若くして巨万の富を手にしたクリスチャンと、恋を知らない大学生のアナの愛を描いた『フィフティ・シェイズ』シリーズ。センセーショナルな官能描写も含め、大反響を呼んだ本シリーズの完結編『フィフティ・シェイズ・フリード』(10月5日公開)では、最高にロマンティックな結婚式シーンなどがすでにSNS等で話題になっています。“究極の結末”が描かれるという本作の公開を前に、これまでのクリスチャンとアナの“歪んだ愛”の変遷を辿ってみましょう。

世界中の女性を虜にした、めくるめく官能描写

50か国以上で翻訳され、世界累計1億部突破という、イギリスの女流作家E・L・ジェイムズによるベストセラー官能小説『フィフティ・シェイズ』シリーズ。その処女小説であり、初の映画作品となった第1作『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015年)が、2015年に公開されました。

シリーズ第1作『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015年)(c)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

ヒロインのアナ(ダコタ・ジョンソン)は読書が趣味のまじめな大学生。ある日、彼女は学生新聞のインタビューで、巨大企業の若手CEOとして有名なクリスチャン・グレイ(ジェイミー・ドーナン)と出会います。

洗練されたクリスチャンに魅せられるアナと、アナの純粋さに惹かれていくクリスチャン。クリスチャンはアナを豪華なペントハウスに招待し、奇妙な“契約書”を突き付けます。そこには、2人が関係を結ぶ上で、アナが守らなければならないルールが事細かに書き記されていました。思いがけない展開に戸惑う彼女でしたが、初めての恋心と欲望への探求心を抑えられず、しだいにクリスチャンの歪んだ愛を受け入れていくのです。

“純粋な女子大生と大富豪の恋”というハーレクイン・ロマンスの王道ともいうべき設定。また、これまでの恋愛映画にはない、刺激的なSMプレイや、“超俺様男”のクリスチャンが抱えるサディズム(加虐性愛)への赤裸々な言及も女性ファンの琴線に触れた要因と言えます。

めくるめく官能描写とヒロインが純愛を求める姿が絶妙なバランスで両立しているところが、このシリーズの大きな特徴であり、魅力なのです。

完結編で回収される伏線も!グレイの衝撃の過去

世界中で話題を呼び、大ヒットを記録した1作目に続き、2年後に公開されたのが『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(2017年)です。2作目に対するファンの期待の大きさは凄まじく、予告編がネット上で公開されるやいなや、初登場24時間以内で1億1400万回という驚異的な再生回数を記録します。

シリーズ第2作『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(2017年)(c)2016 Universal Studios. All Rights Reserved.

過激さを増すクリスチャンの愛をすべて受け入れきれなかったアナは、彼の元を去ることに。そんな彼女も大学を卒業し、出版社に就職して新生活をスタートさせます。一方のクリスチャンはアナに対して、これまでの女性に感じられなかった“愛情”を持っていたことに気付き、アナに普通の関係からやり直してほしいとアプローチ。アナは彼の気持ちに応え、晴れて復縁することになるのです。

しかし、2人の前にクリスチャンのかつてのパートナー・レイラが現れ、アナの心をざわつかせます。さらに、アナに関係を迫る上司・ジャック(エリック・ジョンソン)の出現にクリスチャンは激怒。なんとクリスチャンはアナが務める出版社を買収し、あっという間にジャックを会社から追い出します。

この2作目では、謎に包まれていたクリスチャンの過去も明らかになります。少年時代にある女性からSMの世界に導かれたことや、母親に対するコンプレックスなど、クリスチャンの歪んだ愛の根源は実に衝撃的なものでした。

誰もがうらやむ結婚生活のはずが…

3部作の完結編となるのが、10月5日公開の『フィフティ・シェイズ・フリード』です。北米を含む一部地域では2018年のバレンタインデーに合わせて既に公開されており、世界54の地域で初登場1位を記録。そして全世界で3作の累計興収は13億1900 万ドルにおよぶ大記録を打ち立てました。

『フィフティ・シェイズ・フリード』(c)2017 UNIVERSAL STUDIOS

本作でアナとクリスチャンはついに結婚。遂に愛を実らせた2人が、夫婦としての新生活をスタートさせるところから物語は始まります。新婚生活は誰もがうらやむ、ゴージャスで幸せな時間……のはずだったのですが、元上司だったジャックがアナを取られたことと、会社をクビにされたことを猛烈に逆恨み。クリスチャンに対して、怒りと嫉妬をたぎらせてあの手この手で幸せな新婚生活を壊そうと企みます。

『フィフティ・シェイズ・フリード』(c)2017 UNIVERSAL STUDIOS

実は、この『フィフティ・シェイズ・フリード』は、2作目の『フィフティ・シェイズ・ダーカー』と同時期に撮影されています。前作にも登場したジャックと、幼少期のクリスチャンとの意外なつながりも明らかにされるなど、“完結編”に相応しい内容となっています。

原作者のE・L・ジェイムズは、この完結編について「この映画を作ったのはファンのため。私にとってファンをハッピーにすることがすべてだった」(公式プレス資料より)とコメントしています。

クリスチャンについても「過去を解放し未来を受け入れることができるようになる。彼は自由になり、愛する女性が自分の子どもといる姿を見ることが、彼にとって最高の癒しとなる」と言及していますが、シリーズを通して変化してきた“歪んだ愛”がポイントになっているようです。

『フィフティ・シェイズ・フリード』(c)2017 UNIVERSAL STUDIOS

完結編では1作目では幼さの残る大学生だったアナが、“グレイ夫人”としての風格を身に着けた姿も必見。クリスチャンとのパーフェクトすぎる贅沢な新婚生活を切り取った映像はまさに眼福の極みです。そんな2人の優雅な生活に忍び寄る、苦難の数々……。3部作を通じて、幾多の困難を乗り越えたクリスチャンとアナがラストシーンでたどり着く“究極の結末”を、ぜひスクリーンで確認してください!

(文/スズキヒロシ・サンクレイオ翼)