公開中の映画『億男』で、高橋一生、藤原竜也、北村一輝らがそれぞれ振り切った熱演を見せている。なかでも北村は、ビジュアルからキャラクターを作り込み、まるで別人になってしまったかのような姿が大きな反響を呼んでいる。

 宝くじで3億円を当てた男が、真の幸せを探し求める姿を描く本作。佐藤健がある日突然宝くじで3億円を手にした主人公の一男役、その親友・九十九役を高橋が務める。北村は、一男が出会う億万長者の百瀬として登場。百瀬は3つの会社を経営する大金持ちで、競馬場のVIP室で大金を転がすような豪勢さだ。

 北村はこの役を担うにあたって、普段のクールかつダンディーな印象とは打って変わった姿に変身。無造作ヘアにもしゃもしゃのヒゲ、黒縁メガネ、極めつけはパワフルな体型で百瀬になり切った。映画公式サイトのプロダクションノートによれば、カツラと付けヒゲ、お腹や口への詰め物をしてこのビジュアルを作り上げたのだという。

 これまた通常の北村のものとはちょっと違った、誰もが一度聞いたら忘れられないような声と関西弁も加わり、ひょっとすると観客はこれが北村と気づかないのでは? と思えるほどだ。実際、映画を観た人からはSNS上に「あれ北村一輝だったの!」「キャラが意外過ぎた」「最初はわらなかった」と驚きの声が上がっている。

 本作にはほかにも、一男の3億円を持って失踪してしまう九十九(高橋)、「夢実現セミナー」を主宰したり「ミリオネアニューワールド」の教祖を務めたりしている千住(藤原)、若くして10億円を手に入れるも現在は質素な身なりの専業主婦という怪しい美人・十和子(沢尻エリカ)といったクセ者たちが続々と現れる。9月に行われた同作の完成披露試写会の際に、佐藤も「ビックリしたんですけど、怪演をされている人が多い。普通は1本の映画に1人なんですよ。みんな(怪演を)しちゃってるから」とコメントしており、その異色ぶりは確かだ。

 原作は『世界から猫が消えたなら』の原作者でプロデューサーとしても活動している川村元気の著書。『ハゲタカ』シリーズなどの大友啓史監督が映画化した。「お金」や「幸せ」「友情」などの人間にとって普遍的なテーマを軸に据えながら、それに翻弄される登場人物たちを鮮やかに映し出していく。(編集部・小山美咲)