高い人気を誇る同名ミステリーを、初の刑事役に挑んだ木村拓哉主演で映画化。連続殺人事件を解明すべく、一流ホテルに潜入する刑事やホテルマンたちの姿を追っていく。そんな彼らの前に次々と現れる、素性の知れない宿泊客の一人にふんした菜々緒が、撮影現場で意識したことや座長・木村への思いを明かした。

豪華キャストの一員として

Q:豪華な顔ぶれの一員として、クセのある宿泊客を演じられていますが、演じる際に意識したことはありますか?

登場人物が多くキャストも豪華なので、自分のキャラクターが埋もれないように、際立たせたいと思いました。特に女性キャラクター同士が似てしまうことを避けるために、色を付けていく作業を楽しみました。登場人物の中でも一番気性が激しくみえる女性ですから。外見的にも口調的にも「このお客さん、キツいな」という印象を与える、クレーマーに近い感じを意識しました。

Q:監督とはどのようなお話し合いを?

監督は「とにかく登場人物はみんな仮面を被っているから、“この人が犯人かもしれない”と観客に思わせられるように」とおっしゃっていたので、怪しさを醸し出した意味深な表情を作るように心掛けました。

Q:ホテルのスタッフ役、ゲスト役とエキストラさんを含めて、大人数の撮影でしたよね?

確かに人数はかなり多かったですし、セットが壮大でした。あれほど広いセットの撮影現場は初めてでした。ラグジュアリーなホテルらしいシャンデリアがまた大きくて立派で、階段もあってロビーも広々してしました。どのくらいの時間や予算を掛けたのだろうと考えてしまいました(笑)。

Q:本物感のあるセットや美術というのは、演技にも影響を与えるものですか?

やはり視覚的な要素は、目に入る情報としてすごく大事です。観客の方にとってはもちろん、演じる自分自身が楽しめることも大切だと思います。すごく映画的で、ワクワク感にもつながると思います。

兄貴に一生ついていきます!

Q:完成作をご覧になった感想や、特に注目して欲しいポイントは?

ミステリーということもありますが、いろいろな登場人物が行き交い、次から次へと新しい展開が巻き起こっていくので、本当に目が離せないです。一瞬たりとも飽きないですし、あっという間に感じました。一つ一つのエピソードがバラバラのように見えて、結果として事件解決につながっていくのも面白いです。そして登場人物に、それぞれのドラマがある。その人が抱えていることやその人の思いが伝わって、人間模様をすごく楽しめる作品です。ホテルという一つの空間の中にいろんなタイプの人がいて、様々な思惑が渦巻いている。そう考えたら、自分もその一員になれたうれしさがこみ上げてきます。とても楽しく演じられました。

Q:木村さんとの共演作が多い印象があります。

トータルは3回です。ただ撮影の順番的にはこの作品は2本目で、まだそれほどお話ししていない状態だったので、とにかく緊張しっぱなしでした。この撮影の後にドラマ「BG ~身辺警護人~」で共演させていただくことが決まっていたので、撮影現場で木村さんから「次も一緒みたいだから、よろしくね」と先にごあいさつをいただいてしまいました。「わたしからしなければいけないのに、逆になってしまってスミマセン!」と恐縮していたら、「そんなことないよ」と笑いながら言ってくださいました。そういう優しいフォローも含めて、みんなに愛される人柄が印象的です。

Q:木村さんの座長ぶりはいかがでしたか?

木村さんは完璧ですから。木村さんの座長ぶりを実際に見た後に、別の作品で座長をさせていただく機会がありました。その時に“木村さんって、すごいんだ”と身をもって実感しました。観察眼がすごくあって、気配りや人への思いやりにあふれています。自分がどう頑張っても、なかなか真似できることじゃないです。場を盛り上げるのも木村さんだし、ダラけた時に活を入れてくれるのも木村さん。撮影現場への愛がすごく強くて、男気あふれた方です。本当に「兄貴に一生ついていきます!」という気になります。

舞台にチャレンジしたい

Q:役の幅が広がっている印象がありますが、女優業の面白さや醍醐味なども実感されていますか?

逆に最近は演技に対して悩むことがすごく多くて、日に日に緊張するようになってきて……。緊張しすぎちゃって、声が出ないくらいの時もありましたが、とりあえずセリフに集中するくらいしかできなかったですけど。今度木村さんに、そんな時はどうしたらいいかアドバイスをいただきたいと思っています。

Q:緊張感と向き合いつつ、女優としての2019年の目標はありますか?

まだやったことのない舞台にチャレンジしてみたいです。今回は刑事役の小日向文世さんとはドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」でもご一緒させていただいたんですけど、その時に「1回、舞台をやったらいいと思う」と勧めてくださいました。自分のスキルや能力を高めるためにも、新しいことへのチャレンジが大事だと思うので、舞台出演の機会があればうれしいです。

Q:そのための準備などは何かされていますか?

声のお仕事をさせていただく機会があり、それをきっかけにボイストレーニングに通っています。それはいずれ、舞台にも生かされると思っています。

Q:プライベートでは、どんな時間を過ごしたいですか?

英語の勉強を始める予定です。周りに英語を話せる人が多いですし、一人旅で海外へ行くことも多いので。日常会話くらいできるようになったら、もっといろんな場所へ行きやすくなり、旅行の範囲も広げられると思って。

取材・文:柴田メグミ 写真:日吉永遠