福士蒼汰が主演を務めた映画『旅猫リポート』が10月26日に公開され、興行通信社が発表した週末の全国映画動員ランキングで2位につけるなど好スタートを切った。同作は有川浩の人気小説がもとになっているが、原作ファンからも「泣ける」「感動した」と納得の声が相次いでいる。

 『旅猫リポート』の原作は、これまで「図書館戦争」シリーズなど映像化作品も多い有川が手掛けた同名小説。とある事情で愛猫・ナナを手放さざるを得なくなった青年・悟が新しい飼い主を探すべく、これまでの人生で出会った大切な人たちを訪ねていく感動の物語が展開していく。

 小説は2012年に単行本が刊行され、吉川英治文学新人賞、山本周五郎賞、山田風太郎賞などに候補入りを果たす。それ以降も、2013年には有川と阿部丈二によるユニット・スカイロケットの旗揚げ公演舞台、2014年には画家・村上勉が絵を担当した絵本、そして舞台版と同一キャストによるラジオドラマも製作されるなど、さまざまなかたちで愛される人気作品となっていた。

 そんな満を持しての実写映画化では、主人公の悟を福士が演じている。今年は『曇天に笑う』『BLEACH』といった主演作ではアクション映画への出演が続いていたが、『旅猫リポート』では心根の優しい青年にふんした。そして、悟とともに旅をする愛猫のナナは人語を解する設定だが、映画では高畑充希が“主演猫”に声を吹き込んだ。

 多くの読者に愛された小説とあり、公開されるとさっそく原作ファンも続々と足を運んだ様子。SNSでは、原作で号泣した読者が映画を観て再び涙を流したという感想がたくさん寄せられていた。また、もう一度原作を読み返したというコメントや、映画を観た後で小説にも手を伸ばしたとの声もあり、有川作品にも再び熱い視線が集まっている。

 同作には有川自身も脚本に参加しており、作品内容が忠実なかたちで構成されていることも高評価の要因になっているようだ。映画化決定の際には、有川は「こちらからお願いしたのは、とにかく猫さまの都合を第一に! ということ。猫のしたくないことはいっさいさせない。必要であれば脚本はいくらでも書き換えます、と」とコメントするなど、強い思い入れが伝わってくる。

 そんな有川の小説はといえば、映画やドラマ化されてきた作品も多く、原作とともに注目を浴びてきた印象がある。2007年度の本屋大賞で5位にランクインした「図書館戦争」は、テレビアニメを皮切りに、アニメ映画と実写映画化がなされた。実写シリーズでは岡田准一と榮倉奈々が主人公を演じ、田中圭らとともに福士も手塚光役で出演していた。

 ほかにもテレビドラマでは、二宮和也が主演を務め、スペシャルドラマも放送された「フリーター、家を買う。」、新垣結衣の「空飛ぶ広報室」、「三匹のおっさん」シリーズ、「キャロリング~クリスマスの奇跡~」などがある。映画では、『阪急電車 片道15分の奇跡』『県庁おもてなし課』『レインツリーの国』『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』と話題作が揃う。

 ファンの間では、新たな映像化を待望したり、実写化キャストを予想してみたりとさまざまな声がある有川作品。好発進の結果を聞いて、『旅猫リポート』のロングランヒットを願う声が続々と寄せられている。(編集部・大内啓輔)