自分の外見が大嫌いでコンプレックスまみれのヒロインが、ある日突然自分を美女だと思い込んだことをきっかけに、超絶ポジティブな人間に変ぼうする姿を描いたラブコメディー『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』。ヒロイン・レネーの日本語吹き替えキャストを務めた渡辺直美が、恋や仕事にまつわる女子の本音を赤裸々に語った。

英語吹き替えの難しさ

Q:吹き替えの主演は初挑戦とのことですが、苦労したことはありましたか?

英語のブラックジョークって、日本語に直訳するとなかなか難しくて。ニュアンスだけを話していても、ただの意地悪な感じにしか聞こえないから、その辺の表現は難しかったです。それから主人公がハジケているコメディー部分は演じやすかったんですが、逆に真面目なトーンで、静かに話している時の表現は難しかったです。

Q:英語と日本語のニュアンスの違いってありますよね?

英語ではかなり強烈なことを言っていても、感情としてはすごく落ち込んでいたりするから、強めに言うと逆ギレっぽくなって意味が伝わらないので、弱々しく話すように工夫しました。たとえば、アフレコ収録中のヘッドホンから聞こえてくるオリジナルのセリフは強めだけど、日本語は抑えめに話すみたいに。

Q:吹き替えで心掛けたことは?

オリジナルの話し方をただ真似するだけではなく、その瞬間のレネーの気持ちを優先して考えて吹き替えをするようにしていました。英語だとこういう言い方になるけど、これをこのまま日本語で同じトーンにして話したらちょっと違う感情で聞こえちゃうなと。でも、彼女の気持ちを考えて、日本語で話すならこんな話し方になるんじゃないかと考えながら話しました。

Q:ヒロインを演じたエイミー・シューマーはアメリカでも有名なコメディエンヌですが、彼女の印象はいかがでしたか?

エイミーの演技力が高いんです。しかも「見た目じゃなくって、中身が魅力的であればそれが一番なのよ!」ってすごく自信を持っているんです。だからエイミーが演じるレネーの魅力が、映画の中では爆発しっぱなしです。だから自分も彼女と同じように爆発しっぱなしで行けるかっていう不安があったんですが、なんとか乗り越えられたのでホッとしています。

演技するのって恥ずかしい!

Q:渡辺さんもコメディエンヌとして活躍する一方、女優としてもドラマや映画などでご活躍されていますよね。

もう本当にダメですね! 私、演技がかなり下手なので。自分に近い役柄を演じている時はまだいいんですけど、すごく大人しい役柄を演じている時とか、かなり恥ずかしいです。自分と違う性格の人を演じると、照れが出ちゃって本当にダメです。

Q:照れがあるって、すごく意外です。

芸人さん同士でのコントならまだ、楽しいからいいですけど、たとえばドラマとか映画って本読みという、出演している俳優さんたちが集まって台本を読むだけの作業があるんです。そういう時の第一声はだいぶ小さいです。もうすごく恥ずかしい(笑)。でもそれはコメディーじゃないから恥ずかしいのかもしれない。この映画みたいなラブコメディーだったら、また違うかもしれないです。

Q:コメディー部分はやはり演じやすかったですか?

演じたエイミーがどんな風にそのシーンで笑いを作っていって、オチまで持っていくかっていうのは、お笑いをやっているのですごく分かりました。日本語と英語だともちろんニュアンスは違いますが、でもなるべく彼女がやりたいことを汲んでやれた気がしました。アメリカってこういうラブコメディーがすごく多いじゃないですか。私はラブコメディーがすごく好きなんですが、日本では数が少ないから、チャンスがいただけたら挑戦してみたいです!

リアルな恋愛事情

Q:お気に入りのシーンはありましたか?

出会い系アプリに、女友達3人と登録しているエピソードとかがツボでした。あの女友達が全員めっちゃ性格いいんです。せっかくグループフォトを気合い入れて撮ったのに、いいね! が一つももらえなかった時の反応がすごくかわいくて、声を出して笑っちゃいました。

Q:必死に恋活するヒロインたちの姿は、多くの現代の女性たちが共感できると思います。渡辺さんもシンパシーを感じましたか?

すごく感じました。実は私も出会い系のアプリを使っているんです! 渡辺直美、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属で。

Q:本名で!?

本名だし、写真も載せています(笑)。だって女だし、ヒロインと一緒で恋とかしたいじゃないですか! でも、全部の下心を隠して、「ゲーム仲間探してまーす」ってプロフィールに載せていますけど。気まずいことに、六本木とか、新宿あたりで開くと知り合いのスタッフさんばっかり出てきて(笑)。そんな時は焦って、すぐに閉じます!

Q:渡辺さんも恋に悩んだりしているんですね。

当たり前じゃないですか(笑)! 他の女の子よりも、人一倍頑張らないと出会いがないですもん! 

Q:この映画では、ラブコメディーらしくレネーの恋も大きなキーポイントになっていますね。

すごく応援しちゃいますよね! 気づいたら「レネー頑張れ!」ってなっちゃっています。私はレネーが出会うイーサンが大好き! イーサンみたいな人が超タイプです。イーサンは、気が弱いけど、ちゃんと相手の良さを受け入れられる人ですよね。悪いところを見つけるのって簡単だと思いますが、人の良いところをちゃんと見つけられる人ってすごく素敵だと思うし、個性を面白がってくれるところが好きです。

取材・文: 森田真帆 写真:日吉永遠