柔らかな雰囲気のぬくもり系男子、通称“ヌクメン”の代表格として人気を博してきた俳優・千葉雄大。しかし最近はそのイメージから一転して、今夏ドラマ「高嶺の花」(日本テレビ系)で見せた、人妻をベッドに押し倒したり、強引にキスを奪ったりするセクシーでワイルドな役柄など、さまざまなキャラクターを演じることが増えている。俳優として新たな一面を見せつつある千葉の演技力と素顔に焦点を当ててみよう。

毒舌連発“ののしり王子”にも!どんな役柄・年齢でも違和感ナシ!?

10月スタートの秋ドラマ「プリティが多すぎる」(日本テレビ系)では、「かわいいなんてバカバカしい」と思いながらも、ある日突然原宿系ファッション誌に異動を命じられる文芸編集部のエース役を演じる千葉。その一方で、10月12日公開の『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』では、「グチャグチャドロドロになって振り回される役回り」と本人自らが語るように、弱くて情けない一面を見せるレコード会社社員役を演じる。

これまではその甘いルックスからかわいさが目立つ役柄を演じることが多かったが、最近は多種多様な役柄を演じ分け好評を得ている。

たとえば2017年公開の『兄に愛されすぎて困ってます』では、女性に対して「太ったね」「ていうか全体的に老けた?」と毒舌を繰り出すセレブ系研修医として“ののしり王子”な姿を見せたかと思うと、同年の連続テレビ小説「わろてんか」(NHK)では、上品な京ことばを話す心優しい兄の顔を見せた。

さらにこの年は、『暗黒女子』で女子生徒と恋に落ちる教師役、『帝一の國』では頭脳派の高校生役と、同時期に先生と生徒の役に挑戦。また、『ReLIFE リライフ』では、一つの作品の中で「高校生」と「27歳ニート」の2役を見事演じ、反響を呼んだ。

全く異なるキャラクターを同時期に違和感なく演じ分ける高い演技力に加え、実年齢とギャップのあるあどけないルックスを併せ持つ千葉は、「ヌクメンの千葉くん」から、幅広い役柄・年齢を自然に演じることができる稀有な役者へとそのイメージを変えた。

“ヌクメン”はウソ!?意外な一面が続々と

ヌクメンのイメージに収まらず、さまざまな役柄をこなし魅力を発揮している千葉。しかし千葉の周囲にいる人間からすれば、その実力派俳優としての多彩さは、かわいい役柄を中心に演じていた時期から見られたようだ。

たとえば、同年に千葉が出演した『アオハライド』のメガホンを取った三木孝浩監督は、2014年10月27日放送の「スッキリ!」(日本テレビ系)で「少女漫画から出てきたイケメンキャラクターってところはあるんですけど、人間の抱えている裏の部分を感じる表現ができている俳優」と千葉のセンスを高く評価していた。

また、同作で共演した東出昌大は「毒舌キャラだしツッコミキャラだし、意地の悪いことも言うし、ツンデレキャラ」「普段見せている温もりは見せかけ」と、ヌクメンのイメージからはおよそかけ離れた千葉のさまざまな素顔を明かした。このように、彼自身の中にさまざまな顔を持っているからこそ、多様な役柄を器用に演じ分けられるのかもしれない。

かつて雑誌のインタビューで若く見られるのはいいが、型にハメられたくないと語った千葉。いつまでもかわいらしいキャラとして扱われることに悩みを抱いた時期もあったそうだが、「高嶺の花」で見せたワイルドな演技は、大人の男としての魅力を十分に発揮していた。今後も千葉がどんな作品に挑戦し、役の幅を広げていくのか楽しみだ。

(文/河村綾香)