9月に幕を閉じた連続テレビ小説「半分、青い」(NHK)では、ゲイの青年・ボクテ役を演じた俳優・志尊淳。2018年のドラマ「女子的生活」(NHK)でトランスジェンダーの小川みき役を演じたかと思えば、同年の「ドルメンX」(日本テレビ系)では地球でアイドル活動をするイケメン宇宙人役を演じるなど、幅広い役柄になり切る高い演技力が評価されている。表情豊かな演技から、「カメレオン俳優」と称される志尊の魅力に迫ってみよう。

同世代の人気俳優からベテラン女優までとりこにする愛されキャラ

以前はあどけなさの残るビジュアルも相まって、「かわいい若手イケメン」というイメージで語られることが多かった志尊。そのため、バラエティに出演した際も、かわいらしい側面にスポットライトが当てられることが多かった。

例えば、2017年3月14日に出演した情報バラエティ「PON!」(日本テレビ系)では、朝食の前にエクレアとシュークリームを食べるのが定番で、ドーナツやチョコマシュマロトーストを手作りするほどのスイーツ好きであることが紹介された。

見た目だけでなく、撮影現場でも愛されキャラとして共演者から定評がある志尊。同世代の人気俳優が集結した『帝一の國』(2017年)の初日舞台挨拶では、主演の菅田将暉が「みんな志尊に甘えていて、野村(周平)、間宮(祥太朗)を筆頭に、俺の女感を出していた」と語るなど、そうそうたる顔ぶれのイケメン共演者たちをとりこにしていたようだ。また、『探偵はBARにいる3』(2017年)の初日舞台挨拶では、大泉洋が「かわいい! 大ファンになっちゃった」と志尊愛を告白しており、年上からの人気も高い。

志尊に夢中なのは男性共演者だけではない。10月6日に放送されたスペシャルドラマ「それでも恋する」(CBC・TBS系)では、和久井映見、西田尚美、木村多江をほんろうする青年役を志尊が演じたが、本番以外でも3人のベテラン女優は志尊にメロメロだったそう。

同ドラマの製作共演会見で「常に私たち3人がキャーキャーして、志尊くんが“引く”、というのを繰り返していました」と木村は裏話を明かした。この志尊のモテっぷりは学生時代から始まっていたようで、『覆面系ノイズ』(2017年)の公開直前イベントでは、「学生時代にもらった最大のバレンタインチョコの数は?」という質問に「友チョコも含めて40個」と答えて会場を沸かせていた。

総合格闘技の経験を活かしてアクションシーンも生身で挑む本格派

物腰も柔らかいことから、どちらかというと頼りないイメージもある志尊だが、演技に対する情熱は人一倍で、近年は熱い役者魂とともにアクションシーンにも注目が集まっている。

連続ドラマ初主演となった2014年の「烈車戦隊トッキュウジャー」(テレビ朝日)のころから、志尊はアクションシーンのキレ味に定評があり、身体能力の高さは年々パワーアップしている。前述の『探偵はBARにいる3』では裏社会に生きる用心棒というヒール役を演じているが、松田龍平との派手な一騎打ちのシーンでは自らの希望でスタントを使わず、生身で撮影に挑んだ。そこには、好きが高じて始めた総合格闘技の経験が活かされており、シャープな体型からは想像もつかない力強さも秘めている。

今年11月3日からは、主演映画『走れ!T校バスケット部』が公開される。実話を元にした本作では、バスケの強豪高から連戦連敗の雑草バスケチームに転入して、チームを立て直すエースを演じている。そのため志尊はクランクインの前に、バスケ元日本代表の半田圭史から約3か月間の猛特訓を受けて撮影に挑んだという。

どんな役柄にも体当たりで挑みながら、巧みに硬軟を使い分ける志尊の“カメレオン”ともいえる演技の幅は、きっとこの映画でも楽しめることだろう。

(文/猪口貴裕)