秋の夜長、芸術に触れながら、食を楽しむ。“秋ならでは”をたっぷり楽しめるイベントが、「夜空と交差する森の映画祭」だ。同イベントは、年に一夜だけ森の中で開催されるオールナイトの野外映画フェス。複数の映画を夜通し同時上映し、さらに飲食ブースやテントサイト、トークショー、ワークショップなど様々なコンテンツが楽しめる。開催5回目となる今回は、サーキットとキャンプ場を併設した栃木県・ツインリンクもてぎにて開催される。

今年の長編映画のラインナップは、『ベイビー・ドライバー』(2017年)、『わたしはロランス』(2012年)、『秒速5センチメートル』(2007年)、『エターナル・サンシャイン』(2004年)、さらに手島実優主演・武井佑吏監督の初長編作品『赤色彗星倶楽部』(2017年)の上映も先日発表されたばかり。

年に一夜だけ、“森の中に現れる世界”の主人公になれる場所。今回は長編映画のラインナップから、『ベイビー・ドライバー』、『秒速5センチメートル』の2つが誘う、映画の楽しみ方をお伝えしよう。

音楽とシンクロしよう! この映画は君のもの 『ベイビー・ドライバー』

ヘッドフォンで音楽を聴く。テンポに合わせて街を歩けば、まるで世界は自分のもの。もしこの感覚が分かるなら、この映画は君のものだ。冒頭、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの楽曲「Bellbottoms」に合わせて、天才ドライバー、ベイビーが車で操りだす。映像と音のあまりに完璧なシンクロに君は思うだろう。

まるで音楽を“見ている”ようだと。それもそのはず、監督のエドガー・ライトは執筆前に使用楽曲をほぼ決め、楽曲に当て書きするように脚本を作ったのだから。ライト監督の音楽愛は楽曲にとどまらない。ミュージシャンが多数出演しているのも本作の見どころ。まさに見逃せない“音楽”が詰まった、フェスにぴったりの映画なのだ!

新海監督が圧倒的情景描写で描く初恋の記憶 『秒速5センチメートル』

初恋はいつだって美しく残酷だ。『秒速5センチメートル』は、初恋の記憶に囚われた男の人生を、少年期、青年期、そして社会人として働くそれぞれの時代で追い、3つの短編として描いた作品。少年期に築いた君と僕との距離。それがいつしか、記憶の中の君と現実の僕の距離にすり替わり、気がつけば虚像を追い求めることに。あの時の気温、匂い、声、体温……。

新海誠監督は、その圧倒的情景描写で見るものの五感を刺激し、私たち自身の記憶も呼び起こしていく。男の人生を通じて、私たちも囚われていた思い出に出会うことになる。本作の新海監督は、得意とするSF要素を省き、日常を丁寧に描写している。歳を重ねることで変化する心情を見事に捉えた。

短編映画上映、トークイベント、フードも

いくつもの映画がいくつもの物語を紡ぐ。私たちにもそれぞれの物語がある。

会場では様々な映画に会うことができる。YouTuberのシイナナルミ主演、数々のミュージックビデオを手かげてきたコヤマタイガ監督による「優しい彼氏」 など短編映画6作品を加えた、全ラインナップ計51作品をオールナイトで上映。アップリンクによるミニシアターをテーマとしたトークイベントや、7店舗によるフード出店でフェス飯も楽しめる。

秋の夜長。星空と明け方の空の間に、映画の森で主人公になってみては。

 

2018年10月6日(土) オールナイト開催 上映開始 18:30 / 上映終了 5:00

「夜空と交差する森の映画祭2018」

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