ソプラノ歌手、ミュージカル女優として活躍するサラ・ブライトマンが、新作アルバム「HYMN~永遠の讃歌」と自身のキャリアについて、9月26日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

 サラは、13歳のときにピカデリー・シアターのミュージカル「I and Albert」で舞台デビュー。その後、16歳でダンスグループ「パンズ・ピープル」に加入。1981年には、当時新作だったミュージカル「キャッツ」で、アンドリュー・ロイド=ウェバーに見いだされジェミマ役を射止め、1986年にはミュージカル「オペラ座の怪人」でクリスティーヌにオリジナル・キャストとして出演し、世界にその名を知らしめた。

 1990年以降は、ソロ歌手としての活動に専念するようになり、バルセロナ、北京と2度のオリンピックで公式テーマ曲を歌い、アンドレア・ボチェッリとデュエットした曲「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」は世界的ヒットを記録。日本では楽曲「クエスチョン・オブ・オナー」が、サッカー日本代表戦のテーマ曲として使用され、なじみ深い存在になっている。新作アルバム「HYMN~永遠の讃歌」は、音楽プロデューサー、フランク・ピーターソンと共に2年かけて制作。映画『REPO! レポ』以来となるX JAPANのYOSHIKIとのコラボレーションも話題になっている。

 2015年にロシアの宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)に行って宇宙ミッションを行う予定だったが、家族の都合でキャンセルとなったサラ。その後は、ボーカルコーチと共に、(歌の基本を)再び取り戻そうとしていたという。「そんなときプロデューサーから、『またレコーディングをすべき時が来た。どんな曲を作りたいんだ?』と聞かれたの。わたしは『多くの人と仕事がしたい。子供の頃、教会に通っていたときに感じた温かい気持ちや楽しい楽曲を作りたい、ダークな曲は作りたくないわ』と答えたわ」。それを受け、アルバムは聖歌隊のようなスケールの大きな楽曲から始まったが、(楽曲自体は)とても人間味のあるもので、なじみ深さとスケールの大きさを兼ね備えるものになったのだと作品への自信をのぞかせた。

 プロデューサーのフランクとは、長年タッグを組んでいるが、今作のアルバムのタイトルトラック(タイトルと同じ名称の収録曲)は、彼が1980年代に手掛けたミックステープのものだったそうだ。「彼を初めて知ったのはエニグマ(ヨーロッパの音楽プロジェクト)で、その後、彼から『君が気に入るかわからないけれど……』とカセットテープに録音した楽曲を送ってくれたの。聴いてみると、それがバークレイ・ジェームズ・ハーヴェストというバンドの楽曲『ヒム(Hymn)』(1977年にリリースされたアルバム『Gone To Earth』に収録されている曲)だったわ」。当時は、プロデューサーがこの曲をと考えてくれたことはクールだと思ったものの、そういった楽曲を歌える立ち位置ではないと感じていたが、今回この楽曲をやってみて完璧だったと明かした。

 「オペラ座の怪人」の30周年記念では、歌を披露したというサラ。「オペラ座の怪人」のスタッフやキャストとは今でも交流があるそうで、「最近は、めいを連れて観に行ったわ。若い世代の人たちの視点で手掛けられたミュージカルは、まるで美しい宝石みたいなもので、とてもほほえましく見えたわね。わたしがとても幸運だったのは、アンドリューのミューズ的な存在になれたこと。彼はわたしの声のタイプに合わせて(『オペラ座の怪人』の)楽曲を手掛けてくれたわ。今は、新たな女優がクリスティーヌ役に挑戦することを見るのがとても好きよ」と笑顔で語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)