俳優の佐藤健が19日、都内で行われた映画『億男』初日舞台あいさつに出席した。劇中で冴えない主人公を演じた佐藤は、現場でも疲労感いっぱいで役の色に染まっていたというが、それでも共演者からは「色男」と立ち居振る舞いを絶賛する言葉が相次いだ。この日は佐藤のほか、高橋一生、黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也、大友啓史監督が登壇した。

 本作は、多額の借金を抱えていた一男(佐藤)が突然宝くじで3億円を手に入れ、さまざまな億万長者たちと出会うなかで真の幸せを探し求めていく物語。佐藤は兄の借金を肩代わりしたことでお金に追われる生活を強いられている図書館司書の一男を演じた。佐藤は役柄のために芝居をするのではなく、生活しているところを切り取ってもらいたいという思いから、リアリティーを追求して演技に臨んだとのこと。

 そのため、佐藤と夫婦を演じた黒木は、佐藤と会うときは必ず「今日も格好いいですね」と声を掛けることを決めていたそうだが、佐藤の顔にあまりに疲れがにじみ出ていて、肌つやも悪かったため「大丈夫かな」と心配になったこともあったと明かした。

 そんな佐藤だが、タイトルにちなんで「佐藤は“何男”か?」をテーマにトークを展開すると、高橋、黒木、北村がそろって「色男」と共演者からは称賛の声があがる。高橋は「格好いいのはもちろんですが、いろいろな色を持つ男なので」と理由を説明すると、黒木は「ふとしたときに目を細める仕草や佇まいが色っぽい」と絶賛。さらに北村は「今も普通に格好いいじゃないですか」と客席に同意を求めると「でも、裏に行くともっと格好いいんですよ」と内面的な魅力を強調していた。

 また、池田と沢尻は、佐藤の細やかな心配りが優れていると回答。現場では、どんなに疲れていても周囲に気を使い、優しく声を掛けている姿に感激したという。『るろうに剣心』シリーズなどで佐藤とタッグを組んでいる大友監督は「蒼男」と独特な言い回しで「静かな佇まいのなかに、蒼白い炎が見える。炎は赤いより蒼いほうが温度が高いんですよ」と内に秘める熱いものを持っていると評価していた。

 さまざまな表現で魅力を伝えられて「照れちゃいますね」と笑みを浮かべた佐藤。作品を鑑賞したファンに向かって「僕らがこうやって映画が作れるのは、劇場に足を運んでくれるみなさんがいるからです。これからももっと喜んでいただけるような映画を作りたいと思っているので、一緒に日本映画界を盛り上げていきましょう!」と客席に呼びかけていた。(磯部正和)