第23回釜山国際映画祭で5日、是枝裕和監督や西川美和監督の助手を務めた広瀬奈々子の監督デビュー作『夜明け』が「New Currents」部門で上映され、主演の柳楽優弥、鈴木常吉、広瀬監督、撮影監督の高野大樹が、上映後に行われたQ&Aイベントに登壇した。

 広瀬監督がオリジナル脚本により過去の経験から逃れようともがく青年と初老を描いた本作。この日が人生初の舞台あいさつだという広瀬監督は、是枝監督から受けた影響について聞かれると「多くの人の意見を取り入れて、自分を客観的にみることでよりよい作品を作り上げる『もらっちゃう精神』というような部分は、積極的に引き継ぎたい」とのこと。監督助手というポジションで脚本から編集まで携わって学んだ、是枝監督の作品に対する姿勢に影響を受けたことを明かした。

 主演を務めた柳楽は「韓国の映画はとても好きでよく観ているので、釜山国際映画祭に参加できてとてもうれしい」と喜びをあらわにし、「映画で演じた役柄は表面的には淡々としていると思いますが、心の中にはいろいろな感情が生まれては消えて、また現れるような部分があると思います。実際の僕は初めての人ともすぐに親しくなる方ですが、僕が19歳や二十歳くらいの時に感じていたようなものはあります」と実際の自分と、キャラクターを比較しながら作品をアピールした。(取材・文:芳井塔子)

映画『夜明け』は2019年1月18日より新宿ピカデリーほか全国公開