第10回TAMA映画賞にて、本年度最も活躍した新人男優に贈られる最優秀新進男優賞に輝いた俳優・吉沢亮。同賞において「多彩な表情で心の奥に闇を抱えた役から相手を包み込む優しさをもつ役まで幅広く演じ、その奥深い眼差しは観る者を虜にした」と高く評された吉沢は、11月17日の授賞式で役者人生初となる映画賞を笑顔で受賞した。

今年2018年には8本の映画に出演した超売れっ子の吉沢だが、俳優としての華やかな姿に対して、私生活は意外にも“ネクラ”であると本人は語っている。

映画にドラマに、引っ張りだこの2018年

まるで少女漫画から抜け出してきたかのような白皙(はくせき)の美青年である吉沢は、漫画や小説を原作とした実写化作品が流行の現代において、二次元のキャラクターも難なくこなす稀有な俳優。

今年は、『リバーズ・エッジ』『レオン』『ママレード・ボーイ』『BLEACH』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『あのコの、トリコ。』と漫画を原作とした実写化映画6作、『猫は抱くもの』『悪と仮面のルール』と小説を原作とした実写化映画2作に出演。再現度の高い二次元キャラクターの数々に扮したことで、ネット上には吉沢を“キングオブ・実写化俳優”と呼ぶ声も上がった。

吉沢の武器はその端正なルックスだけではない。今夏には、ヒロインの相手役を演じたドラマ「サバイバル・ウェディング」(日本テレビ系)と、主演ドラマ「GIVER 復讐の贈与者」(テレビ東京系)に掛け持ち出演し、前者では“爽やか系イケメン”の営業マン、後者では“感情が欠落した復讐代行人”のダークヒーローを熱演。同時期に真逆の役柄を演じ分ける器用さを見せた。

驚異のモテ過去を持つも、素顔は地味でインドア派!?

吉沢が学生時代に驚異のモテっぷりを発揮したことは、ファンの間では有名な話である。過去のdmenu映画のインタビュー(2016年9月5日掲載)でも、「同じ学年の1/3の女子には告白されましたし、後輩にもモテました」と自他ともにも認める“モテキ”を送った中学生時代を振り返っている。

しかし、そんなモテぶりとは裏腹に、吉沢は自らを“基本的にネクラ”と称しており、人と一緒にいるのがあまり好きではないという。

9月13日に行われた『あのコの、トリコ。』の完成披露試写会では、自身が演じた地味で冴えない男子高生・鈴木頼役について「(演じていて)楽しい。むしろキラキラしている方が僕は難しい。僕の中にキラキラ要素がないので……キラキラというかプライベートもすごい地味」とシンパシーを抱いたことを告白した。

また、『猫は抱くもの』におけるdmenu映画のインタビュー(2018年6月22日掲載)でも「ずっと家にいます。DVDを観たり、ゲームをしたり、漫画を読んだり、ひとりで出来ることをしています」とプライベートは“完全インドア派”の素顔を覗かせている。

華やかな活躍とは逆に、内向的な性格の吉沢。しかし、このギャップこそが、吉沢最大の武器ともいえそうだ。

『ママレード・ボーイ』では誰にも言えない秘密を抱えた学園の人気者・松浦遊役を好演。『リバーズ・エッジ』では執拗なイジメに遭い、河原の死体を心の拠り所に生きる山田一郎という複雑な役を見事に演じた。いずれも、憂いを帯びた眼差しを持つ孤高の人、執拗ないじめに遭い孤独を募らせるセクシュアル・マイノリティーなど、自分の内面世界に深く潜り込んでいる役どころだ。“ネクラ”な素顔を持つ吉沢だからこそ、魅力たっぷりに表現できた気がしてならない。

2019年には、『キングダム』(4月19日公開予定)、連続テレビ小説「なつぞら」(NHK)、フジテレビ開局60周年特別企画ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」などへすでに出演予定の吉沢。私生活と外見とのギャップを生かし、2019年もさらなる活躍が期待できそうだ。

(文/ナカニシハナ)