみに、本人はTwitterで、実は同フェスに出入り禁止になっていたことを明かしています。

(c)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』で主人公のシンを演じる阿部サダヲも、グループ魂のメンバーとして紅白歌合戦に出演した際には、タブーとされているスポンサー名を審査員に言わせるように誘導するなど、さまざまな破天荒なエピソードの持ち主です。

制作陣からは「奇抜で衝撃的な、今までに見た事のないメイク姿の阿部サダヲの姿にも要注目」というコメントがある通り、白塗りメイクと濃いアイシャドウと、その姿はマリリン・マンソンそのもの! 作中ではシンが黒い衣装を着込んで絶叫するように歌いますが、それも「mOBSCENE」、「This Is The New Shit」のライブやMVで見られるマリリン・マンソンの姿にそっくりです。

シン以外のキャラクターも、強烈なキャラクターをインスパイア!

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』では、主人公のシン以外にも、ロック界の伝説の人物をインスパイアしたキャラクターが登場します。

例えば、シンの事務所の社長は、演じた田中哲司が映画の公式ページのコメントで、伝説的なロックバンドとして知られるレッド・ツェッペリンの元マネージャー、ピーター・グラントをイメージしていると話しています。

ピーター・グラントといえば、レッド・ツェッペリンの乱痴気騒ぎやスキャンダルの噂を広めることで、神秘的で危険なロックスターとしてのイメージを見事に創出した人物。俳優として活動していた時期もあり、伝記『Peter Grant: The Man who Led Zeppelin』によると、TVドラマ「セイント天国野郎」では、端役ながら名優ロジャー・ムーアと共演しています。業界の裏の裏までを知り尽くし、大手のレコード会社やプロダクションを出し抜いてきたという“社長”のキャラクターには、彼のイメージが踏襲されているわけですね!

さらに、作中に登場する無料レコード社長(岩松了)は、大御所ミュージシャンのロッド・スチュワートをかつて目指していた元ボーカリストというキャラクターです。そのためビジュアルは、ロッドからインスパイアされていて、髪型はそのまんまです。

ロッド・スチュワートといえば、日本の音楽シーンに多大な影響を与えた人物。故・西城秀樹は「薔薇の鎖」リリース時に、彼のマイクパフォーマンスを取り入れるためにステージを観に行ったことがあると、公式サイトで明かしています。また、B'zの稲葉浩志はロッド・スチュアートの歌声に憧れ、お酒でうがいをして声質を近づけようとしたことがあると、2016年に出演した日本テレビ系「ZIP!」のインタビューで語っていました。

(c)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会


作中ではシンが掟やぶりの声帯ドーピングのやりすぎによって、喉が崩壊寸前になったことをきっかけに物語が動き出します。社長や謎の組織から追われることになったシン。このリミットが迫る“声の争奪戦”の結末には、どんな出来事が待ち構えているのか? マリリン・マンソンをインスパイアした、阿部サダヲの怪演とともに、その物語をぜひ映画館で見届けてください。

(文/Jun Fukunaga@H14)