人気アニメ「ドラゴンボール」の劇場版最新作『ドラゴンボール超 ブロリー』が、12月14日より公開となる。シリーズ20作目となる同作は、3月に最終話を迎えたテレビ版アニメ「ドラゴンボール超」の後日譚として、主人公・悟空たちの活躍を描く。

先に日本武道館で行われたワールドプレミア上映会は入場規制が行われるほどの大盛況で、その注目度の高さが伺える。中でもファンの間で大きな話題となっているのが、“伝説の超サイヤ人”と称される「ブロリー」が復活したことだ。

海外にも多くのファンを持つアニメ映画オリジナルキャラ

(C)バードスタジオ/集英社 (C)「2018ドラゴンボール超」製作委員会

本作のテーマは“宇宙最強の戦闘民族・サイヤ人”。地球育ちのサイヤ人・悟空、サイヤ人の王子・ベジータ、そして謎のサイヤ人・ブロリーという、それぞれ数奇な運命をたどって来た3人のサイヤ人が登場することから、ファンの間ではサイヤ人という種族を巡るストーリーが展開されるのではないかと予想されている。

前作『ドラゴンボールZ 復活の「F」』(2015年)の公開時は、“宇宙の帝王”と恐れられたサイヤ人の宿敵・フリーザが復活したことで、次回作は人造人間セルや魔人ブウなど漫画原作でもおなじみの強敵が登場するのではと予想されていた。

ところがアニメ映画オリジナルキャラであるブロリーが、実に24年ぶりの復活で、往年のファンは大いに盛り上がっている。ファンの間では「『ドラゴンボール』の中で一番印象に残る敵キャラ」としてもたびたび紹介され、日本のみならず海外にもブロリーファンは多くいる。

ブロリーがスクリーンに初登場したのは、シリーズ11作目の『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』(1993年)だ。

ブロリーは、平常時は穏やかな雰囲気の気の弱そうな青年だが、実は生まれつき桁外れの戦闘能力を備えており、宇宙を破壊し尽してしまうほどの力を持っていることから、父・パラガスによってコントロール装置で力を制御させられていた。

しかし、力を解き放つと、顔つきは鋭く変化。肉体も筋肉の塊と化し、凄まじい気を放っては破壊と殺りくにひた走る。さすがの悟空も、悟飯・ベジータなど仲間の力を借りなければ赤子同然で、実力は足元にも及ばなかった。

絶対的な強さを持ち、子どもにも手加減をしない冷酷無比な性格

「ドラゴンボール」の敵キャラといえば、魔人ブウにしてもフリーザにしてもユーモラスな佇まいでありながら、とてつもなく強いというギャップを持っていたが、戦闘時のブロリーは筋骨隆々で正統派の強敵といったビジュアル。

しかも冷酷無比で、2度目の登場となったシリーズ13作目『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』(1994年)では、悟天やトランクスといった子どもにも手加減なしで襲いかかり、子どもファンを震え上がらせた。「ドラゴンボールZ」のシリーズ構成・脚本を担当した脚本家の小山高生も、劇場版DVDBOX付録のブックレットにて「ブロリーは最強」「正攻法では絶対に勝てない相手」と語っている。

ブロリー登場後、作品内には続々と新しいキャラが登場する。『ドラゴンボールZ 神と神』(2013年)に登場する破壊神ビルスなども、強さだけで見ればブロリーをはるかにしのぐ実力の持ち主だ。しかし、小山氏はビルスとブロリーを比較して、「スクリーンから受けるキャラクターの印象は、ブロリーの方が断然怖かった」と語っている。

その圧倒的な強さのインパクトもさることながら、ブロリーが他の敵キャラと大きく違うのは「仲間が一人もいないこと」である。

ビルスやフリーザですら師匠や部下がいるのに対して、ブロリーは文字通りの一匹狼だ。父・パラガスに対しても親子愛は一切持ち合わせない。その孤高な姿もファンの心を惹きつけるのかもしれない。

『ドラゴンボール超 ブロリー』に登場するブロリーは、ファイナル予告編で「おめえは悪い奴じゃない。オラには分かるんだ」という悟空のセリフがあることから、過去作よりも内面を垣間見せる可能性も考えられる。シリーズ最強の敵が、悟空やベジータ、フリーザらとどのような戦いを繰り広げるのか、ファンならずとも期待感は募るばかりだ。

(文/猪口貴裕)