2017年は映画だけで12本もの作品に出演するなど、近年は飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優・山田裕貴。2018年に入ってからも、毎クールの連続ドラマ出演に加え、乃木坂46の齋藤飛鳥がヒロインをつとめることでも話題の主演映画『あの頃、君を追いかけた』が公開中です。

数多くの作品に出演しながらも、徹底した役作りで毎回違った表情を見せる山田。一歩一歩、着実に“演技派”へのキャリアを重ねている彼の歩みを、今回は出演作と共に振り返ってみたいと思います。

(c)「あの頃、君を追いかけた」フィルムパートナーズ

端役でも存在感抜群!初期から現在までのキャリア

2010年に開催された、俳優集団D-BOYSスペシャルユニットのオーディションをきっかけに芸能界入りした山田。デビュー前からエキストラの経験や、下積みを重ねてきた彼は、2011年の「海賊戦隊ゴーカイジャー」(テレビ朝日系)のゴーカイブルー役で、本格的な俳優デビューを果たします。その後は映画やテレビドラマ、舞台、ネット配信のドラマなどに精力的に出演し、主役から脇役まで、役の大小に関わらず様々な役柄をこなしてきました。

EXILE AKIRAが主人公・鬼塚英吉に扮した2012年放送の「GTO」(関西テレビ・フジテレビ系)では、中川大志や白濱亜嵐、川口春奈、本田翼らが顔を揃える生徒の一員として出演。山田が演じた藤吉晃二役は、父親の失業で苦しい家計を支えるため、両親に代わり幼い弟たちの面倒を見ながら通学する……という印象深いキャラクターでした。

その翌年に放送されたドラマ「イタズラなKiss〜Love in TOKYO」(CS放送フジテレビTWO)では、ヒロイン・琴子のクラスメート・池沢金之助役で出演。琴子を一途に想い続ける熱い男で、涙もろくて人情派、しかもリーゼントというクセの強いキャラを好演し、脇役ながら強烈なインパクトを残したのです。

(c)「あの頃、君を追いかけた」フィルムパートナーズ

2015年には、ヤンキーアクション映画『ガチバン』シリーズのスピンオフ映画『闇金ドッグス』で主演の座を獲得。山田が演じた安藤忠臣は、『ガチバン ULTRA MAX』(2014年)で窪田正孝が扮した主人公のライバルとして初登場したキャラクター。若くしてヤクザの親分に上り詰めながらも、闇金の世界に身を投じていく壮絶な生き様を見事に体現し、本作を人気シリーズへと押し上げました。

同年からは『HiGH&LOW』シリーズにも参戦し、“SWORD地区”のチームの一つ、鬼邪高校の番長・村山良樹役に抜擢。岩田剛典、窪田正孝らが集結した他チームのヘッドに、勝るとも劣らない強烈なカリスマ性を発揮し、一気に知名度を上げます。

主演を張れる存在感と、脇役としても重宝される確かな演技力。近年ではそれらを活かして、是枝裕和監督の『万引き家族』(2018年)でもしっかり存在感をアピール。自らオーディションに志願し、幼い少女・ゆりを虐待するDV男役を演じ切りました。

(c)「あの頃、君を追いかけた」フィルムパートナーズ

坊主頭も披露!最新作に懸ける熱い思いとは?

そんな山田の主演最新作が、本国で社会現象を巻き起こすほどの大ヒットを記録した台湾映画のリメイク『あの頃、君を追いかけた』。大学受験を控えながらも、悪友たちとつるんで遊びまくる水島浩介を演じています。齋藤飛鳥が演じるのは、医者の娘で学校一の優等生、早瀬真愛。彼女が、問題児である浩介の“お目付け役”に指名されたことで、正反対だった2人の関係に変化が訪れます。

物語の核になるのは、浩介と真愛、そしてクラスの仲間たちが共に過ごす、キラキラしたかけがえのない“あの頃”。つまらないバカ話で笑ったり、言い合いになったり……そんな思春期特有の濃密な時間が、本作にも刻み込まれています。

その理由は、同級生役の中で一番の年長であり、俳優としての経験が誰より豊富な山田の熱い思いゆえ。彼は常に座長しての役割を意識し、撮影の待ち時間は、山田が率先して“仲間たち”とのコミュニケーションを図っていたそう。

また、天然パーマだった浩介が、罰として坊主頭になる姿も描かれますが、これは役作りのために、山田自身が言い出したこと。本作の公式サイトのメイキング映像では、共演の齋藤飛鳥や松本穂香らが、バリカンを手に山田の髪の毛を切っていく姿を見ることができます。こうしたことからも、彼が本作に懸ける意気込みがヒシヒシと伝わってきます。

(c)「あの頃、君を追いかけた」フィルムパートナーズ

端正な顔立ちと確かな演技力で、数々の話題作に起用されている山田裕貴。2019年度放送のNHK連続テレビ小説「なつぞら」で、広瀬すず演じるヒロインの幼なじみ・小畑雪次郎として出演が決定しています。朝ドラ出演でお茶の間の人気も得ながら、今後ますます活躍していく彼から目が離せません!

(文/スズキヒロシ・サンクレイオ翼)